ブッダの智慧で答えます

仏教は今なお、人間に考えられるいかなる問題にも答えることができるという。「何のために生きるのか」という哲学的命題から、「食べ過ぎてしまう」「子供が分からない」といった生活上の悩みごとに至るまで、ブッダの教えを生かして導く答えとは――。講演やテレビ出演などでも活躍するスリランカ仏教界の長老が、現代人のさまざまな問いに答え、やさしい語り口で万人に説く。読むほどに心やすらぐ、自分を生きるための77の問答。

◆第１章　生き方が分からない
質問1　何のために生きるのか
質問2　勉強の意味
質問3　なぜ働くのか
質問4　大人とは何か
質問5　人生の優先順位
質問6　友情、努力、勝利
質問7　進路と仕事
質問8　自己投資の対象
質問9　成功と幸福
質問10　幸福は退屈
質問11　死に方上手
質問12　究極の格言
質問13　命に代えても守るべきもの
コラム１　神が拝む人間
◆第２章　欲とのつき合い
質問14　食べ過ぎてしまう
質問15　欲はそんなに悪くない
質問16　欲がないと鈍くなる
質問17　眠りについて
質問18　酒は飲んでも飲まれるな
質問19　後悔先に立たず
質問20　落ち込んだとき
質問21　自分はいなくてもよい
質問22　自殺について
質問23　怒りとのつき合い
質問24　怒らないコツ
質問25　怒りの我慢の限度
質問26　怒らないは言い訳
質問27　足るを知るとは
コラム２　弱きものは仕返しをする
◆第３章　親と子の関係
質問28　親とは何か
質問29　自業自得と親の価値
質問30　どんな親も尊敬すべきか
質問31　生まれた順番と子供の義務
質問32　親孝行の極意
質問33　親不孝の基準
質問34　父親と母親の違い
質問35　親の期待に応えるべきか
質問36　子供が分からない
質問37　性教育について
コラム３ブッダの孝行論
◆第４章　ぎくしゃくした世の中で
質問38　いじめ撃退法
質問39　リストラとサービス残業
質問40　遺伝子組み換え食品
質問41　動物に心はあるか
質問42　家畜たちの恨み
質問43　世界が飢えないために
質問44　生きにくい世の中
質問45　差別とたたかうべきか
質問46　伝統とグローバリズム
質問47　戦場でも善をなせるか
質問48　戦争への怒り
質問49　有効な反戦運動は
コラム４　ブラックホールの発見
◆第５章　道徳って、何だろう
質問50　道徳は仮のもの
質問51　社会道徳と普遍道徳の矛盾
質問52　人に迷惑をかけない
質問53　仏教でいう本当の道徳とは
質問54　売春は悪いことですか
質問55　性欲をどうするか
質問56　自殺は否定できない
質問57　嫌いな人も幸せであれ
質問58　なぜ人を殺してはいけないのか　その一
質問59　なぜ人を殺してはいけないのか　その二
質問60　非難される人々
質問61　悪の追求が善に至る
質問62　道徳論こそ不道徳
質問63　正義より美しさを
コラム５　道徳のための方程式
◆第６章　神さま仏さまに聞きたい
質問64　なぜ殺生してはいけないのか
質問65　不殺生は実行不可能
質問66　祈りは尊いか
質問67　神の実在
質問68　先祖供養の意味
質問69　お墓の是非
質問70　解脱は脳のカラクリ
質問71　みじめな奴ほど真理に近い
質問72　出家は不道徳
質問73　オウムは仏教か――カルトと仏教
質問74　マインドコントロールは悪か
質問75　人類は宗教を卒業すべき
質問76　仏教は欠陥宗教
質問77　仏教は宗教か
コラム６　ブッダこそ偉大なり

［著］アルボムッレ・スマナサーラ（スマナサーラ，アルボムッレ）
1945年４月、スリランカ生まれ。スリランカ仏教界長老。13歳で出家得度。国立ケラニア大学などで教鞭をとる。1980年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は日本テーラワーダ仏教協会の長老として、瞑想指導や講演、執筆などを通じて釈尊の根本の教えを日本人に説き続けている。NHKテレビ「こころの時代」出演のほか、朝日カルチャーセンター（東京）講師としても活躍中。著書に『ヴィパッサナー瞑想　教えとその方法』『初めての本 上座仏教』『賢い人愚かな人』『慈経』『原訳「法句経（ダンマパダ）」一日一話』『怒りの無条件降伏』『ブッダの育児マニュアル』などがある。