創元社NEWS*2021年3月号
すでに著名なテレビタレントがYoutubeアカウントを開設するなど、世はまさに動画戦国時代といったところですが、弊社も動画制作を頑張っています。
直近で公開したのは、近刊『闇の西洋絵画史』の著者である山田五郎さんのインタビュー動画。悪魔、魔性、怪物、髑髏、横死など、怪しい魅力をもつ西洋絵画の「闇」の側面を語っていただきました。背景の彫像もステキです。
それでは今月のメルマガをお送りします。

>>山田五郎「闇の西洋絵画史」第1期〈黒の闇〉篇

編集者の裏×裏・・・イチオシの新刊を担当編集者の声とともにご紹介。
新刊&近刊情報・・・絶賛発売中&これから発売予定の新刊ラインナップ。
営業部だより・・・営業部員がお届けする、本が読まれる現場からの報告。
[連載]ソジーのゲラ・・・公式キャラクター・ソジーが現在編集中の本のゲラを紹介。
将棋瓦版・・・創元社将棋普及チーム4名がお届けする、将棋に関するつぶやき。
キャンペーンのお知らせ・・・現在実施中のキャンペーン情報。
「じんぶん堂」掲載情報・・・「じんぶん堂」に掲載された弊社記事をお知らせ。

 編集者の裏×裏(ウラジジョウ)
イチオシの新刊を担当編集者の声とともにご紹介。

アルケミスト双書 闇の西洋絵画史
第1期:5巻セット〈黒の闇〉篇
【3/17発売】
山田五郎著 定価8,250円(税込)

大好評シリーズ「アルケミスト双書」から『闇の西洋絵画史』篇が登場!西洋美術の「闇」の側面を浮かび上がらせる、妖しくも美しい西洋絵画史シリーズ(フルカラー)。著者は編集者で評論家の〈山田五郎〉。全10巻のうち、第1期5巻がセットに。テーマは「黒の闇」。セット内容:〈1〉悪魔〈2〉魔性〈3〉怪物〈4〉髑髏〈5〉横死 ※美麗ケース入。


担当編集者より
企画の内容は上記に譲るとして、著者の山田五郎さんについて、少しお話ししたいと思います。

山田さんは上智大学文学部新聞学科在学中にオーストリアのザルツブルク大学へ留学し、西洋美術史を専攻されています。卒業後、講談社に入社。『Hot-Dog PRESS』編集長、総合編纂局担当部長等を経て、現在のフリー編集者・評論家になられました。タレントとしても『ぶらぶら美術・博物館』『出没! アド街ック天国』『タモリ倶楽部』など、活躍は美術、街、雑学と多岐に渡っています。該博な知識に驚くばかりです。
「山田五郎」という、いたって“平凡”な芸名の由来もおもしろいです。ぜひウィキペディアもご覧ください。まさに“ペン”ネームです。内容が非常に詳細なのは、ご自身で修正されたからだとうかがいました。

その山田さんと初めてお会いしたのは15年ほど前です。美術の書籍制作でご一緒しました。私は当初、お忙しい方だし、監修程度を希望されると思っていました。ところが山田さんは、原稿執筆はもちろん、図の選定、見出し、キャプション、表記、編集上の見せ方に至るまで、こちらの意向も汲みながら、ご自身で綿密に手掛けられました。巻末には年表があり、本来そういうものは編集者の役目なのですが、ご自身でラフまでつくってこられました。
話出すときりがないのですが、このような例ばかりが数多思い出されます。とにかく手を抜かない「こだわり」の人なのです。前述のウィキペディアをご自身で修正されているのも、その一端でしかありません。
今回の企画は、そのこだわりの人、山田さんがもっとも関心があるといってもよい内容です。事務所に溢れる髑髏や万物の闇的調度品もそれを物語っています( 上記特設サイトの写真や動画の背景はすべてその事務所です)。もちろんすべて書き下ろし。まさに本領発揮のシリーズ。ぜひ濃厚で異様な世界を堪能していただければと思います。

そういえば、山田さんは小3から高校卒業までを、大阪の豊中市岡町で過ごされました。関西人の私と話すと、自然と関西弁が戻ってきます。弊社の本社は御堂筋沿いの淀屋橋辺りにあるのですが、その地理にもやたらと詳しいです。淀屋橋周辺に架かる橋ひとつの詳細に至るまで。
大阪の版元として、そこにルーツを持つ山田さんの本を出版することができ、とてもうれしく思います。(YS)

