心配ないよ、だいじょうぶ

過去25年間に子どもとティーンエイジャーのうつ病と不安の割合が非常に増えており、こうしたメンタルヘルスの問題のほぼ半数は、14歳までに確立されてしまうと言われている。
〈おたすけモンスター〉シリーズは、まさにそのメンタルヘルスの問題が確立されてしまう７歳から11歳（主として小学生）の子どもたちを対象に認知行動療法をベースにして書かれた、子どものためのやさしく楽しいワークブックシリーズ。

各巻に、子どもたちと同い年くらいのかわいいモンスターが登場し、ともに悩んだり、子どもたちに問いかけたり、ワークを一緒にやろうと呼びかけたりして、子どもを励ましつつガイドしてくれる。モンスターと一緒に親子で楽しみながらできるワークブックとも言える。

『心配ないよ、だいじょうぶ』は、特にこわがりで不安が強く、外に出て遊んだり友だちと一緒に過ごしたりすることのできない子ども向けに書かれている。どうしてそんなに不安になるのか、不安ってそもそも何なのか、どうしたら乗り越えられるのかを、おたすけモンスターと一緒に親子でワークをしながら一つひとつ考えていく。親子で話す機会も増え、自分一人ではないという安心感を子どもに与えることができるよう工夫されている。

目　次

まえがき
保護者のためのガイド
〈この本の使い方〉子どものためのガイド
おたすけモンスター　フィズ

パート1　不安ってどんなもの？
　　〔やってみよう！〕まず自分のことを整理する
　　感情ってどんなもの？
　　なぜ不安な気持ちになるの？
　　〔やってみよう！〕フィズはどんな気持ちになる？
　　不安だと、どんな感じになる？
　　どんなことが心配のタネになる？
　　〔やってみよう！〕心配のタネ
　　パニック発作

パート２　心配ごとをどうあつかう？
　　〔やってみよう！〕いい気分のとき、不安なとき
　　体と心の声に耳をかたむける
　　不安の進み方
　　〔やってみよう！〕手形を使って深呼吸する
　　〔やってみよう！〕スローガンを叫んでみる
　　〔やってみよう！〕数えてみる
　　その心配ごとはどのくらい大きな問題？
　　〔やってみよう！〕わたしの一日
　　世界は大きくて広い
　　何だかわからない不気味なもの
　　知識はパワーだ
　　どうしてこわい話ってあるんだろう？
　　日記をつける
　　〔やってみよう！〕フィズの心配をとりのぞいてあげよう
　　考え、感情、行動
　　まちがった考え方

パート3　問題を解決する
　　それは事実？ それとも意見？
　　〔やってみよう！〕わたしについての事実
　　考えは事実ではない
　　解決に向かって！
　　〔やってみよう！〕心配を絵にすると？
　　不安な心に語りかける
　　心配ごとを正しく理解する
　　〔やってみよう！〕心配をびんづめに
　　〔やってみよう！〕勇気を出す！
　　ステップを踏んで
　　ふみかさんの勇気を育てるプラン
　　不安と向き合う
　　じょう君の勇気を育てるプラン
　　〔やってみよう！〕わたしのプラン

パート4　自分の面倒をみる
　　緊張を解くために何をする？
　　緊張ってどんな状態？
　　〔やってみよう！〕鼻押さえ呼吸法
　　見た目
　　〔やってみよう！〕かがみよ、かがみ
　　体を大切に
　　健康を保つ
　　〔やってみよう！〕眠る

パート5　友だちといじめの問題
　　ほんとうの友だちって？
　　いじめってどんなこと？
　　一人ぼっちじゃない
　　みんなちがう、人それぞれ！
　　〔やってみよう！〕ちがいを大切に！
　　完ぺきに見える友だち
　　〔やってみよう！〕感謝していること

パート6　まとめと整理
　　〔やってみよう！〕不安克服アクションプラン
　　あなただけじゃない
　　おわりに

保護者の方へ　
　

［著］ポピー・オニール（オニール，ポピー）
ポピー・オニール（Poppy O'Neill）
ポーツマス在住の作家。彼女の短編小説とノンフィクション作品は、さまざまな文芸雑誌やアンソロジーに登場し、またショートショート作品は、バスフラッシュフィクション賞とブリストル賞の候補に挙がってくる常連でもある。

［訳］渡辺 滋人（ワタナベ シゲト）
渡辺滋人（わたなべ　しげと）
訳書に『不安と友だちになる』『動物の見ている世界』（いずれも創元社）、『10代からの心理学図鑑』（三省堂）ほか。