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橋爪節也の大阪百景
橋爪 節也 著
内容紹介
大阪の底力を再発見するための新しい文化誌
大阪的文化の地層を掘り起こす圧巻の100コラム。言葉、人物、絵画、文学、音楽、芸能、祭り、食文化、その他貴重資料から、この街に埋もれた本物の都市文化とその魅力を洒脱につづる。古典から最新の諸作品や展覧会まで、古今も硬軟も織り交ぜた縦横無尽で多彩な題材を、当代随一の語り部が郷土愛を込めて描いたエッセイ集にして、新しいかたちの大阪文化誌。巻末に読み物事典としても使えるキーワード索引を付す。図版多数。
〔目次〕
《巻頭カラー口絵》
はじめに
◇第一景 錦絵で〝花の都〟へ ――一養斎芳瀧・南粋亭芳雪・一珠斎国員「浪花百景」
◇第二景 大阪万博から半世紀 ――EXPO'70(日本万国博覧会)
◇第三景 描かれた適塾 ――緒方洪庵 手塚治虫 司馬遼太郎
◇第四景 大阪名物〝造り物〟 ――夏祭り 松川半山『四季 造物趣向種』
◇第五景 大川で舟遊び ――木谷千種「浄瑠璃船」
◇第六景 大阪ことば「いちびる」の語源 ――雑喉場魚市場 『守貞謾稿』 「滑稽浪花名所」
◇第七景 船場の通り名 ――通り 筋
◇第八景 とめの祭り「神農祭」 ――道修町 少彦名神社(神農さん)
◇第九景 双六で正月遊び ――「衣装競似顔双六」
◇第一〇景 大阪の生んだ世界的美術家・森村泰昌 ――「セルフポートレイト」
◇第一一景 上方落語「高津の富」の風景今昔 ――高津宮 絵馬堂 五代目桂文枝
◇第一二景 〝まっちゃまち〟の四季 ――松屋町 五月人形 赤本
◇第一三景 〝みおつくし〟のプライド ――澪標 天保山 大阪市章 難波橋
◇第一四景 道頓堀にたたずむ川柳の句碑 ――食満南北 太左衛門橋 相合橋
◇第一五景 建築物ウクレレ化保存計画 ――伊達伸明 法善寺横丁 美章園温泉
◇第一六景 〝なにわ知の巨人〟の貝類標本 ――木村蒹葭堂『奇貝図譜』
◇第一七景 「大阪市歌」を歌えますか ――黒田清 服部良一「おおさかカンタータ」 朝比奈隆
◇第一八景 モダン大阪の三大〝ブラ〟とは ――心ブラ(心斎橋) 道ブラ(道頓堀) 平ブラ(平野町) 岸本水府
◇第一九景 伝説の御堂筋パレード ――南海ホークス 関一 近代建築 流行歌 いちょう並木
◇第二〇景 大正時代の大阪の記憶 ――大大阪 大阪万博
……以下全百景
おわりに
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目次
《巻頭カラー口絵》
はじめに
◇第一景 錦絵で〝花の都〟へ ――一養斎芳瀧・南粋亭芳雪・一珠斎国員「浪花百景」
◇第二景 大阪万博から半世紀 ――EXPO'70(日本万国博覧会)
◇第三景 描かれた適塾 ――緒方洪庵 手塚治虫 司馬遼太郎
◇第四景 大阪名物〝造り物〟 ――夏祭り 松川半山『四季 造物趣向種』
◇第五景 大川で舟遊び ――木谷千種「浄瑠璃船」
◇第六景 大阪ことば「いちびる」の語源 ――雑喉場魚市場 『守貞謾稿』 「滑稽浪花名所」
◇第七景 船場の通り名 ――通り 筋
◇第八景 とめの祭り「神農祭」 ――道修町 少彦名神社(神農さん)
◇第九景 双六で正月遊び ――「衣装競似顔双六」
◇第一〇景 大阪の生んだ世界的美術家・森村泰昌 ――「セルフポートレイト」
◇第一一景 上方落語「高津の富」の風景今昔 ――高津宮 絵馬堂 五代目桂文枝
◇第一二景 〝まっちゃまち〟の四季 ――松屋町 五月人形 赤本
◇第一三景 〝みおつくし〟のプライド ――澪標 天保山 大阪市章 難波橋
