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近代日本メディア議員列伝・5巻
中野正剛の民権
狂狷政治家の矜持
白戸 健一郎 著
内容紹介
言論に立脚した輿論政治の可能性と隘路
華々しい言論活動と比類なき大衆扇動力でその名を轟かせた雄弁政治家、中野正剛。福岡県中学修猷館から早稲田大学に進み、東京朝日新聞記者を経て東方時論社主筆として活躍した経験を糧に、衆議院議員8回連続当選、浜口内閣で政務次官となり、東方会を結成すると南進論を唱えた。日米開戦後は東條政権批判を繰り返し、憲兵の取り調べから釈放された直後に自宅で不可解な割腹自殺を遂げ、58年の生涯を閉じた。中野は政治家として何を目指し、なにゆえに自ら命を絶たねばならなかったのか。これまで十分に検証されてこなかったメディア政治家としての側面に光をあて、新たな人物像を描き出す。シリーズ第3回配本。
〈近代日本メディア議員列伝〉
明治から戦後にかけて〈政治のメディア化〉を体現したメディア議員を取り上げ、一人一冊で深掘りする、佐藤卓己氏単独編集による完全書下ろしの新シリーズ。国会議員がこぞってSNSで発信し続ける現代政治への向き合い方に自省を迫る、これまで無かった人物列伝。もっと見る
目次
序章 狂狷たる政治家
第一章 慷慨青年の自己形成
1 甚太郎から正剛へ
2 日露戦後の早稲田大学
第二章 街頭に飛び出す政論記者
1 東京朝日新聞入社と政論の展開
2 植民地下の民族
3 世界をみて
第三章 目覚める革新派メディア政治家
1 『東方時論』を拠点にして
2 メディア政治家の時代へ
3 民族主義と社会主義の間で
第四章 二大政党時代のイデオローグ
1 大政党のなかの中野正剛
2 立憲民政党の成立
3 先鋭化する田中批判
第五章 ポスト政党内閣期における民意
1 危機のなかの模索
2 目的は民主、手段は独裁
3 国民運動への邁進
第六章 総力戦体制のなかの自由
1 東亜新秩序とヴェルサイユ体制の打破
2 東條英機と中野正剛
終章 中野正剛と公論の時代
あとがき
主要参考文献
中野正剛 著作年譜もっと見る
著者紹介
※著者紹介は書籍刊行時のものです。[著]白戸 健一郎(シラト ケンイチロウ)
筑波大学人文社会系准教授。1981年北海道生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了(教育学博士)。メディア史、歴史社会学専攻。単著に『満洲電信電話株式会社』(創元社)、共著多数。「満洲電信電話株式会社の多言語放送政策」『マス・コミュニケーション研究』(82号、2013年)で日本マス・コミュニケーション学会優秀論文賞受賞。もっと見る
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メディア情報
2024/05/04 図書新聞書評掲載
2024/04/01 『公明』4月号 佐藤卓己氏インタビュー記事掲載
2024/03/16 毎日新聞書評掲載