TOPICS 更新履歴

2024.07.04
「今月のおすすめ本」を更新しました。
2024.06.18
「子どもの本100問100答」を更新しました。
2024.06.05
「今月のおすすめ本」を更新しました。
2024.05.21
「子どもの本100問100答」を更新しました。
2024.05.02
「今月のおすすめ本」を更新しました。

書籍紹介動画

学校・図書館さまにおすすめの書籍の内容を、動画でご紹介します。

動画一覧はこちら(YouTube)

今月のおすすめ本

おすすめの新刊や話題の書籍を、教育・図書館関係者さまの推薦のことばとともにご紹介します。

貝類図鑑

自然科学ハンドブック 貝類図鑑

S.ピーター・ダンス著/マシュー・ウォード、サイモン・エイケン写真/黒住耐二監訳/山崎正浩訳
定価 3,960円(税込)

自然科学ハンドブックシリーズの第5弾。採集、保管などの基礎知識に加え、貝類482種を最新の分類体系で解説。米国スミソニアン協会公認。

美しいトマトの科学図鑑

美しいトマトの科学図鑑

矢守航、矢守那海子、松島依子著
定価 1,980円(税込)

50種類のかわいいトマトの写真集。著者のひとりである矢守航・東京大学農学部准教授が、東大の農場で育て、うま味、酸味、季節とうま味の関係などを科学分析しました。

世界を掘りつくせ!

世界を掘りつくせ!

アレクサンドラ・ステュワート、キティ・ハリス著/喜多直子訳
定価 2,640円(税込)

地面を掘れば、大昔の生き物の姿や人々の生活の様子がわかるお宝が出てくるかも。ミイラや恐竜の骨、巨大隕石など、秘宝を探しに考古学者たちといっしょにタイムスリップ!

奇妙で不思議な土の世界

奇妙で不思議な土の世界

英国王立園芸協会監修/ウェンジア・タンイラスト/ジャクリーン・ストラウド、マーク・レッドマイル=ゴードン著/林健太郎監訳/北川玲訳
定価 2,420円(税込)

地球上の生きものの暮らしを支える土について、多様な観点から解説。土の成分や性質、生物とのかかわり、自然環境のなかでの役割など、土と土がもたらす恩恵を解き明かす。

改訂版 あの恐竜どこにいた? 地図で見る恐竜のくらし図鑑

改訂版 あの恐竜どこにいた? 地図で見る恐竜のくらし図鑑

ダレン・ナイシュ監修/クリス・バーカー、ダレン・ナイシュ著/田中康平監訳/喜多直子訳
定価 2,970円(税込)

ティラノサウルスの化石がはじめて見つかった国は?ヴェロキラプトルが狩りをしていた場所は?食べ物は?古代と現代の地図を使って、恐竜と古代の生き物のくらしを紹介。

ひとりで探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑 改訂版

ひとりで探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑 改訂版

柴山元彦著
定価 1,980円(税込)

大人気石探しガイドブックシリーズ第1巻が大幅改訂。図鑑は4種を入替。スポットガイドは新規19か所を含む全24か所を収録。写真やデータ類も刷新、使い勝手がアップ。

改訂版 恐竜と古代の生き物図鑑

改訂版 恐竜と古代の生き物図鑑

ダレン・ナイシュ監修/ジョン・ウッドワード著/田中康平監訳/喜多直子訳
定価 2,970円(税込)

はるか昔、地球には恐竜をはじめ見たこともないような生き物が暮らしていた。1000点以上のフルカラー画像とともに最新研究から解明された古生物の驚くべき世界を紹介。

「科学のキホン」シリーズ 全4巻セット

「科学のキホン」シリーズ 全4巻セット

カート・ベイカー、ヘレン・ピルチャー、アリ・O・セゼル、ケン・アシュウェル著/東辻千枝子、日髙翼訳/野田泰子監訳/久保美代子訳
定価 12,320円(税込)

日常生活のあらゆる場面に、サイエンスはかくれている! 物理学/生物学/化学/解剖学の「キホン」を手描き風のイラスト&解説でサポートする入門書シリーズ(全4巻)。

シリーズ「あいだで考える」創刊5冊セット

シリーズ「あいだで考える」創刊5冊セット

頭木弘樹、戸谷洋志、奈倉有里、田中真知、坂上香著
定価 7,920円(税込)

不確かな時代を共に生きていくために必要な「自ら考える力」「他者と対話する力」「遠い世界を想像する力」を養う多様な視点を提供する、10代から読める人文書シリーズ。

身近なモノやサービスから学ぶ「情報」教室シリーズ①~⑤【全5巻セット】

身近なモノやサービスから学ぶ「情報」教室シリーズ①~⑤【全5巻セット】

土屋誠司編著/松本和幸、芋野美紗子、鈴木基之、柘植覚著
定価 13,750円(税込)

