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TOPすべての商品心理学臨床心理・カウンセリング・心理療法 > セラピストのためのエクスポージャー療法ガイドブック

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セラピストのためのエクスポージャー療法ガイドブック

その実践とCBT、DBT、ACTへの統合


ティモシー・A・サイズモア 著 / 坂井 誠 監訳 / 首藤 祐介 監訳 / 山本 竜也 監訳

単行本 ¥3,740

刊行年月日:2015/10/16
ISBN:978-4-422-11600-6
定価:3,740円(税込)
判型:A5判
造本:並製
頁数:276頁

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内容紹介

単独でも、併用でも、自由に使いこなす!

エクスポージャーの基礎理論から実施方法までを網羅した包括的なガイドブック。単独での使用だけでなく、認知行動療法(CBT)、弁証法的行動療法(DBT)、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)の中にどのように組み込めるかも詳しく解説するほか、恐怖症、社交不安症など個別の障害に使用できる具体的なメニューを多数紹介する。初学者には最適の基本テキストであり、臨床家には実践上のアイデアの宝庫となる。
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目次

目次


謝辞

序章 エクスポージャー療法――時代に合ったツール


第I部 エクスポージャーと反応妨害の諸相

第1章 エクスポージャー療法――見過ごされてきた宝物
 日常的な不安症
 不安なクライエントの期待
 セラピストがエクスポージャー療法を選択しない理由
 DBT、ACTとエクスポージャー療法の関連

第2章 エクスポージャー療法と反応妨害
 エクスポージャー療法とは何か
 認知の役割
 エクスポージャー療法はどのように機能するのか
 第三の波とエクスポージャー
 エクスポージャー療法の実証的裏づけ

第3章 エクスポージャー療法のパートナー――反応妨害
 不安症における回避と逃避
 逃避の行く手
 反応妨害を考慮するタイミング
 回避行動と逃避行動の同定
 反応妨害の実施
 反応妨害の課題
 ●記録用紙3.1 安全確保行動記録
 ●記録用紙3.2 トリガー追跡記録

第4章 エクスポージャー療法の実施
 理論的根拠
 エクスポージャー療法の実行
 実施上の問題と倫理的な問題
 エクスポージャーのタイプ
 ●記録用紙 4.1 不安階層表
 ●記録用紙 4.2 エクスポージャー・セッション計画

第5章 認知行動療法とエクスポージャー療法
 不安の認知モデル
 認知モデルに基づいた介入と目標

第6章 弁証法的行動療法とエクスポージャー療法
 DBTの基本原理
 DBTの要素
 DBTとエクスポージャー療法

第7章 アクセプタンス&コミットメント・セラピーとエクスポージャー療法
 ACTの概要
 ACTとエクスポージャー療法

第8章 エクスポージャー療法の他の3つの応用
 持続エクスポージャー療法
 ナラティヴ・エクスポージャー療法
 感情エクスポージャー
 将来に向けて


第II部 エクスポージャーと反応妨害への具体的な提案

第9章 文脈の中でのエクスポージャー・メニューの利用
 エクスポージャー療法の文脈化
 第II部のメニューの利用法
 ●記録用紙9.1 異なった恐怖の階層表

第10章 単一恐怖症とエクスポージャー療法
 単一恐怖症のためのアイデア

第11章 社交不安症とエクスポージャー療法
 社交不安症のためのアイデア

第12章 パニック症、広場恐怖症とエクスポージャー療法
 パニック症のための内部感覚エクスポージャー
 広場恐怖症のためのアイデア

第13章 強迫症、全般不安症、心気症とエクスポージャー療法
 強迫症のためのアイデア
 心配のためのアイデア
 健康不安(心気症)のためのアイデア

第14章 感情エクスポージャーへの示唆
 抑うつ/悲しみ
 怒り
 羞恥心

文献
索引
監訳者あとがき

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著者紹介

[著]ティモシー・A・サイズモア(サイズモア,ティモシー・A)
ティモシー・A・サイズモア(Timothy A. Sisemore, PhD)
テネシー州チャタヌーガにあるリッチモント大学院大学の心理学とカウンセリングの教授であり、研究部長である。クリニカルサイコロジストとして25年以上の臨床経験があり、不安症の専門家である。これまでに不安の治療に関する3冊の著書を執筆している。

[監訳]坂井 誠(サカイ マコト)
坂井 誠(さかい・まこと)
1955年生まれ。関西大学大学院文学研究科修了。佐賀医科大学技官・助手、愛知教育大学助教授・教授を経て、現在、中京大学心理学部教授。博士(医学)、臨床心理士、専門行動療法士。主要著訳書に『セラピストのための行動活性化ガイドブック――うつ病を治療する10の中核原則』(創元社)などがある。

[監訳]首藤 祐介(シュドウ ユウスケ)
首藤祐介(しゅどう・ゆうすけ)
1981年生まれ。中京大学大学院心理学研究科修了。公立学校共済組合東海中央病院、西知多こころのクリニックを経て、現在、中京大学心理学部助教。博士(心理学)、臨床心理士、認定行動療法士。主要論文に「強迫症状を示す児童への母親を主たる実施者とした認知行動療法アプローチ」(心理臨床学研究)などがある。