◇第一四景 道頓堀にたたずむ川柳の句碑 ――食満南北 太左衛門橋 相合橋
◇第一五景 建築物ウクレレ化保存計画 ――伊達伸明 法善寺横丁 美章園温泉
◇第一六景 〝なにわ知の巨人〟の貝類標本 ――木村蒹葭堂『奇貝図譜』
◇第一七景 「大阪市歌」を歌えますか ――黒田清 服部良一「おおさかカンタータ」 朝比奈隆
◇第一八景 モダン大阪の三大〝ブラ〟とは ――心ブラ(心斎橋) 道ブラ(道頓堀) 平ブラ(平野町) 岸本水府
◇第一九景 伝説の御堂筋パレード ――南海ホークス 関一 近代建築 流行歌 いちょう並木
◇第二〇景 大正時代の大阪の記憶 ――大大阪 大阪万博
◇第二一景 「難波宮」の研究は今なお進む ――山根徳太郎 大極殿 難波長柄豊碕宮
◇第二二景 天才画家・佐伯祐三の伝説 ――北野高校 「郵便配達夫」 「ロシアの少女」
◇第二三景 春風に望郷つのる与謝蕪村 ――「春風馬堤曲」 毛馬
◇第二四景 都市美とモダニズムの中之島 ――中之島公園 小出楢重『めでたき風景』 浅野竹二「中之島公園月夜」
◇第二五景 住吉大社の典雅な時代絵巻「御田植神事」 ――住吉さん 「すみ博」
◇第二六景 北野恒富が描いた「いとさんこいさん」 ――「こいさんのラブコール」 谷崎潤一郎『細雪』
◇第二七景 宗教都市大阪を実感する四天王寺「万灯供養法要」 ――盂蘭盆会 道頓堀川 キャンドルナイト
◇第二八景 陰陽師・安倍晴明と狐の伝説 ――安倍晴明神社 「芦屋道満大内鑑」 上方落語「天神山」
◇第二九景 大正ロマンの画家スミカズの世界 ――竹久夢二 宇崎純一 波屋書房 「辻馬車」
◇第三〇景 「しゃれことば」好きの大阪人 ――前田勇 牧村史陽
◇第三一景 元禄時代の三文豪で年末年始を思う ――井原西鶴 松尾芭蕉 近松門左衛門
◇第三二景 道頓堀ジャズの時代 ――服部良一 日比繁治郎『道頓堀通』 貴志康一
◇第三三景 釣鐘づくし音色いろいろ ――四天王寺の引導鐘 釣鐘屋敷 釣鐘まんじゅう みおつくしの鐘
◇第三四景 桜咲く国のカクテール ――OSK日本歌劇団 少女歌劇団 岸本水府
◇第三五景 商売繁盛の神様メルクリウス ――大阪市中央公会堂 OMMビル 大阪市章
◇第三六景 世界に名を馳せた戦後大阪のアバンギャルド芸術 ――具体美術協会 グタイピナコテカ 吉原治良
◇第三七景 大阪くらしの今昔館で「肝だめし」 ――怪談 上田秋成『雨月物語』 大念仏寺「幽霊博物館」
◇第三八景 生誕一〇〇年でよみがえる『夫婦善哉』 ――織田作之助 『それでも私は行く』 『可能性の文学』
◇第三九景 街に流れる大阪クラシック ――小林秀雄『モオツアルト』 大植英次 朝比奈隆 貴志康一 大澤壽人 山田耕筰
◇第四〇景 「大大阪地下鉄行進曲」の鉄道マン魂と風流 ――大阪市電気局 映画『大大阪観光』
◇第四一景 地図で小説の舞台をたどってみると ――山崎豊子『白い巨塔』 織田作之助『世相』
◇第四二景 なにわの葦はとこしえに ――『難波名所 蘆分船』 小野十三郎『詩集大阪』 伊原セイチ「とこしえの舟」
◇第四三景 神樹のある風景 ――初午祭 巳さん
◇第四四景 女性画家が切りとる少女たちの心理劇 ――島成園「祭りのよそおい」
◇第四五景 古本三昧なにわの日々 ――古書店 鹿田松雲堂 天牛書店 古本市 大阪古書会館 四天王寺
◇第四六景 錦絵の中の藤、杜若、牡丹をめぐる ――「浪花百景」 「浪華百景」 春日神社「野田藤」 浦江聖天(了徳院) 『蘆分船』
◇第四七景 通天閣がエッフェル塔、大阪は巴里か ――岡本一平「大大阪君似顔の図」 映画『大大阪観光』
◇第四八景 マチカネワニ化石を見よ ――大阪大学総合学術博物館 待兼山
