内容紹介
政治のメディア化を先取りした憲政会の闘将
〈近代日本メディア議員列伝〉
明治から戦後にかけて〈政治のメディア化〉を体現したメディア議員を取り上げ、一人一冊で深掘りする、佐藤卓己氏単独編集による完全書下ろしの新シリーズ。国会議員がこぞってSNSで発信し続ける現代政治への向き合い方に自省を迫る、これまで無かった人物列伝。
目次
第一章 政治的拠点としてのメディア
1 自由民権運動の世代
2 新世代の新聞
第二章 アメリカ帰りのジャーナリスト
1 未来の国務大臣たる準備を為す
2 中央のメディアへ進出
第三章 改進党系の若手代議士
1 メディア議員への突破口
2 帝国議会へデビュー
3 第一次憲政擁護運動
4 アメリカの排日運動と議員外交
第四章 早稲田の人的ネットワーク
1 思いは同じワセダニアン
2 司法省副参政官
第五章 閥族打破から国民教育へ
1 旧式的閥族内閣
2 早稲田騒動と中国視察
3 軍閥政治批判
4 政党対政党
第六章 憲政会幹事長の政治演説
1 外交問責──国民の輿望を裏切った
2 党議に拘束された普選運動
第七章 普通選挙運動における「独立の生計」
1 憲政会幹部の苦衷
2 普選の前に国民教育を
第八章 憲政会総務のメディア・パフォーマンス
1 達磨落とし
2 海軍大将の変態内閣
3 臨時法制審議会──普通選挙を目指して
第九章 第二次憲政擁護運動と国民の政治参加
1 諸勢力が一堂に会して
2 加藤高明内閣発足
終章 メディア議員のゆくえ
あとがき
著者紹介
[著]河崎 吉紀(カワサキ ヨシノリ)
1974年、奈良県生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士課程退学。博士(新聞学)。現在、同志社大学社会学部教授。専攻はメディア学。著書に『制度化される新聞記者―その学歴・採用・資格』(柏書房)、『ジャーナリストの誕生―日本が理想としたイギリスの実像』(岩波書店)、共編に佐藤卓己・河崎吉紀編『近代日本のメディア議員―〈政治のメディア化〉の歴史社会学』(創元社)、訳書にウォルター・リップマン『幻の公衆』(柏書房)など。
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