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本町昼めし通信
創元社スタッフが大阪・本町界隈の昼めし処をレポートします。

 ● そうざえもん 定
そうざえもん 住所 : 大阪市西区江戸堀1-15-5-2F

・ 一品:100円~

おかずもご飯も100円。私はこの店のことを勝手に「百均食堂」と呼んでいます。金欠の時には大変有り難い店です。
おかずは煮魚とかフライとか炒め物、おしたしなど、一般的な定食屋にあるものであり、珍しいもの変わったものは皆無ですが、安いからといって味は二の次というわけでは決してありません。誠実に作ってあり、家庭的な味わいとしてなかなか旨いものです。

この店に行くたびに気になるのは、2階にあって分かりづらい場所だし、こんなんでやっていけるのだろうか、という心配です。ずっと営業しつづけて欲しいなぁと願っています。この記事を見た方はぜひとも足を運んで欲しいと思います。
そして、たまにはみそ汁も頼んであげてください。ちゃんと作ってあるおかずが100円、一膳めしも100円、みそ汁も100円となると、原価を考えるまでもなく、みそ汁を頼まずおかずを一品増やしたくなるのが心情というもの。でも、そんな客ばかりではつぶれてしまうかもしれません。最近では、フランチャイズ営業でしょうか、おかずを選べる新式の大衆食堂が増えていますが、こういう店で調子に乗っておかずを頼むと、高くついたりします。だからなおさら、この店の存在価値は貴重になってくると思われるのです。

なお、遅めの時間に行くと売り切れになっていることがありますから、ご注意を。

【まつを】(2005.11記)
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 ● ニューハマヤ 洋
住所
北浜店 : 大阪市中央区北浜3-3-11
平野町店 : 大阪市中央区平野町4-2-4
横堀店 : 大阪市中央区道修町4-5-1
讃岐うどん巡りがブームだった頃、「あつあつ」とか「ひやあつ」とか独特の符牒でオーダーする店が香川にありました(たぶん今もあるでしょう)。うどん(麺)が熱くてダシが冷たいのを「あつひや」か「ひやあつ」と呼んでいたように思います。で、このハマヤは「ダブダブ」「トリトリ」「トリダブ」などとけったいな符牒でオーダーする店で、客が通っぽいフリをできるからでしょうか、本町界隈で根強い人気があります。ごはんがおひつで出てきて食べ放題、メインの料理は肉のこま切れみたいな炒め物に卵焼きがのり、付け合わせのキャベツと福神漬け、豚汁が付きます。食べ盛りの男の子(おのこ)にはこのボリュームが何よりと思われます。冒頭の「トリダブ」というのは、この肉炒めと卵焼きの量を「ダブル」とか「トリプル」で言い表しているわけです。「ダブダブ」と「ダブル」が違う量だそうで、何ともややこしいものです。ダブルがあるならシングルもあるはずですが、量を目当てにくる客が多いためか、頼む人はあまりいないようです。メインの肉炒めの味は、好き嫌いがはっきりと分かれます。味付けが濃くて体に悪そうという健康派には評判が悪いですが、そんな線の細い外野の声を吹き飛ばす熱狂的な支持者によって支えられている店のようです。 この店は本町界隈に3店舗を構えていると聞き、胃に気合いを入れて3日連続でハマヤ巡りをしてみました。3日目にはかなり食傷気味になりましたが、3店の微妙な違いが分かってなかなか面白い体験ができました。
ニューハマヤ 平野町店
平野町店
まず、創元社に一番近い平野町店は、ピーク時には行列ができる一番人気の店ですが、値段は3店で一番高いです。ダブルが800円、ダブダブが850円、トリプルトリプルが1,100円します。3店のうちで一番客数が多いわけは、味ではなく、御堂筋に一番近いという立地でしょう。客層も若いです。ここは夜もやっています。
ニューハマヤ 横堀店
横堀店
続いて横堀店は、「トリダブ」「トリトリ」という符牒で頼むベテラン客が多い店です。夜の営業は何年か前にやめてしまったそうです。味は平野町店と大差はありません。大・中・小がそれぞれ800円、700円、600円、ダブダブ700円、トリダブ800円……料理はたった一種類なのにこの細かい料金設定がなんとも面倒くさいですね。量と価格の詳細なレポートをしてくださる方、誰かいませんか? 私はやりたくありません。
ニューハマヤ 北浜店
北浜店
最後の北浜店はいぶし銀の洋食店といった佇まいの店で、上記のメニューの他にハム付きが選べます。付け合わせにポテサラがついています。肉炒めの味は一番ノーマルで、ショウガ焼きに近い甘辛い味がします。3店の中では一番上等感のある一皿でしたが、ハマヤ独特のホルモン臭い味が好きな人は、この北浜店の味は気に入らないかもしれません。ダブル800円、ダブダブ900円、ダブル(ハム付き)900円。日替わりランチ、ステーキメニューもあります。ちなみにこの店の隣があの適塾です。入館料も安いので、幕末の私塾の香りを嗅いでみてはいかがでしょうか。ついでに『適塾と長与専斎』(創元社刊)も読んでいただけるともっとうれしい。
おわりにちょっと個人的な雑感を。
このハマヤ(平野町店と横堀店)の肉の味は、下町の商店街の入り口でよく見かけたホルモン焼き屋台の味を思い出させて仕方がありません。かれこれ30年以上前の話ですが、大阪万博の頃までは街でホルモン屋台をよく見かけたと思います。戦後のドヤの名残を感じさせる立ち売りの店です。今はもう絶滅してしまったはずです。就学前の子供だった私は、ばあさんに手を引かれて買い物について行くとき、商店街の入口で必ず「ホルモン買って」とねだったそうです。そんな年頃に強烈な味のものを食べさせると、味覚がおかしくなってしまうはずで、実際そういう大人になってしまいました。だから、ハマヤの味がさほど好みでない私も、幼いころ刷り込まれた味覚のせいでついつい足を運んでしまうわけです。
【まつを】(2005.9記)
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