◇第四九景 道頓堀に幻の名水 ――安井道頓安井道卜紀功碑 「浪花茶里八景」 二ツ井戸 秋田屋の井戸
◇第五〇景 〝時空の旅〟学童疎開 ――成瀬国晴 大阪大空襲
◇第五一景 ネオンサインの大阪は、今も昔も光の街 ――道頓堀グリコサイン 映画『大大阪観光』 織田作之助『雪の夜』
◇第五二景 画材と塗料の大手が本拠を置く〝色彩の都〟 ――ホルベイン画材 サクラクレパス 日本ペイント
◇第五三景 かつて咲き誇った〝桃花〟幻想 ――大阪城梅林 『浪華の賑ひ』 「浪花百景」 野中観音 山片蟠桃
◇第五四景 大大阪の誇りを今に伝えるライオン橋物語 ――難波橋 森琴石 天岡均一 与謝蕪村「春風馬堤曲」
◇第五五景 しる人ぞ知る汁屋の汁 ――しる市 織田作之助『夫婦善哉』『大阪発見』 麻生路郎 大久保恒次 藤原せいけん
◇第五六景 道頓堀オペラ「大阪ホフマン物語」はいかが ――OSK日本歌劇団 藤原義江 マスカーニ「イリス」
◇第五七景 「残念石」はいつまで残念か ――大阪築城400年まつり 今井祝雄「タイムストーンズ400」
◇第五八景 夏の味覚と文学の味わい、上司小剣『鱧の皮』 ――服部良一「おおさかカンタータ」 「夫婦善哉」のお多福人形
◇第五九景 「負けても勝ち」心の中の真田十勇士 ――真田幸村 三光神社 安居神社 立川文庫
◇第六〇景 文豪、画伯に出会う ――谷崎潤一郎 北野恒富「茶々殿」 菅楯彦 野田九浦
◇第六一景 おおさかニャンコづくし ――猫塚 猫間川 まねきゃっと 上方落語「猫の忠信」 井原西鶴『日本永代蔵』
◇第六二景 「オオサカ・サウダージ」心の中の大阪を探せ ――中田ダイマル・ラケット 小野十三郎 木津川計
◇第六三景 大阪発・江戸時代のグルメ本『豆腐百珍』 ――高津宮 湯豆腐 『摂津名所図会大成』
◇第六四景 なにわの春は織田作之助文学賞 ――文学館 堂垣園江『浪華古本屋騒動記』
◇第六五景 大阪人は南画が好きだったはずが…… ――浪華画学校 森琴石 富岡鉄斎 与謝蕪村
◇第六六景 千両箱を抱えて走ると屋根が抜ける ――大阪商業大学商業史博物館 鳥山石燕『今昔画図続百鬼』 上田秋成『雨月物語』
◇第六七景 旧制大阪高等学校、浪速高等学校の〝記憶〟 ――第三高等中学校 大阪帝国大学
◇第六八景 「文楽ゆかりの地マップ」でまちあるき ――「夏祭浪花鑑」 長町裏 下寺町
◇第六九景 「蟻一匹炎天下」作家藤本義一のダンディズム ――『鬼の詩』 川島雄三 井原西鶴 織田作之助
◇第七〇景 傑出した大坂の天文学者たち ――間重富 麻田剛立 高橋至時
◇第七一景 大阪モダニズムと私鉄沿線 ――前田藤四郎「香里風景」 帝塚山派文学学会 北野恒富 帝国キネマ長瀬撮影所
◇第七二景 町人の町人による町人のための学問所、懐徳堂 ――山片蟠桃 重建懐徳堂 大阪大学懐徳堂研究センター
◇第七三景 三都三府のプライド ――広瀬旭荘『九桂草堂随筆』 『大大阪イメージ』
◇第七四景 「野良犬会」は吠える ――藤本義一『鬼の詩』 今東光『悪名』 今東光資料館
◇第七五景 「十円玉は旅がらす」銅とゆかりが深い大阪 ――銅座 泉屋 銅吹所 造幣局 造幣博物館 ギザ十
◇第七六景 記憶の劇場、道頓堀と中之島 ――絵看板 蔵屋敷 具体美術協会 グタイピナコテカ
◇第七七景 大坂を愛した〝当今第一風流宗匠〟田能村竹田 ――木村蒹葭堂 頼山陽 広瀬淡窓 広瀬旭荘
◇第七八景 ようやく開かれた大回顧展、北野恒富ルネサンス ――「道行(朝霧)」 「淀君」 「いとさんこいさん」 「星(夕空)」
◇第七九景 万灯祭から絵行灯幻想 ――道頓堀川万灯祭 食満南北
◇第八〇景 物見台と大阪発の屋上ビアガーデン ――大阪第一生命ビル 織田一磨 北野恒富「星(夕空)」
