50の傑作絵画で見る　英雄と伝説の世界

伝説的な英雄たちは、人間の究極的な欲望、つまり不死を約束する無敵という欲望が具体化された存在である。本書には、50人にのぼる英雄が登場する。ペルシアのバハラーム5世、ノルウェーのトール、ドイツのジークフリートなどは、この上なく恐ろしい怪物に勝利した。トロイアのヘクトルのようなすぐれた人間もいれば、災いをもたらすリリスのように危険な人物もいる。
ギリシア・ローマ神話、ケルト神話、北欧神話、聖書から、アジアやアフリカ、アメリカ先住民やオーストラリアの先住民アボリジニの伝説まで、有名な神話や伝説から選ばれた50のエピソードを、傑作といわれる絵画を通して読み解いていく。
大昔から人びとの想像力をかきたててきた、伝説的な英雄たちを題材とするさまざまな絵画を解き明かすために欠かせない1冊。

【掲載絵画抜粋】
オデュッセウスとセイレン　ウォーターハウス
テセウスとミノタウロス　カンパーナ・カッソーニの画家
ボルゴの火災　ラファエロ
オオカミの乳を飲むロムルスとレムス　カラッチ一族
聖ゲオルギウスと竜　ラファエロ
アーサー王のアヴァロンでの最後の眠り　バーン=ジョーンズ
欺かれるマーリン　バーン=ジョーンズ
ローレライ　ベガス
ヴェーヌスベルクのタンホイザー　コリア／ラトゥール
ファーフナーを退治するジークフリート　ハウシルト
ウィリアム・テル　ホドラー
三蔵法師と従者たち　大原呑舟／玄奘三蔵像　画家不詳
神功皇后　画家不詳
ムハンマドを乗せる天馬ブラーク　画家不詳
死者の神オシリス
死刑囚に毒を試すクレオパトラ　カバネル
シェバの女王　ベグ
ケツァルコアトル　画家不詳
ワウィラク姉妹の伝説　ダワラングリリ　　など。

序文
パンドラ　ルノワール
オルフェウスの歌を聞くニンフたち　ジャラベール
アルゴナウタイの出発　コスタ
オデュッセウスとセイレン　ウォーターハウス
パエトンの墜落　ルーベンス
テセウスとミノタウロス　カンパーナ・カッソーニの画家
アンドロマケに別れを告げるヘクトル　カウフマン
ボルゴの火災　ラファエロ
オオカミの乳を飲むロムルスとレムス　カラッチ一族
レディ・リリス　ロセッティ
ゴリアトの首をもつダビデ　マンテーニャ
エステルの化粧（クセルクセス王に召されるために身支度するエステル）　シャセリオー
ホロフェルネスの首を斬るユディト　ジェンティレスキ
聖ゲオルギウスと竜　ラファエロ
リヨンの聖ブランディーヌの殉教　マジストレッティ
アーサー王のアヴァロンでの最後の眠り　バーン=ジョーンズ
欺かれるマーリン　バーン=ジョーンズ
シャロットの女　ウォーターハウス
夜の洗濯女たち　ダルジャン
グラドロン王の逃走　リュミネ
ローレライ　ベガス
ヴェーヌスベルクのタンホイザー　コリア／ラトゥール
ファーフナーを退治するジークフリート　ハウシルト
ヨルムンガンドと戦うトール　フュースリー
喜びと悲しみの鳥　ヴァスネツォフ
ビルイェル・ヤールと戦うアレクサンドル・ネフスキー　リョーリフ／ノヴゴロド公、ウラジーミル大公、アレクサンドル・ネフスキー　クリコフ
レンミンカイネンの母　カッレラ
予言者リブシェ　マシェク
ウィリアム・テル　ホドラー
盤古　画家不詳
伏羲女媧図　画家不詳
三蔵法師と従者たち　大原呑舟／玄奘三蔵像　画家不詳
天之瓊矛を以て滄海を探るの図　小林永濯
神功皇后　画家不詳
変成王　画家不詳
大きな橋に変身するハヌマーン　画家不詳
竜を退治するバハラーム5世　ザマン
ムハンマドを乗せる天馬ブラーク　画家不詳
白鬼を退治するロスタム　画家不詳
トラに乗るガーズィー　画家不詳
死者の神オシリス
墓地の神アヌビス
死刑囚に毒を試すクレオパトラ　カバネル
シェバの女王　ベグ
7つの洞窟がある土地、チコモストク　画家不詳
ケツァルコアトル　画家不詳
メキシコシティの設立　ハラ
インカ帝国の初代皇帝マンコ・カパック　画家不詳
ミネハハの死　ドッジ
ワウィラク姉妹の伝説　ダワラングリリ
画家一覧
英雄名索引

［著］ジェラール・ドゥニゾ（ドゥニゾ，ジェラール）
1953年生まれ。フランスの美術史家、音楽学者。長年にわたり、美術、音楽、フランスと世界の遺産について執筆を行う。フランス文化の番組も制作。著書に“Vous allez enfin aimer la musique Classique”, “100 oeuvres d'art qu'il faut avoir vues”, “L’art gothique”など。

［訳］遠藤 ゆかり（エンドウ ユカリ）
上智大学文学部フランス文学科卒。訳書に「知の再発見双書」シリーズ、『シュルレアリスム辞典』『100の傑作で読む新約聖書ものがたり』『100の傑作で読むギリシア神話の世界』『50の傑作絵画で見る神話の世界』『50の傑作絵画で見る聖書の世界』（いずれも創元社）、『フランスの歴史【近現代史】』（明石書店）などがある。