おすすめの新刊や話題の書籍を、教育・図書館関係者さまの推薦のことばとともにご紹介します。
いわむらかずお待望の最新作!野菜と動物の観察から生まれた「だいこんとのうさぎ」などハートウォーミングな12の物語。物語は韻を踏んでいてリズミカルなので、音読に最適! QRコードで朗読動画が視聴可能!!
日常生活のあらゆる場所に使われている「石材」に着目し、岩石の種類とでき方、石材の加工工程から用途まで、石材がどんな形で私たちの生活を支えているかをマンガと図版たっぷりの解説で紹介する、自由研究にも最適の一冊。
脳の基本的な構造や領域別のはたらきから、人工知能といった最新の研究に至るまで、幅広いトピックを網羅。明快なイラストと共にわかりやすく解説したビジュアル図鑑です。
鮮やかな絵や図を用いながら、睡眠のしくみや役割を、歴史、地理、動植物の生物学、人体、心理学など、関連する様々な項目で簡明に解説。睡眠の大切さや、安眠の為の実用的なヒントも端的に説明。睡眠の謎がわかる知識絵本。
無名の少女から広大な領土を統治した皇帝まで、強い意志で人生を切り拓き、人々の考え方や行動に影響を与えてきた人たちの生涯を印象的なエピソードと豊富な図版で紹介する「絵で読む世界の人物年表」。
これからの時代を生きていくために必要な情報をコンパクトにまとめた小学生~中学生向き入門書シリーズ。『⑦ロボットと生きる世界』『⑧IoTで変わる社会』『⑨ICTが変える未来』の3巻セット。
これからの時代を生きていくために必要な情報をコンパクトにまとめた小学生~中学生向き入門書シリーズ。『④コンピュータのしくみ』『⑤ネットワーク・通信のしくみ』『⑥情報セキュリティのしくみ』の3巻セット。
子どもの本に関わる質問や疑問にQ&A形式でお答えします。内容は月替わりで更新いたします。
※2013年8月刊行『子どもの本100問100答』(一般財団法人大阪国際児童文学振興財団編)より抜粋
(2022.07.15更新)
そのときにたまたま赤ちゃんのごきげんが悪かったのかもしれませんし、時期が早すぎたのかもしれません。4か月の赤ちゃんは、ようやく動く物を目で追うことができるようになったばかりで、視力もまだ十分発達していないので、絵本の絵を目でしっかりと捉えることは難しいようです。最初は絵本よりも読み手の顔や口元に注目していた赤ちゃんも、月齢を重ねるに従って、絵本にじっと見入るようになってきます。子どもによって発達のしかたがちがいますので、4か月のときには興味を示さなくても、2、3か月すると興味を示すかもしれません。
絵本は、一方的なメディアではなく、そのときそのときの赤ちゃんの反応に合わすことができます。そして、赤ちゃんは、絵だけではなく、読んでもらうことで、擬音語・擬態語やくりかえしなどの言葉のおもしろさも味わっています。「じどうしゃ ぶーぶーぶーぶー」のように擬音語の響きの楽しさが味わえる『じゃあじゃあびりびり』(まついのりこ作・絵、偕成社、2001改訂)や「きんぎょさんと きんぎょさんが くっついた あひるさんと あひるさんがくっついた」というように「くっついた」という言葉がくりかえされる『くっついた』(三浦太郎作・絵、こぐま社、2005)は、多くの赤ちゃんが大好きな絵本です。
けれども、「絵本でなければ」ということではありません。絵本もわらべ唄や手遊び、ことば掛けなど、赤ちゃんとの関わりのなかの一つです。大人と赤ちゃんとのコミュニケーションの有効なツールとして、絵本をなかだちにしてゆったりと心を通わせる時間をもっていただければと思います。
赤ちゃんも絵本を選びます。特別な興味がないかぎり、すぐに反応がないときもあります。また、1歳を過ぎると、電車の絵本の好きな子、物語性のある絵本の好きな子、生活絵本の好きな子など、選択がかなりはっきりしてきます。興味がなさそうなときは、無理に最後まで読まなくてもかまいません。何回も読んでほしいという場合は、子どもが納得するまで読んでください。子どもの興味を大切にしましょう。赤ちゃんがどのように絵本を選んでいるかは、赤ちゃんに絵本を読んだ実践を紹介した本*1が参考になると思います。
絵本をこう読めばよいという一般的な方法があるわけではありません。絵本の絵がよく見えるようにして、赤ちゃんに語りかけるようにゆっくりていねいに読みましょう。最初から最後まで、きっちりと読まなければならないということにとらわれすぎないで、表情や声などの反応を確かめながら、一緒に楽しんでください。
絵本と赤ちゃんに関する活動といえば、乳幼児検診等の会場で、地域に生まれたすべての赤ちゃんと保護者を対象に、赤ちゃんと絵本を開く時間の楽しさを実際に体験してもらいながら、絵本が入った「ブックスタート・パック」を手渡すという取り組みが全国に広がっています。この「ブックスタート」の活動*2をきっかけに、多くの人が赤ちゃんも絵本を楽しむことができるのだということを知るようになりました。このほかに、図書館などで、赤ちゃん絵本のブックリストの配布や赤ちゃん向けのおはなし会の開催など、赤ちゃんと絵本の取り組みもすすめられています。今後このような取り組みがますます充実していくためには、地域で絵本・赤ちゃん・子育てといった分野に関係する行政機関や人々がしっかりと連携していくことが大事です。
*注1.徳永満理『絵本でスタート 赤ちゃんが喜ぶ読み聞かせ 0歳1歳2歳』 フォーラム・A、2004、佐々木宏子『絵本は赤ちゃんから』新曜社、2006 *注2.NPOブックスタート編著『赤ちゃんと絵本をひらいたら ブックスタートはじまりの10年』岩波書店、2010
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