地球環境や生物多様性
エネルギー問題から人間の幸福度まで
50ジャンルにおよぶ統計データを
マッピングした
現代世界の知られざる側面を映し出す
ビジュアルレポート
地球情報地図50 自然環境から国際情勢まで
アラステア・ボネット[著] 山崎正浩[訳]296ミリ×256ミリ・上製・224頁・オールカラー
定価 3,520円(税込)
「地球は青かった」
世界初の有人宇宙飛行を成し遂げたユーリイ・ガガーリンが語ったとされるこの言葉を引き合いにだし、本書が私たちに投げかけているメッセージを一言で表すとすれば、次のようになるでしょうか。
「地球は青いだけではなかった」
現代の衛星観測技術の進歩に相まって、驚くほど詳細な各種の統計データを収集・解析できるようになりました。ある生物種の多様性を世界的規模で測ることから、地球的規模でおこなわれる国家間の人間の移動まで、私たちの物理的および社会的動向はかなりの精度でマッピングできるようになっています。本書に収められた色とりどりの地図はそうした取り組みが生んだ素晴らしい成果の数々です。
あたかもサーモグラフィーカメラで映したように見える地球の姿は、青一色では表しきれない世界の実相を示しています。レンズを変えれば、眼前には違った色合いの風景が広がります。次々に立ち現れるバラエティに富んだ50の地図は、単眼ではなく複眼的な視点を持つことの大切さを教えてくれます。
そして、塗り分けられたそれぞれの色の下にはおそらく何百万、何千万もの人間あるいは生物の営みがあるはずです。地球全体を概観するというマクロ的視点だけでなく、地図上では印刷の網点レベルにすぎないミクロな世界の様子を想像するのも、この本の楽しみ方の一つと言えるでしょう。
本書の地図の多くには国境が描かれていません。皮肉にも、データの数値差による地域間の色分けが結果的に国の形を示しているのです。そしてそこには冷然たる「格差」が存在しています。少し穿った見方かもしれませんが、一見すると美しいグラフィックの裏に、人間や社会に対する鋭い警告が秘められているところにイギリス人著者らしいアイロニーが感じられてなりません。
ぜひ、本書を通して、青だけではないカラフルな地球の姿を体感してみてください!
アラステア・ボネット[著]/山崎正浩[訳]
定価 3,520円(税込)
現代の衛星観測や地理的データの収集・解析技術の発達により、世界は信じられないほど詳細に研究できるようになった。地球環境や生物多様性、エネルギー問題から幸福度まで、50ジャンルにおよぶ統計データをマッピングした現代世界の知られざる側面を映し出すビジュアルレポート。