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36.神戸の農民詩人、坂本遼 ─ その生涯と作品 |
農民詩人といえば、草野心平は『詩と詩人』収録の「坂本遼の『たんぽぽ』」で、宮沢賢治も『銅鑼』同人だったが、賢治が生前、心平にあてた手紙の中に「坂本さんとか三野さんとかの傑れた農民詩人が出てきたので、わたくしなどはもう引っこんでもいいと思っています」という意味のことを書いてきたと回想している。賢治は『銅鑼』に載った坂本の作品と『たんぽぽ』も読んでいたに違いないというのだ。心平をキーパースンとする同時代の賢治・坂本のつながりの不思議さを感じてしまう。 |
最後にわずかに一篇だけ、私の好きな作品の一部を紹介しておこう。坂本が21歳の折、最初に『日本詩人』に投稿して入選した「お鶴と死と俺」である。 |
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(前二連略) お鶴がながい間飼ふた牛は 仏になっとるお鶴よ |
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