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腰痛はガンでなければ怖くない


井尻 慎一郎 著

単行本 ¥1,320

刊行年月日:2015/12/24
ISBN:978-4-422-41089-0
定価:1,320円(税込)
判型:B6判変型
造本:並製
頁数:208頁

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内容紹介

腰痛歴30年余の整形外科医が教える、腰痛の最新知識と正しい付き合い方

巷にあふれる「完治」をうたう腰痛本。しかし、国内には今も2千800万人もの腰痛患者がいると言われています。本書は「腰痛は簡単には完治しない、でも、ガンのような重病でなければ、怖れる必要はない」をモットーに、行列のできる神戸の整形外科クリニックを営む医師が、自分の30年にわたる長い腰痛歴と膨大な臨床歴をもとに伝える、腰痛の最新知識と付き合い方、考え方です。本書を読んで、まずは気持ちを楽にしましょう。

以下、この本の主な内容を章題に沿って紹介します。

■序章 私の腰痛30年史
30歳の頃、腰痛を発症。40歳を過ぎてすべり症が現れるもブロック注射などで仕事を継続、そして54歳で手術を決断、術後2年は注意を怠らず、その後経過は順調です。

■第1章 ガンでなければひと安心
腰痛と言っても千差万別、痛みはつらいですが、必要以上に恐れなくてもいい。本書での腰痛の分類を説明し、とくに急性と慢性を分けて考え、対処することの必要を説明します。

■第2章 重大な腰痛、見逃してはいけない腰痛
気にし過ぎは禁物の腰痛ですが、その中で割合は小さいながらガンをはじめ、放っておいてはいけない腰痛があります。ここではその重大な腰痛を分かりやすく説明します。

■第3章 急性・慢性腰痛に共通する大事な考え方
湿布の使い方、患部の冷やし方はじめ、応急処置、慢性の痛みの対処法、手術をするしないの判断の基準など、腰痛全体に当てはまる個人でできる対処の仕方、痛みとの向かい合い方、腰痛そのもの考え方を具体的に説く章です。本書で一番ページ数を取っています。

■第4章 急性腰痛――捻挫や骨折などのケガが原因の腰痛
腰にも捻挫があるのをご存知ですが。ぎっくり腰や圧迫骨折など、外傷やケガが原因の急性の腰の痛みの説明と対処の仕方を教えます。

■第5章 急性腰痛――炎症や姿勢や疲労が原因の腰痛
はっきりとして原因を突き止めにくい、腰の炎症による急な痛みへの対応の仕方や付き合い方を説きます。

■第6章 慢性腰痛――ストレスやウツなどの心因性の要素が少ないとき
なかなか治らない腰痛はとても多く、その原因や理由は多岐にわたり、医師であってもよく分からないケースもあります。ここでは、分からないものは分からないと見切ったうえで、どうやって慢性の痛みを治療し、日常生活と折り合いをつけていくのか、著者自身の経験を交えながら説明します。

■第7章 慢性腰痛――ストレスやウツなどの心因性の要素が多いとき
近年、慢性腰痛の原因として心因性のファクターがより重視されるようになってきています。ここでは心因性の腰痛の可能性があるケースについての考え方を説明します。

■第8章 神経痛がある場合の診断と治療と考え方
腰痛と神経痛は分けて考え、治療をする方が効果的です。ここではそのワケと対処の仕方などを解説します。

以上、内容紹介でした。
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目次

■序章 私の腰痛30年史
あふれる腰痛本/腰痛になったのは30歳の頃/40歳を過ぎてすべり症が/硬膜外ブロック注射などで仕事を継続/手術を受けようと決断した54歳/親友の整形外科医に手術を依頼/術後12日で診療再開/半年後にはゴルフも/術後2年は注意が必要/腰痛に不安を感じすぎる日本人

■第1章 ガンでなければひと安心
その後の私/私の「肩こり」が嘘のように消えたわけ/「腰痛は怖い」のか?/腰痛が人間に起こりやすいワケ/脊髄神経まで守っている腰椎/障害を補う働き/完治を無理に目指さない/本当に心配すべきは悪性の病気と感染/この本での腰痛の分類/急性と慢性を分けることが大切

■第2章 重大な腰痛、見逃してはいけない腰痛
腰の痛みがどんどん悪化するとき/脊椎の骨に生じる悪性の病気/複数の診療科受診の必要性/MRI検査によるガン発見のケース/感染性脊椎炎について/化膿性脊椎炎について/見逃しやすい結核性脊椎炎(カリエス)/整形外科以外の他の科の病気による腰痛/とにかくガンを見逃さない

■第3章 急性・慢性腰痛に共通する大事な考え方
痛みは体の異常を知らせる有益なサイン/関節・筋肉痛と神経痛の違い/痛みの原因部分と痛む部位が異なることがある/痛みを感じない方が怖い/不意に動かず、少し間をおいて動き始める/動ける範囲で日常生活を続ける/背伸び体操、あくび体操/少しずつストレッチ/朝痛いのはむしろ当たり前/すぐに消える痛みは心配しない/急性炎症を火事にたとえると/腰痛は冷やすより温めた方がよい/お風呂でかえって腰痛をおこすことがある/痛みの感受性度合を知っておく/集中時に忘れる腰痛は気にしない/多少のしびれは無視しよう/30歳を越えれば自分は中古車だと考える/誰でも背中が曲がってくる/状況にあわせた工夫が大事/腰痛には恐怖と不安が強いことが多い/思いこみによる腰痛/原因不明の「非特異的腰痛」とは/ポジティブさ+多少の努力/納得した後に自信と勇気を持つ/完治という目標はストレスになりやすい/一度はレントゲン検査を受けてみる/柔らかい組織を調べるのに適したMRI検査/寝返りはとても大切な運動/畳に布団よりもベッドの方が腰にやさしい/普段から気を付けたい予防の姿勢/体操は腰痛の予防と治療に不可欠/決定的に正しい腰痛体操はない/一番よい運動は30分ほどのウォーキング/泳ぐならクロールか背泳ぎで/リハビリと運動療法/痛い方向へ動かすのがリハビリ/リハビリには旬がある/ほぐす、鍛える、動く範囲を増やす体操/上半身は下半身より弱い/体操のキーワードは「気楽に」/薬は病気を治す有力な道具/日本独自の発展を遂げた湿布薬/生活の質を高める手術/レーザーによる手術の適否/執刀医の良し悪しは整形外科医に聞け/最後は自分で納得する

