メールマガジン4月号

創元社NEWS＊2023年4月号

先日、大垣書店堀川新文化ビルジング店さんが開催した、批評誌『羅(うすもの)』創刊記念トークイベントに参加してきました。大垣書店ゆかりの書き手を集めた『羅』も充実の内容だったのですが（創刊ゼロ号はなくなるまで大垣書店さんで配布中とのこと）、個人的にはイベントに登壇された宇野常寛さん・大垣守可さん・黒嵜想さん3名のお話が心に残りました。
オンラインだけではないモノを介したコミュニティを作る、情報の受け手ではなく作り手にもなりたいと思えるような仕組み作りをする。お話し自体は別メディアでも読んだことはあるのですが、目の前でのめり込むようにお話しする3名（とくに宇野さん）のテンションに煽られるというか、伝えたい、作りたいという欲望を喚起される濃厚な1時間半でした。
変わりゆく情報環境のなかで、コンテンツを生産して伝えるために何をすればいいか。日々考えつつ、仕事をできればと思います。それでは今月のメルマガをお送りします。（A）

>>批評誌『羅(うすもの)』創刊記念トークイベントの案内はこちら

◇編集者の裏×裏・・・イチオシの新刊を担当編集者の声とともにご紹介。
◇新刊＆近刊情報・・・絶賛発売中＆これから発売予定の新刊ラインナップ。
◇最近出た書評・・・新聞や雑誌に掲載された創元社書籍の書評情報。
◇セミナー情報・・・創元社が主催するセミナー・イベントのお知らせ。

╋ 編集者の裏×裏（ウラジジョウ）
イチオシの新刊を担当編集者の声とともにご紹介。
　

シリーズ「あいだで考える」
SNSの哲学　リアルとオンラインのあいだ【4/10発売】
戸谷洋志著　定価1,540円（税込）

10代の生活にすっかり溶け込んでいるＳＮＳの利用を巡る様々な現象を哲学の視点から捉え直し、この世界と自分自身への新しい視点を提供する。若い読者に「物事を哲学によって考える」ことの面白さと大切さを実践的に示す。

>>詳細はこちら
　

シリーズ「あいだで考える」
自分疲れ　ココロとカラダのあいだ【4/10発売】
頭木弘樹著　定価1,540円（税込）

難病の実体験に基づいたユニークな文学紹介活動を展開している著者が、自分自身でいることへの「違和感」を出発点にして、文学や漫画、映画など多彩なジャンルの作品を取り上げながら、心と体の関係性について考察していく。

>>詳細はこちら

担当編集者より

　2022年1月、フリーランスの編集者で、緻密かつ創造力に溢れた仕事をされている藤本なほ子さんと共に、シリーズ「あいだで考える」の構想を立てた。世界では多様性が謳われる一方で、コロナ禍や戦争により至るところで分断が見られていた。また社会では効率が良いことに価値基準が置かれやすく、それは大事なことではありながら、他方で、数値で計れないものや、（一見）実利的でないものは、価値が低いと見なされやすい空気があった。
　そうした空気は、十代の人たちを取り巻く環境にも、きっと充満しているだろうと思われた。あらゆる場面で競争が強いられるなかで、先行きの見えない将来に不安を覚えている若い人も少なくないのではと想像された。
　シリーズ「あいだで考える」では、そうではない世界もある、ということを伝えたかった。十代の人たちが、このシリーズをとおして新しい価値観や考え方に出会い、いま自分が置かれている環境と少しあいだを取ってみることで、楽になれたり、優しくなれたり、自由に発想したりすることができるようになれば……。そのような思いで、私たちは企画を立ち上げた。
*
　シリーズ「あいだで考える」は、十代を中心読者としつつすべての年代に向けた、人文書のシリーズである。このシリーズでは、物事を白か黒かで判断するのではなく、まずはあいだ、つまり「分からない」状態に留まり、物事を自分の目でよく見て考えることを大切にしている。分からない状態に留まるというのは、物事を短絡的に一般化することを避け、ステレオタイプや安易な刷り込みに抗うことだ。だから、あいだに留まることは、一見なにも変化がないように見えて、実は多大な勇気と知性と行動を要する。シリーズ「あいだで考える」の著者の皆さんと言葉を交わすたびに、そのことを学んでいった。
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　本シリーズの制作過程では、著者、編集者、デザイナー、イラストレーターが何度も顔を合わせて言葉を交わし合い、一冊の本を作り上げていった。著者のことばと読者のあいだに身を置いて、それぞれの立場から意見を出し合い、相互に影響を受けながら変化して進んでいく、その過程そのものが「あいだで考える」の実践のようであった。
そうした本作りの裏側をお届けするのも面白いのではないかと思い、販促企画のアイデアが生まれていった。初版特典として本に挟み込む「あいだ新聞」、デザイナーとイラストレーターの対談「あいだラジオ」などはその一端である。いずれも弊社公式note等で最新情報をお届けしていくので、書籍と合わせて楽しんでもらえたら嬉しい。
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　2023年4月、いよいよ本シリーズの刊行が始まる。たくさんの人と人のあいだで、言葉と思いが折り重なり合いながら作られていった本シリーズが、まだ見ぬ読者の大切な一冊となることを願ってやまない。
（AN）

