エロティック美術の読み方

西洋美術を中心に、世界のエロティック美術の表現を当時の性愛観、性習俗、社会構造、世界観などから読み解く「西洋美術の読み方」シリーズの別巻。西洋美術の名画だけでなく、スケッチ、版画、彫刻、挿絵、写本、無名画家の作品まで取り上げ、性表現の多彩で豊饒な世界を紹介する。常に美術の中心にありながら本格的に取り上げられることの少なかったエロティック美術を俯瞰できる好著。

はじめに
監修者序

ヴィレンドルフのヴィーナス
踊り子像
バーニーの浮彫（夜の女王）
聖婚
ネフェルティティ王妃立像
愛の交わり
奉納小像
牡牛の墓
クーロス像（クロイソス・クーロス）
ペディエウスの画家　乱痴気騒ぎ
ブリュゴスの画家　性的関係に入ろうとしている成人男性と少年
結合
飛び込む男の墓
ガニュメデスと鷲
再生するオシリス
ミロのヴィーナス
郊外の浴場
ルパナール（売春宿）
秘儀荘
ウォーレンの杯
セレネとエンデュミオン
接吻し抱擁する男女
儀式上の神との性的関係
フェラチオ
ファルネーゼのアンティノウス
ヤクシニー像
眠るヘルマフロディトス
レダと白鳥
ブッダの誘惑
庭の天蓋下の恋人たち
踊る女性像で装飾された壺
赤衣舞女
愛の遊戯
デーヴァダーシー
ギスレベルトゥス　イヴの誘惑
ミトゥナ像と女の精霊
ランスロットとグイネヴィア
宮廷風恋愛
フランス派　口づけ
ロベール・ポワソンとジャン・ブードルフ（エンヌカン・ド・ブリュージュ）　バビロンの大淫婦
貞淑なスザンナ
セルギウス・オラタの浴場
ランブール兄弟　キリスト教徒の誘惑
ギルベール・ド・メスの画家　フラーテ・プッチョの話
マンタ城の画家　若返りの泉
カランドリーノとシモーネ先生の話
選ばれた女性の小像
アリストテレスとフィリス
ジャン・フーケ　聖母子と天使たち
愛の呪文
フランチェスコ・デル・コッサ　ウェヌスの凱旋
エルコレ・デ・ロベルティ（帰属作品）　ウェスタの巫女を抱きしめるマルス
水浴をする女たち
サンドロ・ボッティチェリ　ウェヌスの誕生
ハンス・メムリンク　バテシバの水浴
ヴィットーレ・カルパッチョ　ふたりのヴェネツィア婦人
ヒエロニムス・ボス　「快楽の園」トリプティク
ヒエロニムス・ボス　「快楽の園」（中央パネル）
ティツィアーノ　聖愛と俗愛
ハンス・バルドゥング・グリーン　3人の魔女
ラファエロ　若い女性の肖像（ラ・フォルナリーナ）
ジュリオ・ロマーノ　恋人たち
バルトロメオ・ヴェネト　女性の肖像（ルクレツィア・ボルジア）
ルーカス・クラーナハ（父）　ウェヌスに不平を言うクピド
ジュリオ・ロマーノ　田舎の宴会
ジュリオ・ロマーノ　オリンピアスを誘惑するゼウス
ヤン・ホッサールト　ダナエ
アルブレヒト・アルトドルファー　ロトと娘たち
ティツィアーノ　ウルビーノのヴィーナス
耿先生の煉丹術
アーニョロ・ブロンズィーノ　愛のアレゴリー
ルーカス・クラーナハ（父）　若返りの泉
ドメニコ・ティントレット（帰属作品）　胸を開く女性の肖
コルネリウス・コルネリスゾーン・ファン・ハールレム　修道士とベギン会修道女
フォンテーヌブロー派　ガブリエル・デストレと妹のヴィラール公爵夫人
宮殿での性的交わり
カラヴァッジョ　勝ち誇るアモル
アルテミシア・ジェンティレスキ　スザンナと長老たち
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ　プロセルピナの略奪
ペーテル・パウル・ルーベンス　ウェヌスの祝宴
ペーテル・パウル・ルーベンス　エレーヌ・フールマン、あるいはヘット・ペルスタン
ディエゴ・ベラスケス　鏡を見るウェヌス（ロークビーのヴィーナス）
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ　聖テレサの法悦
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン　水浴をする女
ヨハネス・フェルメール　取り持ち女
ヨハネス・フェルメール　恋文
夜明けの恋人たち
菱川師宣　芝居茶屋遊楽図巻
ラヒム・デッカーニ（帰属作品）　宴の場面と夢
一緒に春本を読む
ジャン＝アントワーヌ・ヴァトー　シテール島の巡礼
メーワール王国のマハーラーナー・サングラーム・スィン王の宮廷の画家　宝石の島の女神
ヤコポ・アミーゴ　ゼウスとカリスト
ウィリアム・ホガース　ビフォー・アンド・アフター
寓意的なイラストレーション
ウィリアム・ホガース　乱痴気騒ぎ
フランソワ・ブーシェ　性器の洗浄（トワレット・アンチーム）
ヴァジュラサットヴァとヴィスヴァターラー
フランソワ・ブーシェ　ソファに横たわる裸婦
ジャン・オノレ・フラゴナール　ブランコ（ブランコの幸運）
ジャン・オノレ・フラゴナール　閂
クリシュナとラーダーの出会い
アントニオ・カノーヴァ　クピドとプシュケ
性交を引き延ばす支配者と夫人
三すくみの関係と乱交
恋人たちの密会
フランシスコ・デ・ゴヤ　裸のマハ
ディドとアエネイアス
喜多川歌麿　「ねがひの糸ぐち」第5図
アントニオ・カノーヴァ　勝利のウェヌスとしてのパオリーナ・ボルゲーゼ像
葛飾北斎　蛸と海女
ジャン・オーギュスト・ドミニック・アングル　大オダリスク
テオドール・ジェリコー　3人の恋人たち
ウジェーヌ・ドラクロワ　サルダナパールの死
ウィリアム・エッティ　妻がベッドに入る時、密かに大臣のひとりギュゲスに妻を覗かせるリュディアの王カンダウレス
張形を使う女
ジョン・エヴァレット・ミレイ　オフィーリア
ジャン・オーギュスト・ドミニック・アングル　トルコ風呂
男同士のセックス
エドアール・マネ　草上の昼食
エドアール・マネ　オランピア
ジャン＝レオン・ジェローム　奴隷市場
男色者たち
ギュスターヴ・クールベ　世界の起源
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ　リリス
エドガー・ドガ　室内
ポール・セザンヌ　新しきオランピア
ギュスターヴ・モロー　出現
エドアール・マネ　ナナ
フェリシアン・ロップス　聖アントニウスの誘惑
ローレンス・アルマ＝タデマ　テピダリウム
トマス・エイキンズ　水泳
ピエール・オーギュスト・ルノワール　大水浴
オーギュスト・ロダン　フギット・アモール（逃げてゆく愛）
カミーユ・クローデル　ワルツ
アンリ・ド・トゥールーズ＝ロートレック　接吻
アンリ・ド・トゥールーズ＝ロートレック　ムーラン街のサロンにて
エドワルド・ムンク　マドンナ
オーブリー・ヴィンセント・ビアズリー　アテナイの女たちに大演説するリューシストラテー
フェルナン・クノップフ　愛撫あるいはスフィンクス
ポール・ゴーギャン　テ・アリイ・ヴァヒネ（高貴なる女）、あるいはマンゴーの女
ピエール・ボナール　ベッドでまどろむ女、あるいは物憂げな女
エロティックな場面を描いた中国製の嗅ぎタバコ入れ
パブロ・ピカソ　エロティックな場面
アンリ・マチス　生きる喜び
グスタフ・クリムト　接吻
エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー　マルチェラ
エゴン・シーレ　スカートをまくり上げる黒髪の女
マルセル・デュシャン　独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも（大ガラス）
アメデオ・モディリアニ　赤い裸婦（腕を広げて横たわる裸婦）
ジョージ・グロス　無題（裸婦たち）
オットー・ディックス　サロン1
タマラ・ド・レンピッカ　ラ・サル公爵夫人
オットー・ディックス　大都会、あるいは都市の腐敗
ルネ・マグリット　とてつもない日々
サルバドール・ダリ　大自慰者
バルチュス　ギターのレッスン
ハンス・ベルメール　人形（トルソ）
キャロル・ラマ　ドリーナ
フリーダ・カーロ　折れた背骨
マルセル・デュシャン　１.水の落下　２.照明用ガスが与えられたとせよ
フランシス・ベーコン　ジョージ・ダイアーを追悼するトリプティク
シルヴィア・スレイ　トルコ風呂
デイヴィッド・ホックニー　ディヴァイン
エリック・フィッシュル　不良少年
アンディ・ウォーホル　ケレル
ブルース・ナウマン　絞首刑にされた男
ジェフ・クーンズ　ピンク・パンサー
ルイーズ・ブルジョワ　シングル３