╋ 新刊&近刊情報
絶賛発売中&これから発売予定の新刊ラインナップ。

国絵図読解事典
Encyclopedia of Kuni-ezu (provincial maps) of Japan in the Tokugawa Shogunate
【2/16発売】
小野寺淳、平井松午編 定価9,680円(税込)

徳川幕府が全国諸大名に何度も作成・提出を命じた巨大な極秘地図・国絵図。その最新の研究成果を網羅し情報の宝庫の幅広い活用を可能にする初めてのエンサイクロペディア。

〈こころ〉とアーティフィシャル・マインド【2/18発売】
河合俊雄、吉岡洋、西垣通、尾形哲也、長尾真著 定価2,640円(税込)

機械は芸術作品を創造できるか? そもそも人間自身は創造的な存在なのか? 心の本質をめぐり、各界の第一人者が多彩な切り口からスリリングな問題提起と議論を展開する。

キリスト教入門[聖書協会共同訳対応版]【2/18発売】
キリスト教学校教育同盟編 定価990円(税込)

キリスト教・聖書のエッセンスをビジュアルなレイアウトで伝えるテキストシリーズの第1巻。キリスト教の基本、イエスの生涯、旧約聖書と新約聖書の概要を紹介する。

旧約聖書の教え[聖書協会共同訳対応版]【2/18発売】
キリスト教学校教育同盟編 定価990円(税込)

天地創造をはじめとする数々の有名な物語から出エジプトや十戒の教えの意味、預言者たちの活躍まで、旧約聖書の壮大な世界をやさしく解説する。シリーズ第2巻。

新約聖書の教え[聖書協会共同訳対応版]【2/18発売】
キリスト教学校教育同盟編 定価990円(税込)

イエスが行った数多くのたとえ話や奇跡を紹介しながら、その教えの意味を丁寧に解説するとともに、キリスト教が世界に広がっていく様子を描き出す。シリーズ第3巻。

密約の戦後史 日本は「アメリカの核戦争基地」である【2/18発売】
新原昭治著 定価1,650円(税込)

「密約研究の父」として知られる著者が、日本の米軍基地が単なる米軍の出撃基地ではなく、かつての戦争において核戦争を想定した出撃・訓練基地となっていた事実を暴く。

ライオンのプライド 探偵になるクマ 集まると楽しくなる英語の集合名詞えほん【2/18発売】
前田まゆみ著・イラスト 定価1,760円(税込)

英語では動物や物の集まりを、ラクダ=列車、星=クラスター、花=ブーケ等で表現。その集合名詞と呼ばれる言語文化を『翻訳できない世界のことば』の訳者が絵と文で紹介。

別冊『鉄道手帳』 全国鉄軌道路線図〈長尺版〉第3版【2/24発売】
所澤秀樹監修/創元社編集部編 定価1,320円(税込)

『鉄道手帳』収載の路線図をベースとする全長1800ミリの長尺路線図の第3版。この1枚に国内のすべての路線の停車場・停留場を掲載(貨物鉄道を含む)。付録冊子つき。

芸術と創造的無意識【2/25発売】
エーリッヒ・ノイマン著/氏原寛、野村美紀子訳 定価3,850円(税込)

ノイマンによるユング派芸術論、新装復刊。集合的普遍的無意識の立場から、創造的人間・創造的過程について分析を加え、現代芸術に現れている人の心の状況を巨視的に展望。

ふたご研究シリーズ 第1巻 認知能力と学習【2/25発売】
安藤寿康監修/敷島千鶴、平石界編 定価3,740円(税込)

双生児研究の全貌を主要なテーマごとに紹介する世界にも例のないシリーズの第1巻。双生児研究の基本とともに、一般知能やワーキングメモリなどの認知能力を取り上げる。

鉄道高速化物語 最速から最適へ【2/25発売】
小島英俊著 定価1,870円(税込)

1872年の鉄道開業以来、日本の鉄道は着実に進歩し、列車の高速化、所要時間の短縮を求めて数々の取り組みがあった。その技術的発達や工夫をハード、ソフト両面から語る

たいせつな気づき 新型コロナウイルスをのりこえた未来の物語【2/25発売】
Tomos Roberts著/Nomocoイラスト/大嶋野々花訳 定価1,760円(税込)

コロナウイルスの世界的大流行をきっかけとして発信されたのち、世界中で6千万回以上再生され20を超える言語に翻訳された、ポストコロナに希望を見出す励ましの物語。

アルケミスト双書 闇の西洋絵画史〈1〉悪魔【3/17発売】
山田五郎著 定価1,650円(税込)