╋ 新刊＆近刊情報
絶賛発売中＆これから発売予定の新刊ラインナップ。

アカデミア叢書　〈私〉を生きる心理臨床　「水平性をめぐる動き」と「垂直性をめぐる動き」から【3/13発売】
小山智朗著　定価4,400円（税込）

相互性の心理臨床入門【3/23発売】
西隆太朗著　定価2,640円（税込）

叢書パルマコン07　観光と「性」　迎合と抵抗の沖縄戦後史【3/23発売】
小川実紗著　定価3,520円（税込）

『ゼクシィ』のメディア史　花嫁たちのプラットフォーム【4/3発売】
彭永成著　定価3,850円（税込）

図説日本の城と城下町6　松山城【4/18発売】
松山市教育委員会監修　定価1,650円（税込）

学校というブラック企業　元公立中学教師の本音【4/25発売】
のぶ著　定価1,540円（税込）

アルケミスト双書　〈ダイアグラム〉の不思議　半対角線が創り出す驚きの幾何学【3/13発売】
アダム・テットロウ著 / 駒田曜訳　定価1,320円（税込）

〈おたすけモンスター〉シリーズ5　さあ、勇気をだしてごらん　子どもが人見知りと自信のなさを克服するガイド【3/23発売】
ポピー・オニール著 / 山崎正浩訳　定価1,760円（税込）

叢書パルマコン・ミクロス03　コンスピリチュアリティ入門　スピリチュアルな人は陰謀論を信じやすいか【3/23発売】
横山茂雄、竹下節子、清義明、堀江宗正、栗田英彦、辻隆太朗、雨宮純著
定価2,420円（税込）

ユング心理学研究　第15巻　共感力のゆくえ【4/10発売】
日本ユング心理学会編　定価2,200円（税込）

イラストで学ぶ　世界を変えたコンピュータの歴史【4/18発売】
レイチェル・イグノトフスキー著 / 杉本舞訳　定価3,520円（税込）

自然科学ハンドブック　宝石図鑑【3/20発売】
キャリー・ホール著 / 石橋隆監訳 / 山崎正浩訳　定価2,640円（税込）

世界史366日事典　今日は何の日？【3/23発売】
アンドレア・ミルズ著 / 武井摩利訳　定価3,300円（税込）

夢とこころの古層【4/3発売】
河合俊雄著　定価2,640円（税込）

創元世界史ライブラリー　錬金術の歴史　秘めたるわざの思想と図像【4/10発売】
池上英洋著　定価2,750円（税込）

〈おたすけモンスター〉シリーズ6　たんけん、きみの気持ち　子どもが自分の感情を理解するためのガイド【4/25発売】
ポピー・オニール著 / 山崎正浩訳　定価1,760円（税込）

╋ 最近出た書評
新聞や雑誌に掲載された創元社書籍の書評情報。

・山本智子『「家族」を超えて生きる』／週刊新潮
>>書評はこちら

・山本智子『「家族」を超えて生きる』／読売新聞
>>書評はこちら

╋ セミナー情報
創元社が主催するセミナー・イベントのお知らせ。
　

【オンライン・参加無料】シリーズ「あいだで考える」刊行記念
リレートークプレWebイベント

【『コンスピリチュアリティ入門』刊行記念イベント①】

「コンスピリチュアリティ」概念の可能性と課題

【オンラインセミナー】

ハリー・スタック・サリヴァン再訪――対人関係論を臨床実践に生かす

【『コンスピリチュアリティ入門』刊行記念イベント②】
陰謀論とスピリチュアルの知らない世界

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