★長編コラム 労働と腰痛について
労働による腰痛の原因/職場での環境改善/労働形態の違いごとの注意点/いつでもどこでも簡単に

■第4章 急性腰痛――捻挫や骨折などのケガが原因の腰痛
ケガが原因の腰痛にはまず予防/ぎっくり腰、ドイツでは「魔女の一撃」/私のぎっくり腰予防法/長時間の前かがみは危険/足首同様、腰にも捻挫がある/ケガの痛みは心配しすぎない/圧迫骨折はまず痛みを軽くさせよう/ちょっとでもすぐ動かす/コツはゆっくりした動作/痛みが減ってさえいれば順調と考える/急性腰痛は初めから温める/湿布薬の正しい知識/痛みが強ければ注射も有効/コルセットも痛ければ着け、徐々に外す/治ったら再発を恐れない

■第5章 急性腰痛――炎症や姿勢や疲労が原因の腰痛
炎症とは何か/腰の関節や筋肉が急に炎症を起こすことはある/原因を深く追求しすぎない/ケガには炎症も生じる/筋肉の疲労による腰痛の仕組み/肩こりに似ている治療法/同じ姿勢を続ける危険/現代病としての姿勢性腰痛/同じ姿勢を続けないこと/急性の炎症は治せる/急性腰痛による炎症でも長く続くことがある/治療に過度な安静は不要/少しずつ動いていく/楽な体操やストレッチで腰をほぐす/急性腰痛での手術は滅多にない

■第6章 慢性腰痛――ストレスやウツなどの心因性の要素が少ないとき
はじめに /腰痛が原因で寝たきりにはまずならない/寒い地方で腰痛が多いというデータはない/病名がはっきり分からなくても心配しない/消炎鎮痛剤の上手な使い方/私の消炎鎮痛剤服用歴/私の慢性腰痛でも分かる腰痛の複雑さ/膝痛ならば病名はひとつが多い/慢性は薬でも痛みが治まらない場合が多い/ずばりと診断しにくい慢性腰痛/完治はしないと前向きにあきらめる/痛くないときがあれば自信を持つ/脳が痛みのエピソードを記憶する/腰は車のエンジンに似ている/腰は免震機能も担っている/自分で勝手に診断するのは危険/骨粗鬆症への危惧の弱さは保険制度のせい?/骨粗鬆症による圧迫骨折の痛みによく効く注射薬/腰痛に絶対正しい姿勢や歩き方はない/便利なコルセットも着けすぎは禁物/手術をした方がよいとき、しない方がよいとき/原因がはっきりしないときは手術をしない/手術の上手な整形外科医は主治医に聞く/手術でも多少の鈍痛は残る/手術半分、リハビリ半分/手術後も体操や姿勢の注意は続ける/術後の安静期間やコルセットの着用指示はきっちり守る/じっとしすぎないのが一番の再発予防

■第7章 慢性腰痛――ストレスやウツなどの心因性の要素が多いとき
幻の痛みを感じる脳/昔から知られてはいた脳の過剰反応/脳の「思いこみ」をリセットする/素直な人は治りやすい/頑固な人は治りにくい/整形外科と心療内科のリエゾン療法/できないことでくよくよするな/大きなストレスを少しずつ減らしていく

■第8章 神経痛がある場合の診断と治療と考え方
腰痛と神経痛を分けて考える理由/神経痛は圧迫だけでは生じないこともある/炎症をしずめれば痛みは消える/坐骨神経痛の症状と治療/動かずに痛むときは神経痛の可能性が大/ヘルニアによらない坐骨神経痛の場合/ステロイドの使用は医師の裁量/神経痛には神経痛の薬を上手に使う/しびれには慣れるのがよい/神経痛と手術/手術してもしびれは多少残るもの

おわりに/参考文献

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著者紹介

[著]井尻 慎一郎(イジリ シンイチロウ)
井尻整形外科院長。医学博士。1957年神戸市生まれ。1982年大阪医科大学卒業。同大学一般・消化器外科入局、同研修医を経て、1984年京都大学医学部整形外科入局、京都大学附属病院、愛媛県立中央病院、兵庫県立塚口病院、公立高島総合病院を経て、1990年京都大学大学院医学研究科博士課程入学、1994年同修了。1994年神戸市立医療センター中央市民病院整形外科副医長、1996年同病院医長、1998年同病院全体の医局長、2000年神戸市垂水区で井尻整形外科を開業。
日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会スポーツ医認定医、日本リウマチ学会専門医、日本リウマチ財団登録医、兵庫県整形外科医会理事、神戸市立医療センター中央市民病院OB会幹事、六甲高校医師OB会会長。
著書に『曲がる腰にもワケがある―整形外科医が教える、首・腰・関節のなるほど話』、『痛いところから分かる骨・関節・神経の逆引診断事典』(共に創元社)があるほか、論文、講演、テレビ出演など多数。

※著者紹介は書籍刊行時のものです。
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