「アルケミスト双書」から『闇の西洋絵画史』篇が登場!第1巻は悪魔。「物事の本質は、闇の側面も見ることで、はじめて鮮やかな輪郭が浮かび上がってくるのです」山田五郎

アルケミスト双書 闇の西洋絵画史〈2〉魔性【3/17発売】
山田五郎著 定価1,650円(税込)

「アルケミスト双書」から『闇の西洋絵画史』篇が登場!第2巻は魔性。「物事の本質は、闇の側面も見ることで、はじめて鮮やかな輪郭が浮かび上がってくるのです」山田五郎

アルケミスト双書 闇の西洋絵画史〈3〉怪物【3/17発売】
山田五郎著 定価1,650円(税込)

「アルケミスト双書」から『闇の西洋絵画史』篇が登場!第3巻は怪物。「物事の本質は、闇の側面も見ることで、はじめて鮮やかな輪郭が浮かび上がってくるのです」山田五郎

アルケミスト双書 闇の西洋絵画史〈4〉髑髏【3/17発売】
山田五郎著 定価1,650円(税込)

「アルケミスト双書」から『闇の西洋絵画史』篇が登場!第4巻は髑髏。「物事の本質は、闇の側面も見ることで、はじめて鮮やかな輪郭が浮かび上がってくるのです」山田五郎

アルケミスト双書 闇の西洋絵画史〈5〉横死【3/17発売】
山田五郎著 定価1,650円(税込)

「アルケミスト双書」から『闇の西洋絵画史』篇が登場!第5巻は横死。「物事の本質は、闇の側面も見ることで、はじめて鮮やかな輪郭が浮かび上がってくるのです」山田五郎

地球環境保全論 持続可能な社会をめざして【3/24発売】
和田武編著/小堀洋美著 定価3,080円(税込)

温暖化、生物多様の喪失、マイクロプラスチック汚染など、環境問題の解決は喫緊の課題である。何が問題で、どの程度深刻なのか。いま取り組むべき課題を明らかにする。

箱庭療法の治癒へのプロセス 異質な自分との出会いとこころの揺らぎ【3/24発売】
不破早央里著 定価3,960円(税込)

箱庭制作をめぐる調査研究と臨床実践の乖離を埋めることを試み、連続した箱庭制作における主観的体験に焦点を当て、その力動・プロセスの検討から箱庭の治癒的要因を探る。




╋ 営業部だより
営業部員がお届けする、本が読まれる現場からの報告。

早くも3月になり、暖かい日が徐々に増えて過ごしやすい季節になってきました。
桃の節句を過ぎ、すっかり春めいてまいりました。
そして3月といえば、3月3日に雛祭りの行事がありました。
わが家では、毎年この時期になると雛人形を飾りお祝いをします。
数年前にある方から雛人形は、「子どもたちの変わりに病気や事故から守ってくれて、
子ども達が元気で幸せに生活できるように願いを込めて飾るのよ。」って教えていただいてから、
毎年、雛人形を飾るようにしています。
でも、今年は飾るのをもうやめようか、と思う時もありますが…。
しかし、雛人形を飾り終わる頃には、自然と「灯をつけましょう~ぼんぼりに~」なんて、
口ずさみなから楽しく飾っている自分いたり、家のなかも一気に華やかになります。
雛飾りが終え、今年も桃の節句が無事に終わりました。
このコロナ禍の中、外出することがなかなかできないですが、
ぜひぜひ、この『 年中行事読本』で四季を愉しんでみてはいかがでしょうか。(C.N)

[連載]ソジーのゲラ
公式キャラクター・ソジーが現在編集中の本のゲラを紹介。
「ソジー、今度は何の本のゲラを見つけたの?」 
いつもは紙とみるとすぐ口に入れちゃうソジー。
でも今日はそこに載っているピカピカのクマちゃんが気になるみたい。
ソジー、それは4月の新刊『 世界で一番美しいこども元素図鑑』のゲラだよ。
創元社のベストセラーであり全世界に多くのファンをもつ『 世界で一番美しい元素図鑑』のキッズ版。
写真の美しさや、簡潔ながらも好奇心をそそる解説文など、元の本の特徴を引き継ぎながら、子どもでも一人で読めるように、やさしい説明になってるね。
元素がいかに自分の回りに存在しているか、知れば知るほどワクワクするんじゃないかな。
鉱物本の担当書の多い私も、ひんぱんに目にする名前がいっぱい出てくるけど、鉱物はこれらの元素が組み合わさってできている場合がほとんどだから、個別の元素の性質や見た目を知るのはあらためて興味深いなあ。
ちなみに、ソジーが気になっているそのクマちゃんは、クロム(Cr)でめっきされたものなんだって。
モコモコふわふわなところが褒められるソジーも、たまにはこんな堅牢なものにあこがれるのかしら?
(O)


