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微隕石探索図鑑 微隕石探索図鑑

さあ、あなたも、星のかけらを探しに行こう! 微隕石とは聞きなれない言葉ですが、宇宙空間から地上に降ってくる微小な物質のことで、その正体の多くは「小惑星」のかけらです。
小惑星! それなら聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
JAXAが打ち上げて世界的なニュースになった探査機ハヤブサが到達した「イトカワ」は小惑星のひとつです。ハヤブサ2が目指している「リュウグウ」もそうですね。ハヤブサとハヤブサ2はともに小惑星のかけらを持ち帰るミッションを担っていましたが、この本があれば、わたしたちも身近な場所で、かれらのミッションを共有できるかもしれません。
身近にあるとわかっていながら、地球由来の似た形の物質にまぎれて分離が不可能と言われてきた微隕石の数々をとくとご覧あれ!

本書の特徴

著 者ヨン・ラーセン
1959年生まれ。微隕石研究家で、ジャズギタリスト、作曲家、音楽プロデューサー、画家としても知られる。微隕石は南極や海底でしか見つからないという定説に疑問を抱き、2009年に微隕石探査プロジェクト(プロジェクト・スターダスト)を立ち上げて微隕石研究に乗り出した。彼が世界で初めて人の多く住む場所で微隕石を発見したことが2015年2月に検証・確認され、この分野に大きなブレイクスルーをもたらした。2016年1月、ヨン・ラーセンの「都市の微隕石」コレクションは大英自然史博物館のマシュー・ゲンジ博士によって真正であると確認された。ノルウェーのオース在住。
監修者野口高明(のぐち・たかあき)
1990年、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)。九州大学基幹教育院教授。専門は地球外物質の鉱物科学。隕石、微隕石、探査機が持ち帰った月・彗星・小惑星の試料を研究している。近年は、太陽の化石ともいわれる彗星を起源とする微隕石を南極の雪の中から見出し、天体形成時のプロセスや太陽系を形成した物質の研究を行っている。また、小惑星イトカワの物質をはやぶさ探査機の試料カプセルから発見したメンバーの一人である。
監修者米田成一(よねだ・しげかず)
1960年生まれ。東京大学大学院理学系研究科化学専門課程博士課程単位習得退学。国立科学博物館理工学研究部理化学グループ長 理学博士。専門は宇宙化学、隕石学。隕石中の微量元素存在度および同位体組成に基づく原始太陽系の形成過程・環境の研究。主な著書に『地球と宇宙の化学事典』(分担執筆、朝倉書店)、監訳に『隕石-迷信と驚嘆から宇宙化学へ』(文庫クセジュ、白水社)、監修した展覧会に「元素のふしぎ」(2012)、「ノーベル賞110周年記念展」(2011-12)などがある。

微隕石探索図鑑

235×235ミリ・上製・152頁・オールカラー
定価 2,640円(税込)

目次

まえがき
スターダスト・プロジェクト/本物の微隕石かどうかの見分け方/微隕石の起源、形成過程、飛来、分類
Ⅰ 微隕石
走査電子顕微鏡画像/新コレクション
Ⅱ 地球外からやってきた小球体
アブレーション小球体/謎めいたコンドルール
Ⅲ 人間の活動に由来する小球体
Ⅰ型磁性小球体/大型鉄小球体/ナゲット、ビーズ(球体)、コア/溶接工場由来/火花/非磁性ガラス小球体/蒸気機関車由来の小球体/ミネラルウール/人間の活動に由来する小球体のケーススタディ/花火/黒色磁性小球体/屋根瓦やその他の屋根材/金属光沢を持つ炭素質の灰/赤色スコリア質小球体/人間活動の跡/その他のタイプの小球体
Ⅳ 地球由来の物体
角が取れて丸くなった鉱物粒/磁鉄鉱/閃電岩(フルグライト)/まぎらわしい生物由来物体/マイクロテクタイトとマイクロクリスタイト/ロナール・クレーター湖の小球体/ダーウィングラス/ヴォルホヴァイト――ロシアのミステリー/イベルライト/ウーイド(魚卵石)とピソイド(豆石)/ペレの涙――アクネリス/道路粉塵の中の結晶/ラーセン流 微隕石の探し方

微隕石探索図鑑

235×235ミリ・上製・152頁・オールカラー
定価 2,640円(税込)