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こころの秘密が脅かされるとき

心理臨床における守秘義務と倫理の問題


クリストファー・ボラス 著 / デイヴィッド・サンデルソン 著 / 筒井 亮太 訳 / 細澤 仁 訳

単行本 ¥3,960

刊行年月日:2024/04/25
ISBN:978-4-422-11829-1
定価:3,960円(税込)
判型:A5判 210mm × 148mm
造本:並製
頁数:196頁

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内容紹介

守秘義務と報告義務の衝突をどう超えるか

守秘義務と報告義務が衝突するとき、心理臨床家はいかに振る舞うべきか。守秘義務が容易に破られるようになると、心理臨床という営みはどのような影響を被るのか。児童虐待の問題や管理医療の浸透によって情報開示への要求が高まり、守秘義務の概念が揺らぐ米国の動向を詳細に追いながら、心理臨床における守秘義務の意味を考察する。こころの援助に携わる者であれば誰もが葛藤する切実なテーマへの実践的な問題提起の書。
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目次

【目次】

謝辞
イントロダクション

第1章 告白に背くこと
第2章 作成時欠席
第3章 秘密の喪失
第4章 情報提供者を創ること
第5章 秘匿特権を再建すること

解題
訳者あとがき
文献
索引

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著者紹介

[著]クリストファー・ボラス(ボラス,クリストファー)
クリストファー・ボラス(Christopher Bollas)
米国出身の精神分析家。英国精神分析協会所属。ニューヨーク精神分析訓練・研究インスティテュート名誉会員。父親がフランス人であった影響か、英語以外の言語も堪能であり、大学では政治学や文学を学んでいた。自身が学生時代に精神療法を受けた影響で、精神分析や精神療法に関心を抱く。30歳前後で英国にわたり、精神分析の訓練を始め(訓練分析家はマシュード・カーン)、英国の精神分析界で頭角を表す。60歳を過ぎたころ、米国に戻り、臨床実践以外にも執筆活動や絵画作成に打ち込むようになる。非常に多くの著作物を発表しており、日本語で読めるものとして、『対象の影:対象関係論の最前線』(館直彦監訳:岩崎学術出版社 2009)、『精神分析という経験:事物のミステリー』(館直彦・横井公一監訳:岩崎学術出版社 2004)、『終わりのない質問:臨床における無意識の作業』(館直彦訳:誠信書房 2011)、『太陽が破裂するとき:統合失調症の謎』(館直彦監訳:創元社 2017)がある。

[著]デイヴィッド・サンデルソン(サンデルソン,デイヴィッド)
デイヴィッド・サンデルソン(David Sundelson)
米国出身の控訴弁護士。開業弁護士を営むかたわら、ニューヨーク州立大学ジェネセオ校やカリフォルニア工科大学などで文学や精神分析学の教鞭をとっている。法と倫理の観点から心理臨床を論じた論考として「被害者のアウティング:倫理上の手続きにおける守秘義務違反」(Outing the victim: Breaches of confidentiality in an ethics procedure. In C. D. Levin, A. Furlong, & M. K. O’Neil(Eds.)Confidentiality: Ethical Perspectives and Clinical Dilemmas. New York: Routledge, 2003.)がある。

[訳]筒井 亮太(ツツイ リョウタ)
筒井亮太(つつい・りょうた)
香川県出身。関西大学大学院心理学研究科修了。臨床心理士。現在、たちメンタルクリニック・上本町心理臨床オフィス勤務。著書に『トラウマとの対話』(共編著:日本評論社 2023)、訳書にジェイコブス『ドナルド・ウィニコット』(共監訳:誠信書房 2019)、コトヴィッチ『R・D・レインと反精神医学の道』(共訳:日本評論社 2020)、スチュワート『精神分析における心的経験と技法問題』(単訳:金剛出版 2020)、ボウルビィ『アタッチメントと親子関係』(単訳:金剛出版 2021)、エヴァンス3世『ハリー・スタック・サリヴァン入門』(共訳:創元社 2022)、ドゥシンスキー他『アタッチメントとトラウマ臨床の原点』(単訳:誠信書房 2023)、ペダー『アタッチメントと新規蒔き直し』(単訳:みすず書房 2023)などがある。

[訳]細澤 仁(ホソザワ ジン)
細澤仁(ほそざわ・じん)
栃木県出身。神戸大学医学部医学科卒業。精神科医。現在、フェルマータ・メンタルクリニック院長、アイリス心理相談室代表。著書に『解離性障害の治療技法』(単著:みすず書房 2008)、『精神分析を語る』(共著:みすず書房 2013)、『日常臨床に活かす精神分析』(共編著:誠信書房 2017)、『実践に学ぶ30分カウンセリング』(共編著:日本評論社 2020)、『日常臨床に活かす精神分析2』(共編著:誠信書房 2022)、『寄り添うことのむずかしさ』(共編著:木立の文庫 2023)、訳書にスチュワート『バリント入門』(共監訳:金剛出版 2018)、ホームズ『アタッチメントと心理療法』(共訳:みすず書房 2021)、ショア『無意識の発達』(共訳:日本評論社 2023)などがある。

※著者紹介は書籍刊行時のものです。
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メディア情報

2024/11/13 『臨床心理学』(第24巻第6号)書評掲載
2024/07/27 図書新聞「上半期読書アンケート」で、東畑開人先生が選んだ3点のうちの1点として紹介

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