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近代日本メディア議員列伝・12巻
米原昶の革命
不実な政治か貞淑なメディアか
松永 智子 著
内容紹介
ブルジョワ出身共産党代議士の夢みた革命
旧制鳥取中学から旧制一高に入学、除籍後に地下生活を経て、敗戦と民主化により合法化された日本共産党へ入党。1949年、第24回衆議院選に鳥取県全県区から同党公認候補として出馬しトップ当選を果たす。鳥取県内の選挙区から立候補して当選した共産党国会議員は、現在に至るまで米原のみである。1959年から5年間、『平和と社会主義の諸問題』誌編集委員として家族とともにチェコスロバキア・プラハへ赴任、1969年、第32回衆議院選で東京2区に転じて17年ぶりに当選。その間『赤旗』編集局長など要職を歴任した党幹部・米原昶(いたる)とは何者だったのか。文筆家・米原万里の父にして、家事する議員として現代を先取りもしたブルジョア出身革命家の素顔に迫る。もっと見る
目次
序章 今ここにない夢と彼の好感度について
第一章 智頭から出た若は赫赫と
第二章 テイコク主義者の闇夜行路
1 除籍まで
2 非合法活動としての「メディア」人間
3 支援者たちの群像――炭鉱王からモダン書店、通信塾まで
第三章 臥龍の飛躍 今なるぞ――『赤旗』記者、国会へ
1 終戦と出陣(一九四五~一九四九)
2 初登院の奮闘(一九四九~一九五〇)
3 分裂と忠誠の共産党議員(一九五〇~一九五五)
第四章 さらば歌わん諸共に――米原昶のジャーナリズムと大山二郎のインテリジェンス
1 国際派のブレイン、『赤旗』編集局長 へ(一九五五~一九五九)
2 プラーハの「大山家」(一九五九~一九六四)
第五章 吾等が挙ぐる赤旗は――革新議員のメディア政策
1 「言論出版妨害事件」を突く
2 「紙キキン」に問う新聞の公平性
3 「同時発売」で守るもの
終章 貞淑なメディアの、不実な政治
あとがき
引用・参照文献
米原昶 略年譜もっと見る
著者紹介
※著者紹介は書籍刊行時のものです。[著]松永 智子(マツナガ トモコ)
1985年福岡県生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。日本学術振興会特別研究員を経て、現在、東京経済大学コミュニケーション学部准教授。専門は近現代メディア史、歴史社会学。共著に『ソフト・パワーのメディア文化政策』(新曜社)、『日本の論壇雑誌』(創元社)、『「知覧」の誕生』(柏書房)、『青年と雑誌の黄金時代』(岩波書店)など。もっと見る
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