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本町昼めし通信
創元社スタッフが大阪・本町界隈の昼めし処をレポートします。

 ● わすれな草 カ
わすれな草 住所 : 大阪市西区江戸堀1-14-1

・ トマトとヨーグルトのチキンカレー
580円~

カレー専門店というのはくせ者であるなぁと常々感じます。単品に特化しているからさぞやこだわりのある味だろうと考え、食べてみては失望、を繰り返すことになります。カレーという料理は素人でも簡単に作れるものであり、大鍋に作り置きしておけば、あとは皿に盛って出すだけで手間もかからない。で、飲み屋や喫茶店が昼メニューに採り入れたりする。それもたいがいは安易に、です。
本町にも昼めしにカレーを出す店はそれこそ無数にありますが、夜の営業が不振でカレーでもやってみるか、みたいなのが大半で、学食以下のひどい代物であることも決して珍しくありません。だからよほどのことでないと新たなカレー屋には見向きもしないのですが、この店には久しぶりに感動を覚えました。
トマトをじっくりコトコト煮込んでつくった、滋味深いマイルドなチキンカレーです。赤い色をしていますが、辛くはありません。煮込みすぎて鶏肉は原形をとどめていないくらいに溶け込んでいます。これほど優しく、体内にしみわたるようなカレーに出会ったのは初めてでした。いや、カレーというよりハヤシかシチューめしというべきかもしれません。
ちなみに、この店は立ち飲み屋です。カレーも立って食べることになります。夜のメニューも特筆すべきものが数々あり、酒も380円均一で安く飲めます。名物の肴は車海老の踊りで、なんと180円。すぐ売り切れます。立ち飲みといっても女性でも入りやすい雰囲気ですから、立ち飲みにありがちなおっさん臭さは微塵もなく、明るい店です。

なお、肥後橋にはこの他にも個性的なカレーを出す店がいくつもあります。カレーの聖地として巡礼を重ねるマニアもいます。それら激戦地で生き残った名店は、また別の機会に紹介します。

【まつを】(2005.11記)
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 ● 一芳亭 船場店 中 売
一芳亭 船場店 住所
大阪市中央区船場中央1-4(船場センタービル2号館B2)

・ しゅうまい定食 750円など
しゅうまい定食

一芳亭といえば言わずと知れた難波の名店。大阪で焼売といえば、黄色い皮が特徴的なこの店のことです。難波の本店のほか、福島、岸和田、そしてここ船場に店があります。

船場センタービルというのは阪神高速の高架下にあり、東西に長ーく連なって、ビルというよりガード下の商店街のようなところです。繊維関係の問屋が集まっていますが、古書店や生活用品を売る店もあって、ひとつながりの街を形成しています。飲食店は主に地下に集中しています。カレーの自由軒も店を出しています。飲食店の軒数にはすごいものがあり、全店を制覇したわけではありませんが、この欄で取り上げたくなるような店はあまりなく、一言で言ってまぁそんなレベルの飲食街です。だからこそ、一芳亭がここに店を出している価値は大きいと言えるでしょう。

焼売はなんといってもジューシーさが大切です。一芳亭の焼売はジューシーであるだけでなく、あっさり後口が良く、いくらでも食べられそうで、かつまた食べ飽きない。新幹線の駅で売っているような焼売は、冷めてしまっているせいか胃にもたれたり、味が過剰につけてあったりします。それに比べてここのは控えめで地味なようでいて、後からゆっくり深みとコクがしみてくる逸品です。
また、ここ船場店では焼売以外のメニューもたくさんあります。

【ぴんこ】(2005.11記)
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 ● げんてん 丼 明
げんてん 住所 : 大阪市西区江戸堀1-13-1

・ 海鮮丼各種 680円~

昼めしのために、わざわざ足を延ばして肥後橋に出向くことがあります。本町よりも肥後橋の方が店のレベルが高いからです。

この店は肥後橋の交差点角にある明石焼き(玉子焼き)の店ですが、特筆すべき個性がいくつもあってとてもユニークです。中は狭くてカウンターだけ。5、6人しか座れません。昼は海鮮丼などを食べさせます。もれなく汁椀がついてきて、中に大きな明石焼きが浮かんでいます。ほとんど色のついていない薄味の汁は、まさに関西のだし文化が凝縮されていて、しばし堪能させてくれます。
そもそも人間は丸いものを見ると、なぜかほっと心がなごむものです。仕事がつらいとき、嫌なことがあったとき、私はこの明石焼きの汁椀になぐさめられ、励まされ、なんとかここまで生きてきた気がします。
この店は夜もやっていて、いい酒肴を出します。いつぞやはノドグロ(アカムツ)の一夜干しで酒を飲みました。鳥取の境港でノドグロの味をおぼえて以来、冬になるとこの肴のことが気にかかりますが、大阪ではなかなか出会えません。それだけとってみても、この店の底力がうかがえると思います。

【まつを】(2005.11記)
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