まるで授業を受けているような感覚が味わえる読みやすくて楽しい入門書。高校の「情報」の学習範囲に準拠し、写真や図表を豊富に掲載。学生から社会人まで役立ちます。

子どもの本
100問100答

子どもの本に関わる質問や疑問にQ&A形式でお答えします。内容は月替わりで更新いたします。
※2013年8月刊行『子どもの本100問100答』(一般財団法人大阪国際児童文学振興財団編)より抜粋
(2024.6.18更新)

昔話「三枚のお札」はどの地方の昔話ですか? 話のバリエーションもたくさんあると聞きました。

三枚のお札

 よく知られている昔話「三枚のお札」は、小僧さんが山のなかで出会った山姥(鬼婆)に食べられそうになり、魔除けのお札の助けを借りながら逃走する話です。絵本や紙芝居にも多く取り上げられ、図書館などのおはなし会でもよく語られている人気作品の一つです。

 鬼婆に追いかけられ、食べられそうになるスリルはテンポよく、一方で鬼婆にまったく動じない和尚さんは愉快で、その語り口のおもしろさ・ユニークさが人気の理由の一つでしょう。

昔話の分布

 『日本昔話通観』全31巻(同朋舎出版、1990)には、全国各地の47話の「三枚のお札」が収録されています。絵雑誌「こどものとも」に「さんまいのおふだ 新潟の昔話」(福音館書店、1985)があるように、新潟を中心とした東日本に分布は偏っていますが、それでも青森・岩手などの東北各地から、北陸、近畿、山陰、九州、沖縄とその分布は全国に及んでいます。「地蔵」(笠地蔵)の33話と比較しても、この昔話がいかに多く語られ、そして広く伝播していったかがわかります。また、『日本昔話通観 研究編2 日本昔話と古典』(1998)では、類話として『古事記』上「黄泉国」や、『日本書記』『和漢三才図絵』なども指摘しており、古くから語り伝えられてきた昔話であるようです。こうした昔話が各地の語り手によって豊かに語り継がれ、そのなかで多くのバリエーションが生まれ、絵本などにもとりあげられるにいたって、現代においても広く知られる人気の物語になったものといえます。

基本的なパターン

 もっとも多く採集されている新潟の昔話(『日本昔話通観10 新潟』)から、「三枚のお札」の典型話(逃走型)をみておきます。

 和尚さんに山へ栗拾いに行けと言われた小僧さんが、山奥は鬼婆がいるから嫌だと断りますが、和尚さんはそれをなだめ、魔除けのお札を3枚くれます。小僧さんが栗を拾って山奥へ分け入るうちに日も暮れ、仕方なく一軒の家に泊まらせてもらいますが、それが鬼婆の家。食われそうになりながら逃げ、自分の後ろにお札を投げます。それが大川、砂山、大火事になり、鬼婆の追撃をかわし、最後はお寺に逃げ込んで助かります。

バリエーション

 上記に加えて、新潟だけでも四つの異なるパターンがあり、それぞれ山へ行く理由(取りに行くもの)や展開、結末などが異なります。たとえば、井戸死型では、小僧さんは山へ彼岸花を取りに行き、逃げ込んだ雪隠で神様からお札をもらいます。結末では、追ってきた鬼婆は井戸に映った自分を見て飛び込んで死んでしまいます。一口型では、寺まで追ってきた鬼婆に対峙した和尚さんは、小さなものに化けてみろといい、豆粒になった鬼婆を餅に挟んで食べてしまいます。退治型、耳切型はいずれも寺にやってきた婆と和尚のやりとりが異なっています。前者は、鬼婆が和尚に小僧が寺にいなければ自分を臼で挽け、寺にいれば自分が和尚を臼で挽くといいます。後者は、和尚が寺に逃げ込んできた小僧の全身にお経を書いて姿を見えなくするのですが、耳にだけ書き忘れたため、婆がそれを持ち帰り、以降小僧は耳なし和尚となった物語です。和尚さんと小僧さんの関係、和尚さんの存在や鬼婆と人間の距離が型によって異なるのと同時に、怖さとユーモアのバランスもちがいます。このほかにも、「鬼の家の便所」などの類似話も多くあります。

外国の類話

 外国の昔話では、中国をはじめとするアジア、北米、ヨーロッパ、北欧等に類話があるといわれています。ドイツでは「ヘンゼルとグレーテル」、イギリスでは「ジャックと豆の木」、またトルコの昔話「ケローランと鬼の大女」や、スラヴ民話に登場する妖婆の物語「バーバヤガー」にも通じるものがあると指摘されています。こわさと愉快さをあわせもつところに世界での普遍的な人気の秘密があるのでしょう。

カタログ
ダウンロード

毎年4月に発行している学校・公共図書館さま向け図書カタログや、
4月以降に刊行した新刊のチラシを下記よりダウンロードしていただけます。

SDGs関連本特集