╋ 将棋瓦版
将棋が好きな男性社員二名と将棋に興味が出てきた女性社員二名がお届けする将棋に関するつぶやき。
「カンタンな詰将棋を解いてみよう!1」
最近の将棋ブームで、将棋に興味を持つようになった、“観る将”だったけど少し覚えてみようかな、という方が増えています。将棋の勉強は資格習得と違って終わりがありません。将棋を指すことを、一生の趣味にしてみませんか?

将棋の上達には、詰将棋が効果的です。やさしい問題をできるだけたくさん解くと、自然に考える力がついてきます。
例:1手詰
1手詰は、1手動かす(または持ち駒を打つ)ことにより、玉方に受けのない形、すなわち「詰み」の状態にすることです。簡単な1手詰を出題いたしますので、解いてみてください。

初心者のための詰将棋/高橋道雄著』より出題。

正解は▲2三金です。
持ち駒の金を打つことにより、「詰み」の状態にすることができます。これは、玉の頭の部分に打つ「頭金」と呼ばれる指し方です。基本の詰め手になります。
弊社twitter将棋アカウント( @sogensha_shogi)でも毎週詰将棋を出題しておりますので、ご覧ください。

次回も簡単な詰将棋を出題いたします。お楽しみに!

╋ キャンペーンのお知らせ
現在実施中のキャンペーン情報。
【1】『闇の西洋絵画史』シリーズ刊行記念キャンペーン
『闇の西洋絵画史』第1期5冊まとめて創元社ホームページよりお買い上げの方に
オリジナルポストカードと特製セットケースをプレゼント。

╋ 「じんぶん堂」掲載情報
「じんぶん堂」に掲載された弊社記事をお知らせ。
■美しすぎる錦絵をすみずみまで堪能する
 江戸末期の大坂を描いた『原寸復刻「浪花百景」集成』
退色や傷がほとんどない保存状態が極めて良好な浮世絵を、現代のデジタル技術で再現すると、ここまで美麗になるとは驚きです。手作業で和紙に一枚一枚多色刷りする質感には及びませんが、色彩の再現性は現物にかなり近づいた、美しすぎる画集が完成しました。画集としてだけでなく、最新の研究成果を盛り込んだ資料としても活用してもらいたいという編著者・橋爪節也氏(大阪大学教授)の思いを、『原寸復刻「浪花百景」集成』(創元社)から一部抜粋して紹介します。

■住まう人の安らぎと健康は、建築と同じように重要 建築家ヴォーリズの『吾家の設備』
日本の住宅に西洋の新しさを取り入れつつも、目新しさの追求に終始することなく温かみのある「ホーム」をつくり上げることに心血を注いだヴォーリズが日本住宅に何をもたらしたのか。『吾家の設備』の巻末にある一粒社ヴォーリズ建築事務所による解説から一部抜粋し紹介する。

■沖縄の神様の世界をのぞいてみませんか? 『ユタの境界を生きる人々』刊行に寄せて
2020年12月に『ユタの境界を生きる人々:現代沖縄のシャーマニズムを再考する』を小社から刊行した。本書は、沖縄の御嶽(うたき)という聖地で長年にわたり調査を行なってきた著者が、宮古島出身のある女性のライフヒストリーを元に、従来のユタ概念では説明ができない人の実態に迫り、民俗学・文化人類学的見地から現代沖縄のシャーマニズムを再考する一冊である。刊行を記念して、著者の平井芽阿里氏(中部大学准教授)に寄稿いただいた。

■東京2020オリンピックの記憶とともに残された美しい写真記録 堀寿伸著『東京夜景』
2020年3月24日、直前まで安倍内閣が開催を約束していた東京オリンピック・パラリンピックの1年程度の延期が公表された。同月30日には2021年夏に開催が延期されることが決定した。戦時でもない2020年に、1940年の中止から80年を経て再び五輪が幻となるとは、一体誰が予想しただろう。その五輪を見据えて、2019年に創元社から出版した写真集がある。今回紹介する、ハンディサイズの写真集『東京夜景』がそれである。

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