収録作品・所蔵館一覧
人名・神名索引
写真クレジット

［著］フラヴィオ・フェブラロ（フェブラロ，フラヴィオ）
著者　フラヴィオ・フェブラロ（ Flavio Febbraro）
美術と写真における歴史と表現の関係を専門に研究している。著書として How
to Read World History がある。

［監修］神原 正明（カンバラ マサアキ）
監修者　神原正明（ かんばら・まさあき）
1952年大阪市生まれ。神戸大学大学院修了（西洋美術史専攻）、現在倉敷芸術科学大学教授。『快読・西洋の美術』（勁草書房）、『ヒエロニムス・ボスの「快楽の園」を読む』（河出書房新社）、『天国と地獄』（講談社選書メチエ）など多くの著書がある。『西洋名画の読み方 1』『西洋名画の読み方 2』『西洋名画の読み方 3』『西洋名画の読み方 4』の監修者でもある。

［訳］内藤 憲吾（ナイトウ ケンゴ）
訳者　内藤憲吾（ ないとう・けんご）
1951年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て、現在フリーの編集者、ライター、翻訳家。『通勤ウォーキングで行こう！』（洋泉社）、『転職力』（光文社）、『西洋名画の読み方 1』『西洋名画の読み方 2』『西洋名画の読み方 3』『西洋名画の読み方 4』などの著訳書がある。