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TOPすべての商品文化・民俗・ガイド > 〈ていねいな暮らし〉の系譜

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叢書パルマコン・ミクロス10

〈ていねいな暮らし〉の系譜

花森安治とあこがれの社会史


佐藤 八寿子 著

単行本 ¥2,970

刊行年月日:2025/05/15
ISBN:978-4-422-70180-6
定価:2,970円(税込)
判型:四六判 188mm × 128mm
造本:並製
頁数:288頁

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内容紹介

「モノ」から「モノ・ガタリ」へ

羨望と同時に嫉妬をもかきたてる〈ていねいな暮らし〉は、現代日本特有の文化なのだろうか。
花森安治の足跡から中華圏における流行まで、連綿と続く〈暮らし〉へのあこがれの社会史を追う。

***

〔…〕本書を準備している中で、この三つの椅子の偶然に出会ったとき、あらためて『暮しの手帖』巻頭に毎号掲げられている「これは あなたの手帖です」というメッセージを思い出さないわけにはいかなかった。

  すぐには役に立たないように見えても
  やがて こころの底ふかく沈んで
  いつか あなたの暮し方を変えてしまう

という花森の言葉が、期せずして筆者自身の〈暮らし〉の中で予言として成就していたことになる。ほらね、と言わんばかりの花森の得意気な表情が脳裏に浮かぶ。
 数十年前に記事を読んだ記憶も、椅子の名もメーカー名も産地も、新しく椅子を購入するときの筆者の念頭にはなかった。にもかかわらず、それを選んだ。つまり『暮しの手帖』が筆者の「こころの底ふかく沈」めていたものは、モノとしてのその椅子ではなく、そのモノの魅力について熱く語る花森の「モノ・ガタリ」だったと言える。形あるモノは滅びるが「こころの底」にしみこんだ「モノ・ガタリ」が消えることはない。
(筆者「あとがき」より)
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目次

〈おもな目次〉
第一章 〈ていねいな暮らし〉問題――花森安治のうしろ姿
第二章 『暮しの手帖』――彼のつくりだしたもの
第三章 花森安治の時代――そのとき何を着ていたか
第四章 丘の上の赤い屋根――彼はどこにいたのか
第五章 神戸を歩く――彼はどこから来たのか
終 章 暮らしはどこから来て、どこへ行くのか

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著者紹介

[著]佐藤 八寿子(サトウ ヤスコ)
佐藤八寿子(さとう・やすこ)
1959年東京生まれ。1982年上智大学文学部国文学科卒業。ミュンヘン国際青少年図書館勤務などを経て、2002年京都大学教育学研究科博士後期課程学修認定退学。2011年より文化サロンKollegium Kyoto主宰。
著書『ミッションスクール あこがれの園』(中公新書、2006年)。共著書『ヒトラーの呪縛―日本ナチ・カルチャー研究序説』(中公文庫、2015年)ほか。佐藤卓己との共訳書に、G・L・モッセ著『大衆の国民化―ナチズムに至る政治シンボルと大衆文化』(ちくま学芸文庫、2021年)、G・L・モッセ著『ナショナリズムとセクシュアリティ―市民道徳とナチズム』(ちくま学芸文庫、2023年)など。

※著者紹介は書籍刊行時のものです。
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