◇〈在日〉という根拠 増補新版【11/13発売】
竹田 青嗣 著 定価3,080円(税込)
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在日朝鮮人作家の文学をとおして「生の感触」を書き表わす、在日韓国人二世であり哲学者・文芸評論家である竹田青嗣の初著作を、約30年ぶりに増補復刊。在日論の普遍的傑作。書き下ろし:自伝的あとがき(14,000字)
担当編集者より
本書は、在日韓国人二世であり哲学者・文芸評論家である竹田青嗣氏の初著作です。1983年に国文社より刊行され、1995年に筑摩書房より増補文庫化されたものに、「在日と対抗主義」「自伝的あとがき(14,000字)」を増補し、一部の目次順を変更のうえ、新版として刊行するものです。
40年以上前の作品ではありますが、当事者からみた在日の状況はもちろん、現代社会の様々なレベルで現われる対抗的・差別的問題や信念対立に対しての「自分と世界との関係の仕方について」が論じられています。これらの論は、「在日」という領域を超えて、これに通じる困難をもつどんな人にも強く訴える普遍的な質を持ち得ていると感じています。多様性が謳われながらもヘイトや生きづらさ、不遇感が蔓延する今、まさに必要とされている一冊ではないでしょうか。
全体を通して一貫した論になっていますが、お時間がないかたは、本書内の「苦しみの由来」や、故・加藤典洋氏による解説(⇒リンクは
こちら)だけでもお読みいただければ幸いです。
ご高評のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。(Y.S)
“本書でも繰り返し書かれているが、市民社会において人間は多様なアイデンティティの可能性をもち、自由に生き方を選ぶことができるというのが私の考えであり、そのような感度を支えとして、民族的覚醒という理念に寄り添えない金鶴泳の文学的な場所が、むしろ多くの在日にとっての普遍的な状況をよく表現していると思えたのである。”(「自伝的あとがき」より)