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メンタルヘルス・ファーストエイド
こころの応急処置マニュアルとその活用
ベティー・キッチナー 著 / アンソニー・ジョーム 著 / クレア・ケリー 著 / 大塚 耕太郎 編 / 加藤 隆弘 編 / 小原 圭司 編 / メンタルヘルス・ファーストエイド・ジャパン 訳
刊行年月日:2021/06/18
ISBN:978-4-422-11761-4
判型:A5判 210mm × 148mm
造本:並製
頁数:368頁
専門家につなげるためのファーストステップ
メンタルヘルスの 問題を有する人に対して、適切な初期支援を行うための行動計画「メンタルヘルス・ファーストエイド」。オーストラリアで開発されたこのプログラムは、心理的危機に陥った人に対して、専門家の支援が提供される前にどのような支援を提供すべきか、どのように行動すべきか、という対応法を身につけるもの。
本書では、オーストラリアで発行された最新マニュアルの翻訳に加え、日本における活用例も収録。
うつ病、不安障害、精神病性障害、物質(アルコール・薬物)関連障害といった主要なメンタルヘルスの問題ごとに症状や原因などの基礎情報を解説し、いざというときの対応を「り・は・あ・さ・る」の5つのステップに分けて伝授。心理・医療・保健・福祉など、メンタルヘルスにかかわる職業の方は必携です。
はじめに
謝辞
第1章 メンタルヘルスの問題とメンタルヘルス・ファーストエイドについて
1-1 メンタルヘルスの問題――オーストラリアと日本を中心に――
1-2 メンタルヘルス・ファーストエイドとは
第2章 メンタルヘルスの問題が起きている人へのファーストエイド
2-1 うつ病
2-2 不安の問題
2-3 精神病
2-4 物質使用障害
2-5 ギャンブルの問題
2-6 摂食障害
第3章 メンタルヘルスの危機的状況に対するファーストエイド
はじめに
3-1 死にたい気持ちとその行動(自殺念慮と自殺企図)に対するファーストエイド
3-2 非自殺的な自傷行為に対するファーストエイド
3-3 パニック発作に対するファーストエイド
3-4 トラウマ的な出来事後のファーストエイド
3-5 重度の精神病状態に対するファーストエイド
3-6 アルコールによる重度の影響に対するファーストエイド
3-7 薬物による重度の影響に対するファーストエイド
3-8 攻撃的な行動に対するファーストエイド
第4章 日本におけるメンタルヘルス・ファーストエイドの活用
4-1 メンタルヘルス・ファーストエイド・ジャパン(MHFA-J)の活動
4-2 医療場面での活用
4-3 企業での活用
4-4 学校での活用
4-5 被災地支援での活用
4-6 地域支援での活用
4-7 ひきこもり支援での活用
4-8 国の自殺対策事業での活用
おわりに
付録1
付録2
付録3
訳注
文献リスト
索引
※著者紹介は書籍刊行時のものです。
[著]ベティー・キッチナー(キッチナー,ベティー)
メンタルヘルス・ファーストエイド・インターナショナルの初代CEOで、本プログラムの開発と普及にあたっています。自らのうつ病とそれにまつわる偏見の経験、そしてオーストラリア赤十字社におけるファーストエイド研修から、本プログラムを着想しました。
[著]アンソニー・ジョーム(ジョーム,アンソニー)
メルボルン大学公衆衛生大学院の教授であり、メンタルヘルス・ファーストエイドの効果評価や一般住民におけるメンタルヘルス・リテラシー(メンタルヘルスに関する知識や認識)を向上する取り組みに関する研究論文を多数発表しています。
[著]クレア・ケリー(ケリー,クレア)
MHFAオーストラリアの研究・カリキュラム担当ディレクター。2003年からメンタルヘルス・ファーストエイドの活動や研究に関わっています。
[編]大塚 耕太郎(オオツカ コウタロウ)
岩手医科大学医学部災害・地域精神医学講座/神経精神科学講座教授。メンタルヘルス・ファーストエイド・ジャパン代表。精神科救急、自殺対策、災害精神医学、精神医学史、医学哲学・医学倫理を専門にしています。
[編]加藤 隆弘(カトウ タカヒロ)
九州大学大学院医学研究院精神病態医学准教授。メンタルヘルス・ファーストエイド・ジャパン 医療職域ひきこもり支援担当。力動精神医学(精神分析・集団精神療法)、精神神経免疫学、文化精神医学を専門としています。脳と心と文化の橋渡しに関心を寄せており、社会的ひきこもりや現代の抑うつ症候群に関する多元的な病態解明研究や治療法開発を国内外の医療研究機関と連携しながら進めています。
[編]小原 圭司
島根県立心と体の相談センター所長。全国精神保健福祉センター長会理事。メンタルヘルス・ファーストエイド・ジャパン 地域支援担当。予防精神医学、地域精神医学、依存症(特にギャンブル等の行動嗜癖)、地域におけるひきこもり支援を専門としています。ポジティブ精神医学、マインドフルネス、行動活性化などの考え方をもとに、人がいきいきと自分らしく生きるための支援を行っています。
[訳]メンタルヘルス・ファーストエイド・ジャパン(ジャパン,メンタルヘルス・ファーストエイド)
メンタルヘルス・ファーストエイド・ジャパンは、精神疾患の啓発と初期対応の普及を目的とした、精神科医有志から構成される団体です。2007年、代表の大塚や加藤・鈴木ら創設メンバーがオーストラリアでメンタルヘルス・ファーストエイドの研修を修了し、MHFA本部より日本での普及活動の承諾を得て、日本国内でのMHFAの普及活動を推進しています。医療福祉に限らずさまざまな職種への研修機会の提供や、内閣府による自殺予防キャンペーンでの導入などの功績から、日本精神神経学会の精神医療奨励賞を受賞しています。詳しい活動・業績はウェブサイト(http://mhfa.jp/)をご参照ください。