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創元こころ文庫
摂食障害の不安に向き合う
対人関係療法によるアプローチ
水島 広子 著
内容紹介
摂食障害の治療における治験者の仕事は、「安心の提供」である。
拒食症をPTSDのような障害としてみる治療者は少ないが、著者の実感では、拒食症はPTSDとほぼ同様の発症プロセスをもち、強迫性障害やPTSDのように不安障害とみたほうが現実の治療に即しているという。「安心することによって摂食障害は治っていく」という強い信念のもと、治療者の仕事の目的は「安心の提供」であると位置づけて、本書では、患者のもつ「不安」に注目しつつ摂食障害の治療の実際を述べてゆく。患者に対する視線が限りなくやさしい本である。もっと見る
目次
はじめに
第1章 摂食障害に対人関係療法的アプローチを適用する根拠
対人関係療法と認知行動療法─過食症に対する効果
それでも対人関係療法を用いる理由
医学モデル
摂食障害における問題領域の選択─維持因子への注目
第2章 摂食障害患者における不安を考える―「役割の変化」という視点
役割の変化
拒食症の発症プロセスにおける「役割の変化」
拒食症発症後の「役割の変化」
拒食症治療における「役割の変化」
「拒食」と「過食」
「過食」における「不安」
「過食」の症状発症後の不安
第3章 不安を扱う基本姿勢
感じるしかない不安と解決できる不安を区別する
不安そのものに焦点を当てない
心理教育で安心を提供する
フォーミュレーションで安心を提供する
「過食」についての心理教育
人格と病気の混同を解消する
ぶれない治療で安心を提供する
治療の中での変化を位置づける
第4章 症状を位置づける―患者の症状に干渉しないことの意味
治療に専念できる環境作り
症状を患者の代弁者とみなす
病気につながったパターンに気づく
家族のプロセスの尊重と患者への安心提供
過食という症状に干渉しないということ
「症状は神聖にして侵すべからず」
食と関係のない強迫症状の扱い
第5章 治療者の不安に向き合う
「脅迫的治療」の裏にある治療者の不安
対人関係療法治療者の基本的姿勢と摂食障害
危機的状況の中で病気と人格を区別するということ
治療者が抱えるリスクについての不安
第6章 家族の不安に向き合う
家族の「役割の変化」を認識する
家族に期待すべき役割
家族が精神科的障害や発達障害を持っているとき
家族のプロセスも尊重する
問題行動に伴う不安を扱う
第7章 不安をコントロールして現状を受け入れる│「位置づけ」という考え方
インテイク面接
対人関係質問項目
仮のフォーミュレーションの提供
第1回面接
フォーミュレーション
中期
父親を位置づける
不安の高まりはミクロな「役割の変化」
「コミュニケーション分析」と「感情の励まし」
不安のコントロールには結果よりもプロセスが重要
社会活動を位置づける
他人のネガティブな反応を位置づける
第8章 不安をコントロールして前進する―「土俵」に乗せるという考え方
ものごとを「自分の土俵」に乗せるということ
親密さへの不安
自己開示も自分の土俵に乗せる
摂食障害からの回復も自分の土俵に乗せる
第9章 病気と治療を「位置づける」
病気の意味を理解する
治らない摂食障害について
文献
あとがきもっと見る
著者紹介
※著者紹介は書籍刊行時のものです。[著]水島 広子(ミズシマ ヒロコ)
慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了(医学博士)。慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、2000年6月~2005年8月、衆議院議員として児童虐待防止法の抜本改正などに取り組む。1997年に共訳『うつ病の対人関係療法』(岩崎学術出版社)を出版して以来、日本における対人関係療法の第一人者として臨床に応用するとともに、その普及啓発に努めている。現在は対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)。
主な著書に『自分でできる対人関係療法』(創元社)、『「怒り」がスーッと消える本』『身近な人の「攻撃」がスーッとなくなる本』『自己肯定感、持っていますか?』(いずれも大和出版)、『怖れを手放す──アティテューディナル・ヒーリング入門ワークショップ』(星和書店)、『10 代の子をもつ親が知っておきたいこと』(紀伊國屋書店)、『怒らない子育て』(青春出版社)、『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)などがある。
ホームページ http://www.hirokom.org/もっと見る
お客様の声
摂食障害の不安に向き合う
投稿者 匿名 / 投稿日 2024/01/30
摂食障害の方の家族から相談を受け、この本を手にしました。
概要はよく分かるのですが、専門用語が説明もなく出てきて、戸惑います。
例えば、離断、ホーミュレーション、役割の変化、インテーク面接
素人にもわかる様に用語説明があれば最高です。
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