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学校臨床力を磨く事例検討の進め方
かかわり合いながら省察する教師のために
角田 豊 編著
内容紹介
現場感覚に満ちた具体的な方法論の提案
教師の実践力の向上に効果を発揮する事例検討の進め方を具体的に紹介する。幼稚園から小学校、中学校まで様々な事例を取り上げ、事例の整理に役立つ各種フォーマットの記述例も豊富に交えながら、子どもだけでなく教師自身の思いや気持ちも視野に入れる独自のアプローチに基づいた事例検討の実際を詳しく提示する。多様性の時代を生きる個々の子どもたちへの有効な支援を実現するための現場感覚に満ちた方法論の提案。もっと見る
目次
目次
はじめに
第1部 理論編
1章 学校臨床力とは
1-1 教育:「教える」と「育む」
1-2 「臨床」について
1-3 「集団へのガイダンス」と「個人へのカウンセリング」
1-4 養育的な「厳格性⇔受容性」
1-5 感性と自己対峙
1-6 自己を育む自己対象の働き
1-7 かかわり合いと間主観性
1-8 特別支援教育における「橋渡し」の働き
1-9 「教師モード」と「カウンセラーモード」
1-10 省察的実践者
1-11 学校臨床力と事例検討・省察
2章 教師の省察
2-1 省察の二重性:「実践知を生む省察力」と「ふり返りとしての省察」
2-2 何を省察するのか:自己調節と関係調節
2-3 理論と実践の往還:「行為レベルの実践(知)」と「言語レベルの実践知」
2-4 「省察の二重性」と「理論と実践の往還」の関連
3章 省察に必要な視点1:自己を育む自己対象の働き
3-1 自己対象とは
3-2 自己愛(成長のモチベーション)と叱る・褒める
3-3 自己心理学とアセスメント
3-4 自己対象体験の大切さ
3-5 成長のモチベーション:動機づけシステム
3-6 動機づけシステムを用いた具体例
3-7 共感:「探索としての共感」と「わかり合いとしての共感」
3-8 教師が自己対象として働く
4章 省察に必要な視点2:かかわり合いと間主観性
4-1 かかわり合いと省察
4-2 かかわり合いと関係調節・情動調律
4-3 間主観性
4-4 間主観的な意識と「橋渡し」の働き
5章 事例検討の進め方
5-1 事例検討とは
5-2 間主観的な観点から行う事例検討
5-3 保育者のための事例検討用フォーマット
5-4 教師のためのプロセスレコード
5-5 プロセスレコード作成上の留意点
5-6 教師のための事例検討用フォーマット改訂版
5-7 事例検討会の進め方
第2部 実践編
6章 若手大学院生による補助教員としての事例検討:A・B・Cの事例(個性記述法)
6-1 はじめに
6-2 事例について
6-3 事例1:A男
6-4 事例2:B子
6-5 事例3:C男
6-6 事例検討のコメント
7章 小学校担任による事例検討(会)の経験:Dの事例(事例検討用フォーマットに基づく個性記述法)
7-1 はじめに
7-2 事例報告
7-3 考察
7-4 事例検討のコメント
8章 幼稚園教諭による個別支援:Eの事例(保育者のための事例検討用フォーマット)
8-1 はじめに
8-2 本園における支援の観点
8-3 事例の概要
8-4 事例報告
8-5 加配保育者としての考察
8-6 事例検討のコメント
9章 若手大学院生による省察の工夫:F・Gの事例(プロセスレコード)
9-1 はじめに
9-2 プロセスレコードの報告
9-3 事例1:実習でのかかわり合い
9-4 事例2:個別指導塾でのかかわり合い
9-5 事例1と事例2をふまえた考察
9-6 事例検討のコメント
10章 中学校担任による事例検討(会)の経験:Hの事例(事例検討用フォーマット改訂版に基づくプロセスレコードを中心に)
10-1 はじめに
10-2 事例報告
10-3 グループ省察会を通じて感じたこと
10-4 事例検討のコメント
11章 小学校担任によるプロセスレコードを用いた事例検討:Iの事例
11-1 はじめに
11-2 事例報告
11-3 考察
11-4 事例検討のコメント
12章 教職と心理職の事例研究会
12-1 はじめに
12-2 学校臨床心理研究会について
12-3 研究会の活動から
12-4 まとめ
12-5 本章のコメント
13章 実践編と理論編のまとめ
13-1 はじめに
13-2 「行為レベルの実践(知)」から「言語レベルの実践知」へ
13-3 かかわり合い・間主観性・関係調節
13-4 自己対象としての教師の働き
13-5 学校臨床力と事例検討
文献
索引
おわりに
付録もっと見る
著者紹介
※著者紹介は書籍刊行時のものです。[編著]角田 豊(カクタ ユタカ)
角田豊(かくた・ゆたか)
1991年、京都大学大学院教育学研究科博士後期課程教育方法学専攻(臨床心理学)修了。博士(教育学)、臨床心理士、公認心理師。現在、京都教育大学大学院連合教職実践研究科(京都連合教職大学院)教授・京都産業大学文化学部教授。著書に『共感体験とカウンセリング』(単著、福村出版)、『カウンセラーから見た教師の仕事・学校の機能』(単著、培風館)、『ポスト・コフートの精神分析システム理論』(共著、誠信書房)、『子どもを育む学校臨床力』(編著、創元社)、『子どもとの関係性を読み解く 教師のためのプロセスレコード』(編著、金子書房)、訳書にバーガー著『臨床的共感の実際』(共訳、人文書院)、ウルフ著『自己心理学入門』(共訳、金剛出版)、リヒテンバーグ他著『自己心理学の臨床と技法』(監訳、金剛出版)などがある。もっと見る
お客様の声
子どもたちと教師のためになる本
投稿者 mk / 投稿日 2020/08/31
この本はこれまでの教師研修や事例検討の仕方とはまた違った方法を提案してくれている本だと思いました。
まずは、日常的に教師がどのような役割を持って子どもと接しているか、丁寧に新しい視点で書かれていてとても面白かったです。
教師の関わりが子どもにいかに影響を与えるのか、また、「学校臨床力」を磨いた教師が子どもと関わることでいかに子どもが「生き生き」と学校生活を送ることができるかということがよく分かりました。
そして、理論的なことも書かれていて最初は難しいように感じますが、それだけでなく事例がたくさん載せられているので、教師の醍醐味や魅力をあらためて感じさせられました。子どもたちの成長や変化を教師はこんな風にリアルに感じることができるんですね。
こんな風に学校の中で事例検討できると、子どもたちのためだけではなく、教師の困り感も少しずつ解消されて学校全体が素晴らしい場になりそうだなと思いました。
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