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アルケミスト双書 闇の西洋絵画史〈2〉
魔性
山田 五郎 著
単行本 ¥1,650刊行年月日:2021/03/17
ISBN:978-4-422-70132-5
定価:1,650円(税込)
判型:B6判変型 175mm × 148mm
造本:上製
頁数:64頁
内容紹介
男の破滅願望が生んだ暗い妄想。
大好評シリーズ「アルケミスト双書」から
『闇の西洋絵画史』篇が登場!
西洋美術の「闇」の側面を浮かび上がらせる、
妖しくも美しい西洋絵画史シリーズ(フルカラー)。
著者は編集者で評論家の〈山田五郎〉。
■著者・山田五郎より
西洋絵画には、
教科書には載せられない「影の名画」もあれば、
逆によく見る名画に「影の意味」が
隠されていることもあります。けれども、
今日の感覚では不健全と思える表現や寓意も、
描かれた背景を知れば納得でき、
見え方が変わってくるはずです。
西洋絵画の本質は、
その最大の特徴である陰影法と同様に、
光のあたる表面だけではなく
闇の側面も見ることで、はじめて立体的に
浮かび上がってくるのではないでしょうか。
■本シリーズの特徴
・1冊1テーマを詳説
・類をみないユニークな切り口
・1冊あたり約70作品を掲載
・コンパクトで瀟洒な造本
・本物の美術の教養に
・ゲームや漫画他、創作のための資料としても
■シリーズ
*第1期:【黒の闇】篇
〈1〉悪魔
〈2〉魔性
〈3〉怪物
〈4〉髑髏
〈5〉横死
*第2期:【白の闇】篇
〈6〉天使
〈7〉美童
〈8〉聖獣
〈9〉楼閣
〈10〉殉教
■まえがき(〈2〉魔性)
ファム・ファタルはフランス語で、
直訳すれば「運命の女」。
赤い糸で結ばれた良縁が原義ですが、
もっぱら逆の意味で使われます。
すなわち男の運命を狂わせて破滅に導く
「魔性の女」という意味で。
ギリシャ神話のメディアや聖書のサロメから、
クレオパトラや楊貴妃まで、古今東西、
虚実ない混ぜ様々な魔性の女が知られています。
いずれも男を美貌と色香で惑わせ、
不実と我儘で狂わせますが、
それ以上に重要なポイントは、
彼女たちの多くが無自覚なこと。
つまり、男の方が勝手に惑わされたり
狂わされたりしているだけなのです。
魔性の女の正体は、
男の他力本願な破滅願望といえるかもしれません。
退廃的な厭世観が蔓延した
19世紀末の西洋で特に好んで描かれたのも、
決して偶然ではないでしょう。もっと見る
目次
◆Ⅰ 聖書の魔性の女
サロメ
ユディト
デリラ
バテシバ
イヴ
リリス
◆Ⅱ 神話の魔性の女
スフィンクス
セイレーン
キルケー
ニンフ
メディア
オンファレ
◆Ⅲ 実在の魔性の女
クレオパトラ
メッサリーナ
エリザベス・シダル
ジェーン・モリス
◆Column
ヘロディア
不釣り合いなカップル
ヴィーナスもっと見る
著者紹介
※著者紹介は書籍刊行時のものです。[著]山田 五郎(ヤマダ ゴロウ)
山田五郎(やまだ・ごろう)
1958年、東京都生まれ。編集者・評論家。東京国立博物館評議員。AHS(英国古時計協会)会員。上智大学文学部在学中にオーストリア・ザルツブルク大学に1年間遊学し、西洋美術史を学ぶ。卒業後、講談社に入社。『Hot-Dog PRESS』編集長、総合編纂局担当部長等を経てフリーに。現在は時計、西洋美術、街づくりなど幅広い分野で講演、執筆活動を続けている。『ぶらぶら美術・博物館』(BS日テレ)、『出没! アド街ック天国』(テレビ東京)など、テレビ・ラジオの出演も多い。主な著書に『知識ゼロからの西洋絵画入門』『知識ゼロからの西洋絵画史入門』『知識ゼロからの西洋絵画 困った巨匠対決』『知識ゼロからの近代絵画入門』(以上、幻冬舎)、『ヘンタイ美術館』(共著・ダイヤモンド社)、『へんな西洋絵画』(講談社)など。もっと見る
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