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不確かな時代を共に生きていくために必要な
「自ら考える力」
「他者と対話する力」
「遠い世界を想像する力」
を養う多様な視点を提供する、
10代以上すべての人のための人文書のシリーズです。
●造本:四六判変型(横130×縦168mm)・並製・144~192頁
●各巻予価:1,540~1,760円(本体1,400~1,600円)
(五十音順)
「あいだ」は物事を接続するだけではなく、次の段階に進むための踊り場でもあります。
これからの世界に飛び込む「きみ」が新しい自分と出会うきっかけになります。
ぜひ、手にとってみてください。
ウスビ・サコ
(京都精華大学 前学長)
あいまいさを受け入れる粘り強さ。
そこから言葉にならない真理が見えてくる。
小川洋子
(小説家)
いちばん大切なことは「あいだ」にある。
あれとこれのあいだ。あそことここのあいだ。
自分と誰かのあいだ。
だから、ぼくは「あいだ」に関する本も書いた。
そんな本がこれから、ここから、たくさん生まれる。
すごくうれしい。
高橋源一郎
(作家)
人と人のあいだ、人々と人々のあいだが困難なこの時代こそ、ひとつひとつ、立ちどまって考えることが大切。
気鋭の書き手が多様な切り口で「いま」を読み解き、
生きるための思考を広げてくれるシリーズです。
土居安子
(大阪国際児童文学振興財団理事・総括専門員)
(2024年7月時点。未刊のタイトル・内容・刊行年月はすべて仮)
2023年4月刊行
自分疲れ
ココロとカラダのあいだ
頭木弘樹
難病の実体験に基づいたユニークな文学紹介活動を展開している著者が、「自分自身でいることに疲れを感じる」「自分自身なのになぜかなじめない」といった「違和感」を出発点にして、文学や漫画、映画など多彩なジャンルの作品を取り上げながら、心と体の関係性について考察していく。読者が「私だけの心と体」への理解を深める一助となる一冊。
2023年4月刊行
SNSの哲学
リアルとオンラインのあいだ
戸谷洋志
10代の生活にすっかり溶け込んでいるSNSの利用をめぐるさまざまな現象――「ファボ」「黒歴史」「#MeToo運動」など――を哲学の視点から捉え直し、この世界と自分自身への新しい視点を提供する。若い読者に「物事を哲学によって考える」ことの面白さと大切さを実践的に示す一冊。
2023年6月刊行
ことばの白地図を歩く
翻訳と魔法のあいだ
奈倉有里
ロシア文学の研究者であり翻訳者である著者が、自身の留学体験や文芸翻訳の実例をふまえながら、他言語に身をゆだねる魅力や迷いや醍醐味について語り届ける。「異文化」の概念を解きほぐしながら、読書体験という魔法を翻訳することの奥深さを、読者と一緒に“クエスト方式”で考える。読書の溢れんばかりの喜びに満ちた一冊。
2023年8月刊行
風をとおすレッスン
人と人のあいだ
田中真知
中東やアフリカで長年過ごしてきた著者が、旅の経験や、古今東西のさまざまな文化や文学作品などの例をとおして、人と人との「あいだ」、また自分自身の中の「あいだ」を見つめ、そこに風をとおし、互いに自由になれる関係をつむぐ道を考える。迷いや悩みの多い10代やすべての方たちにとって、「私」も他者も大切に、軽やかに生きていくレッスンとなる一冊。
2023年10月刊行
根っからの悪人っているの?
