OPIUMとは、イタリア語で「アヘン」。なにやら物騒な店名は、一度行ったらくせになる、何度も足を運びたくなる麻薬のようなお店 ―― という意味だとか。
このお店のキモは、なんといっても雰囲気です。溶けて流れたロウがそのまま凝固しているオブジェのようなロウソク(数10㎝大!)や、壁のワイン瓶から放物線を描くだいだい色のライト、応接間を思わせるプライベートな雰囲気の中二階、クラシックな掛け時計・・・などなど、調度品、内装は良い意味で古めかしく、一夕一朝では出せない味わいがあります。それもそのはず、レストランの建物は、大正時代末期に焼き物の展示場(ギャラリー)として建てられたそうです。
さて、ランチは大きく分けてパスタ、ワンプレートランチ、コースの三種類です。
パスタランチは二種から選択でき、メニューは日替わり。パスタの味はどちらかといえばあっさりめで、麺はアルデンテ。日替わりのスープは、この日はかぼちゃのポタージュ。飲み物とデザートをつけると1,000円で、デザートは3種から選択できます。
昼にはほぼ満席にはなるものの、店内はのんびりとした雰囲気で、昼休みの食事処における「早く帰れオラ」という無言の圧力とは無縁です。もっとも、のんびりしすぎていて、急ぎの食事には不向きですが。
また、このお店には、チェーン店ではまず見ることのできない、サービスのプロと崇めたくなる店員さんがいらっしゃって、こちらの要望をすぐに察して、細やかな気配りをしてくれます。この方に給仕していただくだけでも、贅沢気分が味わえます。
昼間からこの店でデザートまで食べてしまうと、気分はもう有閑マダム。今からお昼寝の時間かしら、と会社に帰ることが嫌で嫌で嫌でしょうがなくなってしまいます。
ランチで気に入ったら、実は夜のディナーに訪れる方が個人的におすすめだったりします。夜のコースは2,800円から(平日のみ)です。
場所がすこしわかりづらいせいか混み合うことも少ないので、雰囲気満点の店内はデートや落ち着いた食事にぴったりです。2階席を指定して予約すれば、よりプライベートな雰囲気での食事が楽しめます。また、くだんの優秀な店員さんのサービスの細やかさに感動すら覚えるのもディナーならでは。豊富な知識でワインから料理のことまでなんでもござれ、帰り際には笑顔で店外までお見送りしてくださいます。こんな贅沢気分を味わえるお店、このお値段ではなかなかありません。
【よんか】(2005.8記) |