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ユングの神経症概念
ヴォルフガング・ギーゲリッヒ 著 / 河合 俊雄 監訳 / 河合 俊雄 訳 / 猪股 剛 訳 / 北口 雄一 訳 / 小木曽 由佳 訳
内容紹介
心の病を、心の側から理解する
治療的な心理学の黎明期に中心的な主題となった神経症は、心理学自身の理論形成や自己理解に大きな影響を及ぼしたが、C・G・ユングだけは当時の因果論モデルや医学モデルへの囚われから自由だった。ユングの神経症概念をユング自身のテキストに即して導き出し、それを手がかりに、心理学のあり方を根本から問い直しながら、心の病への新たな視点を提示する。心理学の理論と実践を結ぶギーゲリッヒの重要著作、待望の邦訳。もっと見る
目次
【目次】
臨床家ギーゲリッヒ――監訳者序文として 河合俊雄
日本語版への序文
序文
導入
C・G・ユングの事故後神経症という物語に埋め込まれた神経症概念
1.神経症のもう一つの起源――自由な創造
2.原理的なこと
3.目的性の観点
4.論理的な接収と転倒
5.転倒した視点の倫理的・治療的・理論的意味
6.神経症のアクチュアルな葛藤という理論
7.忘却された制作という作品
8.神経症の二つの真実
9.見通すこと、手口に乗ること
10.手口に乗ることの止揚
11.自己欺瞞――いつわりの見通し
12.治療的実践において手口に乗ること
13.解離と自己関係
14.幼年期という楽園の定立性(人工性)
15.心理学的差異
16.神経症の終焉
17.この解放を生む洞察はどこにあるのか?
18.意志なのか、いや認識である
19.失心という症状
20.意識的認識と「無意識」の抵抗
21.通過儀礼としての神経症と神経症の二重の目的
22.神経症の二つの形式 第一の形式――完全な神経症
23.矛盾と時間の危機
24.神経症の第二の形式――みずからの内に囚われている神経症
25.神経症の二つの形式という見せかけ
26.心理学へのイニシエーションとしての神経症
27.実体と主体、エスと自我
28.区別
a)子どもの神経症
b)とc)人生前半の神経症
補説――エロティックな欲望
d)人生の後半における神経症的な障害あるいは病理
文献略語一覧
注
文献リスト
神経症という心の展開――解題として 猪股 剛もっと見る
著者紹介
※著者紹介は書籍刊行時のものです。[著]ヴォルフガング・ギーゲリッヒ(ギーゲリッヒ,ヴォルフガング)
ヴォルフガング・ギーゲリッヒ(Wolfgang Giegerich)
1942年生まれ。ベルリン在住。米国ニュージャージー州立大学でドイツ文学の教鞭を執った後、その職を辞してユング派分析家に転身した。故ジェイムズ・ヒルマンとともに元型的心理学の旗手とされ、その流れを汲むドイツ語の学術誌Gorgo(1978-)を創刊している。また、スイスのマッジョーレ湖畔アスコナ近郊で行われていたエラノス会議において繰り返し演者を務めるとともに、世界のさまざまな国や地域で講義や講演を行い、200以上の著作や論文が日本語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語など数多くの言語に翻訳されている。当初はドイツ語での執筆を主としていたが、2000年代に入り英語での執筆を中心とするようになり、全6巻に及ぶThe Collected English Papers of Wolfgang Giegerich(vol. 1-6, Routledge, 2005-2014)を刊行し、その後も精力的に著作を発表し続けている。[監訳]河合 俊雄(カワイ トシオ)
河合俊雄(かわい・としお)
1957年生まれ。京都大学大学院教育学研究科修士課程修了。Ph.D.(チューリッヒ大学)。ユング派分析家、公認心理師、臨床心理士。現在、京都大学こころの未来研究センター教授・センター長。専門は臨床心理学。著書に『ユング』(岩波現代文庫)、『心理療法家がみた日本のこころ』(ミネルヴァ書房)、『ユング派心理療法』(編著、ミネルヴァ書房)、『発達障害への心理療法的アプローチ』(編著、創元社)、『発達の非定型化と心理療法』(共編著、創元社)などがある。[訳]河合 俊雄(カワイ トシオ)
河合俊雄(かわい・としお)
1957年生まれ。京都大学大学院教育学研究科修士課程修了。Ph.D.(チューリッヒ大学)。ユング派分析家、公認心理師、臨床心理士。現在、京都大学こころの未来研究センター教授・センター長。専門は臨床心理学。著書に『ユング』(岩波現代文庫)、『心理療法家がみた日本のこころ』(ミネルヴァ書房)、『ユング派心理療法』(編著、ミネルヴァ書房)、『発達障害への心理療法的アプローチ』(編著、創元社)、『発達の非定型化と心理療法』(共編著、創元社)などがある。[訳]猪股 剛(イノマタ ツヨシ)
猪股 剛(いのまた・つよし)
1969年生まれ。ユング派分析家、公認心理師、臨床心理士。精神科や学校臨床において実践に携わるとともに、現代の深層や、表現やパフォーマンスの精神性を思索することを専門としている。現在、帝塚山学院大学准教授。著書に『心理学の時間』(日本評論社)、『ホロコーストから届く声』(編著、左右社)、『遠野物語 遭遇と鎮魂』(共著、岩波書店)、訳書に『近代心理学の歴史』『分析心理学セミナー1925』(いずれもC・G・ユング著、創元社)などがある。[訳]北口 雄一(キタグチ ユウイチ)
北口雄一(きたぐち・ゆういち)
1970年生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得満期退学。ユング派分析家、公認心理師、臨床心理士。現在、北口分析プラクシスにて私設心理相談(個人開業)を行っている。[訳]小木曽 由佳(オギソ ユカ)
小木曽由佳 (おぎそ・ゆか)
1983年生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。公認心理師、臨床心理士。現在、同志社大学ウェルビーイング研究センター研究員。専門は臨床心理学。著書に『ユングとジェイムズ』(創元社)、“Jungian Perspectives on Indeterminate States”(共著、Routledge)、訳書に『危機介入の箱庭療法』(E・パティス・ゾーヤ著、創元社)、『人生の意味を問う教室』(N・ノディングズ著、春風社)などがある。もっと見る
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