◇第八一景 落語始祖の米沢彦八と生玉人形 ――彦八まつり 当世仕方物真似 軽口 『鳥羽絵三国志』 川崎巨泉 宮本順三
◇第八二景 〝蒹葭堂の師匠〟柳沢淇園、大坂を闊歩す ――「睡童子図」 北前船
◇第八三景 〝水の回廊〟を船でタイムトリップ ――大阪の橋 堂島川 東横堀川 道頓堀川 木津川
◇第八四景 高き屋にのぼりて見れば……高津の遠眼鏡屋と高台 ――暁鐘成 菅楯彦「絵馬堂(高津宮)」 「大阪市歌」
◇第八五景 大阪にガウディ発見、フェニックスモザイク ――今井兼次「糸車の幻想」 大阪商工信用金庫新本店ビル
◇第八六景 桃の節句と三国志 ――関帝廟 桂宗信『画本三国志』 「浪花百景」 『浪華の賑ひ』
◇第八七景 ロマンチックな大阪情緒を醸し出す小画集 ――堂本印象『いの字絵本 恋の都大阪の巻』
◇第八八景 大阪から世界四大文明へ、洋画家・中村貞夫の熱情 ――「大阪シリーズ」 小磯良平 伊藤継郎
◇第八九景 堺筋は百貨店ストリート ――大大阪 三越 白木屋 高島屋 松坂屋
◇第九〇景 住みやすき街、近代都市建設の精神 ――大大阪 池上四郎 関一 片岡安
◇第九一景 再発見はステンドグラスと商業の神様の杖 ――大大阪 先代大阪市庁舎 メルクリウス カドゥケウス
◇第九二景 「大阪市パノラマ地図」の楽しみ ――鳥瞰図 歌川(五雲亭)貞秀 吉田初三郎 美濃部政治郎 大阪くらしの今昔館
◇第九三景 フィランソロピー、それは大阪人の伝統 ――岩本栄之助 大阪市中央公会堂 住友家 岡常夫 町橋 藤中橋
◇第九四景 大阪市中央公会堂八景を勝手に考えてみた ――蘭陵王 みおつくし ステンドグラス 地中杭
◇第九五景 「冬は関東煮」からグローバルな大阪を知る ――織田作之助『夫婦善哉』 佐伯祐三 桂米朝 エスカレーター
◇第九六景 「浪花情緒を書き残したい」大大阪時代の郷土雑誌 ――「難波津」 木谷蓬吟「郷土趣味大阪人」 南木芳太郎「郷土研究上方」
◇第九七景 写真が伝える大阪大空襲の記憶 ――綿業会館 ガスビル 大沢商会大阪支店 青木月斗
◇第九八景 だんじりの源流は豪華な御座船 ――高津宮 大阪くらしの今昔館 大阪天満宮 天神丸
◇第九九景 「森君はどこに行った」名月と頼春水の大阪 ――『在津紀事』 森田士徳 亀井南溟
◇第百景 これだけ書いても大阪の話は尽きない ――プラトン社 川口松太郎 『エコール・ド・プラトーン』 エコール・ド・オオサカ
おわりに
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著者紹介
※著者紹介は書籍刊行時のものです。[著]橋爪 節也(ハシヅメ セツヤ)
橋爪節也(はしづめ・せつや)
大阪大学総合学術博物館前館長、大阪大学大学院文学研究科教授兼任。1958年、大阪市生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。同大学大学院修了後、同大学美術学部附属古美術研究施設助手、大阪市立近代美術館(仮称)建設準備室主任学芸員を経て現職。著書『モダン道頓堀探検』『大大阪イメージ』『大阪の橋ものがたり』『書影でたどる関西の出版100』(創元社)、『映画「大大阪」観光の世界』『戦後大阪のアヴァンギャルド芸術』『待兼山少年』『精神と光彩の画家 中村貞夫』(大阪大学出版会)、『モダン心斎橋コレクション』(国書刊行会)、『森琴石作品集』(東方出版)、『大阪市の昭和』(樹林舎)、『はたらく浮世絵 大日本物産図会』(青幻舎)ほか多数。もっと見る
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