[監訳]山本 竜也(ヤマモト タツヤ)
山本竜也(やまもと・たつや)
1989年生まれ。中京大学大学院心理学研究科博士後期課程在学中。臨床心理士。主要論文に「Analog study investigating diary assessments of rewards and punishments for emotional states」(Psychological Reports)などがある。

※著者紹介は書籍刊行時のものです。
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推薦の声

エクスポージャー療法にまつわる臨床の知が満載
「この本、いいねえ」としみじみ思える好著

原田誠一(原田メンタルクリニック・東京認知行動療法研究所)

 精神療法にまつわる書籍を読んでいて、「この本、いいねえ」としみじみ思える時のパターンがいくつかありますね。例えば、文字を追いながら著者の人となりや執筆に賭ける思いが自ずと伝わってきて、「この著者は熱心で有能な臨床家であり、頭がいいし柔軟性やバランス感覚にも恵まれている。勉強熱心で優秀な臨床家が、実践に役立つ臨床の知を伝えようとしている姿勢が素晴らしいなあ」という感想が浮かぶ場合。評者にとって、本書はまさにこんな好著です。

 認知行動療法CBTに様々な要素~側面が存在することは勿論ですが、一番の基盤~中核的な技法といえば、やはりエクスポージャー(曝露)だろう。本書では、そのエクスポージャー療法ET:exposure therapyの基礎理論と実施法が、具体的に詳しく教示されてゆく。加えて、行動療法~CBT~弁証法的行動療法DBT~アクセプタンス&コミットメント・セラピーACTとETの関係もきめ細やかに論じられており、CBTの変遷を踏まえた勉強ができるよう工夫されている。以下、本書の内容に沿って概要を紹介していこう。

 1章の冒頭で、「ETが最も有効性を発揮する精神障害=不安症」に関するニーズが大変大きい事実が示される。例えば、「不安症がアメリカで最も日常的な精神疾患群である」(本書15頁)。そして、その不安症に対する「薬物療法」「精神分析的心理療法」「支持的心理療法」の概要と問題点が、簡にして要を得た形で述べられる。

 次に、有効性のエビデンスのあるETが、(我が国同様アメリカでも)十分実施されていない困った現状が紹介される。そしてその理由について、「訓練、経験、先入観」「併存症の診断」「職業的/実際的な問題」「疲弊」「創造性」「無視」からの多角的な考察が続く。最後のところで、「ETがあまり使用されない最も理解しがたい理由は、単に無視されているということである」「ETは、否定されたというよりは無視された」(24頁)と断が下されており、読者は「日本と、全く同じなんだねえ」という感想を抱くことになる。

 2章ではETと関連のある研究成果が、①行動科学研究(例:二要因論、系統的脱感作療法)、②認知の役割、③ETはどのように機能するか(例:逆制止、馴化・消去、認知の変容)、④ETの実証的裏づけ、の順で手際よくレクチャーされる。次の3章は「ETのパートナー:反応妨害」がテーマで、4章「ETの実施」に続く。ここまでの内容を通して、ETに関する理論武装と実施のコツを十分仕込んでもらえる。

 続く4つの章では、CBTの変遷とETの関係が論じられてゆく。5章「CBTとET」ではClarkとBeckの「不安の認知モデル」が扱われ、6章は「DBTとET」、7章は「ACTとET」。この部分はCBT~DBT~ACTとETの関係をしっかり学べて、味わいと歯応え十分な内容。次の8章「ETと他の3つの応用」では、持続ET、ナラティヴET、感情ETが紹介される。

 9章以降の「第Ⅱ部:エクスポージャーと反応妨害への具体的な提案」では、臨床現場でETを工夫するためのヒントが、疾患毎に箇条書で記されている。一例として、「第10章:単一恐怖症とET」の「昆虫/蜘蛛」の項目(193頁)の一部を紹介してみよう。

 ・イメージET:記憶の中の昆虫/蜘蛛を説明する。昆虫/蜘蛛の絵を見て、それから絵に触る。昆虫/蜘蛛のビデオを見る。昆虫/蜘蛛の玩具を手に持つ。

 ・現実ET:ビンの中にいる昆虫/蜘蛛を見る。自然な状況で昆虫/蜘蛛に近づく。ビンの中の昆虫/蜘蛛を捕まえる。ガレージの蜘蛛の巣を掃除する。

 その後は、「社交不安症とET」(11章)、「パニック症、広場恐怖症とET」(12章)、「強迫症、全般不安症、心気症とET」(12章)、「感情ETへの示唆」(13章)と続く。ここではETのための様々なアイディアが記されており、臨床現場で役立つこと間違いなしの内容である。

 本書の柔軟で実学的な姿勢は、ETに関する次のような認識~記載にも端的に現れている。

 「ETは、実際は治療法というよりも、技法である。一般には行動療法であると考えられており、CBTの傘下に入っている。しかし、ETを単なるCBTの技法とみなす必要はない。包括的な理論的枠組みからは独立した介入法である、と考えて差し支えない。」(73頁)

 こうした「ETにまつわる臨床の知」満載の本書は、監訳者・坂井誠先生らの努力によって、大変こなれた読みやすい日本語で味読できるようになっている。精神療法に関わりのあるすべての方に、親しく手に取って味わって欲しい快著、と評者は推薦させていただきます。どうか本書を無視~回避することなく、曝露~エクスポージャーなさって下さいね。(『精神療法』第42巻3号、金剛出版より)


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