外に食べに行くだけが、ランチではありません。自宅通勤が多い関西OLには、弁当を自分で作ってくる感心な人や、弁当を未だに母親に作ってもらっているいただけない人が、たくさんいます。彼、彼女らとお昼をともにするとき、外食組だからといって、コンビニ弁当ばかりでは、味気ない。ということで、今回はテイクアウトの昼めしです。
さてさて、今回紹介する「サムズデリカ」は、いわば町のお総菜屋。ですが、侮るなかれ、ただのお総菜屋とはワケが違います。品揃えの豊富さは、他店の追随を許しません。
お店はビルの一階、外からではすこしわかりにくい造りになっています。しかし入ると、人人人・・・。レジには、素晴らしい速度で客をさばくおばちゃん達。あまりにも手が早いので、お金をだす客の方がおたおたしてする店内は、熱気にあふれています。
店内の中央には、大きい保温台。丼ものが所狭しと並びます。正面の壁際にも保温台があり、そちらにはお弁当や洋食系の総菜が。保温台の温かいオレンジの光が、いかにもおいしいものがあるよ、と手まねきするようで、食欲をそそります。
左手には冷たいお総菜用の、大きな冷蔵庫。その横にはデザートが収まった細長冷蔵庫。
揚げたてコロッケから、数種類のサラダ、きんぴら、冷や奴などの一品、夏は冷やし中華、冷やしうどん等の冷麺、カレーもあり、パスタもあり、焼きそばもあり、ドリアもあり、さらには手作りプリンまで……などなど節操のない ―― じゃなくて、じつにバラエティに富んだお昼ごはんが用意されています。特に食べたいものが思いつかない日でも、ここに来れば、たいていピンと来るものが見つかります。
しかしなんといっても、サムズデリカの主流商品は「丼」!
真ん中の保温台を占拠して繰り広げられている、丼の競演。「かつ丼」「親子丼」などの定番はもちろんのこと、「牛すじ丼」「越後もちぶた丼」「焼き鳥丼」などの変わり丼、「エビチリ丼」「麻婆春雨丼」などの中華系、韓流もしっかりカバーの「ビビンバ丼」「プルコギ丼」・・・きりがありません。とにかく、種類が多いのです。
ほとんどのものが、大と小の2サイズ用意されているのも嬉しいところ。
お値段の方は大サイズの丼は300円から450円。小は250から350円。その他も、ほとんどのものが3、400円なので、一品やデザートをつけても、女性ならまず、ワンコインでお腹いっぱいになります。
個人的に、冷たいお弁当が苦手な私には、ここのあったかくて種類豊富なお総菜は、本当にありがたい。
マイベストは天丼なのですが(2位はビビンバ丼、3位は冷やし担々麺)物好きな方に、どうしてもおすすめしたいのが、ドリアです。
このドリア、その日によって入っているものが違うという、まるで罰ゲームのような代物です。ハンバーグや唐揚げなら大当たり、コロッケならめっけもの、ある時はなんと、厚焼き卵が入っていました。どういったものを入れているのかが、自ずと見えてきます。「入れてまえ」というおばちゃんたちの声が、どこからともなく聞こえてきます。闇鍋ならぬ闇ドリア・・・。そうそう、海老フライが入っていたこともあったなあ、衣のついた。
【よんか】(2005.8記) |