被害と加害のあいだ
坂上香
著者の映画作品『プリズン・サークル』は、日本で1か所だけ、刑務所の中で行われている「TC(回復共同体)」という対話による更生プログラムを、20 代の受刑者4人を中心に2 年間記録したドキュメンタリー。本書は、この映画を手がかりに、著者と10 代の若者たちが「サークル(円座になって自らを語りあう対話)」を行った記録である。映画に登場する元受刑者の2 人や、犯罪被害の当事者をゲストに迎え、「被害と加害のあいだ」をテーマに語りあう。
2024年3月刊行
能力で人を分けなくなる日
いのちと価値のあいだ
最首悟
本書は、著者の第4子で重度の知的障害者である星子さんとの暮らしや、津久井やまゆり園事件の犯人「植松青年」との手紙のやりとり、また1977年から通った水俣の地と水俣病などについて、10代の3人の若者に語った記録である。能力主義と優生思想、人とのかかわり、個・自立・責任、差別、脳死、人の生死といのち……などをめぐって話しあい、いのちに価値づけはできるのか、「共に生きる」とはどういうことかを考える。
2024年5月刊行
ハマれないまま、生きてます
こどもとおとなのあいだ
栗田隆子
「『大人になる』ってどういうこと?」「私、何歳になっても『大人になった』気がしない」──いま、子どもと大人の境界はますます曖昧になっている。本書では、子どもにも大人にもハマれないまま生きてきた著者が、自らの内なる「子どもと大人のあいだ」を見つめ、そこにうごめく性と暴力、死への衝動や生きることへのあがきを正直に、時に飄々と描く。そして幼少時から周囲の求める「○○らしさ」と闘い、やがてフェミニズムとキリスト教に出会い、言葉と思想を獲得してきたプロセスを語りだす。子ども/大人の二分法を超えて、「ひと」のありようを問う1冊。
2024年8月刊行
ホームレスでいること
見えるものと見えないもののあいだ
いちむらみさこ
著者は公園のテントに20年以上暮らし、ほかのホームレスたちと共に生きる場をつくりながら、ジェントリフィケーションやフェミニズム、貧困などをめぐる活動をしてきた。本書では、公園や路上での生活や、ほかのホームレス女性たちとの営み、街の再開発とホームレスの追い出し、ホームレスへの襲撃などを伝え、現代社会の風景の中の「見えているのに見えないことにされているもの」「隠されているもの」「消されたもの」について、読者に語りかける。
2024年8月刊行
隣の国の人々と出会う
韓国語と日本語のあいだ
斎藤真理子
いま、韓国の文学、音楽、ドラマや映画に惹かれ、その社会や言語に関心を持つ人はますます増えている。本書では、著者が韓国語(朝鮮語)を学び始めた背景、この言語の魅力、痛みの連続である現代史と文学の役割、在日コリアンと言語のかかわりなどを、文学翻訳の豊かな経験から親しみやすく語る。文字、音、声、翻訳、沈黙など、多様な観点から言葉の表れを捉え、朝鮮半島と日本の人々のあいだを考える1冊。
2024年10月刊行
言葉なんていらない?
私と世界のあいだ
古田徹也
私たちは言葉を通して世界やそこに住む人々とかかわり、ともに暮らしている。でも、言葉はときに誤解やトラブルの元にもなる。言葉は、私と世界とをつなぐメディアなのか、はたまた両者を隔てるバリアなのか。そもそも、「言葉を発する」って何をすることなのだろう。――本書はこれらの問いから出発し、言葉を旅していく。SNSをはじめ、言葉に振り回されがちな日常の中で、言葉と親しくなり、より自由につきあっていくための一冊。
2025年4月刊行
ユニヴァースのこども
性と生のあいだ
中井敦子、森岡素直
中井敦子さんと森岡素直さんは、互いを大切なパートナーとして、敦子さんが4年前に出産した満生ちゃんと共に暮らしている。素直さんの性は女性/男性のどちらにもとどまらず、3 人の関係は「母−親/父−親/こども」の枠に収まらない。性と生、親と子、家族と他人、普通と特殊など、さまざまな「あいだ」に境界線を引かず、名前をつけず、両極のない揺らぎの中を生きようとしてきた2人が、日々の細部や思考を語った「声のおたより」の記録。
2025年8月刊行
不登校無限大
できるとできないのあいだ
伊藤書佳
今の社会は能力主義がごく当然のものとして浸透している。学校では能力に応じて序列化され、「できるか、できないか」で自分や物事を見る視点を自然と身につけてしまう。不登校とは、本人も「なぜ行けないのかわからない」ことが多いけれど、そのような社会と価値観への無意識の拒否反応とも言えるのではないか——。中2で学校に行かなくなった著者が、「わが身に起こった不登校は社会構造が生んだものだ」と知っていったさまざまな経験を語り、人とつながって生きていく道を読者と共に考える。
巻き貝を耳にあててみるように、「あいだ」から聞こえてくる声や、音に、一緒に耳を澄ませてみませんか。
そんな思いを込めたロゴデザインです。
「巻き貝に耳をあててごらん。海の音が聴こえるよ」
幼い日、だれからか教わって、サザエでもハマグリでも貝を見つけると、まず耳にあてて、音を聴いてみるようになりました。
でも、どの貝でも海の音がするわけではありません。じっと耳を澄ましているうちに、どうやら音は貝が発しているものではなく、貝とぼくの耳の「あいだ」にあるらしい、と気がつきました。
ふだん、ふつうに生きていると聴こえない音が、巻き貝を耳にあてるときだけ聴こえてくる。おなじように、日常のなかでは、なかなか見えてこないものがあります。
このシリーズの本をひらくことで、さまざまな「あいだ」の音を聴くことができたなら——そう思ってデザインしました。(矢萩多聞)