創元社NEWS*2020年9月号
わたしの住んでいる兵庫県では、朝の7時30分から「アルプスの少女ハイジ」が再放送されているのですが、大人になってから見るハイジには、子供のころに気づかなかったいろいろなものが見つかります。オープニングがおもいのほか質素だったり(なぜハイジは雲に乗れるのか)、クララが実はわがままだったり、ロッテンマイヤーさんが意外と公正な大人だったり。
歳を重ねて別の味わい方ができるのも、名作と呼ばれる作品のいい所ですね。弊社のつくる書籍もそのようでありたいです。それでは今月のメルマガをお送りします。(A)

編集者の裏×裏・・・イチオシの新刊を担当編集者の声とともにご紹介。
新刊&近刊情報・・・絶賛発売中&これから発売予定の新刊ラインナップ。
営業部だより・・・営業部員がお届けする、本が読まれる現場からの報告。
[連載]ソジーのゲラ・・・公式キャラクター・ソジーが現在編集中の本のゲラを紹介。
将棋瓦版・・・創元社将棋普及チーム4名がお届けする、将棋に関するつぶやき。
キャンペーンのお知らせ・・・現在実施中のキャンペーン情報。
イベントのお知らせ・・・今月開催予定のイベント情報。
「創元社note部」更新情報・・・最新のnote更新情報をお知らせ。
「じんぶん堂」掲載情報・・・「じんぶん堂」に掲載された弊社記事をお知らせ。

 編集者の裏×裏(ウラジジョウ)
イチオシの新刊を担当編集者の声とともにご紹介。

AI時代を生き抜くプログラミング的思考が身につくシリーズ【3巻セット(1~3)】【9/15発売】
土屋誠司著 定価(本体7,500円+税)

今やコンピュータサイエンスやデジタル技術に関する知識はこれからの時代を生きていく上で欠かせないものになっています。本書は必要な情報をコンパクトにまとめた、「今」と「未来」を生きるすべての人に役立つ入門書シリーズです。ルビ付きなのでお子様ひとりでも読むことができます。『AI〈人工知能〉のきほん』『プログラミングのきほん』『デジタルリテラシーのきほん』まで、まとめて学べる3巻セット。

担当編集者より
みなさんは「人工知能」と聞いて何を思い浮かべますか?

全9巻からなるこのシリーズは主に小学校高学年の子どもたちに向けて、コンピュータサイエンス全般の知識を伝えるものです。その記念すべき(?)第1巻のテーマは「AI〈人工知能〉」。冒頭に「人工知能は『概念』である」という話が出てきます。「それ」はふんわり、ぼんやりしていて、専門家でも正確に説明することは難しい…と。人工知能とは何かを考えると、知能とは何か、つまるところ人間とは何か、に行きつきます。コンピュータの誕生以来、これまで何度か人工知能の「開発ブーム」が起きました。人間みたいな、あるいは人間っぽく見える機能を実現するたびに、新たな次の課題が生まれました。今、言葉を話したり、感情を理解したり表現したりするロボットの姿を見ていると、人工知能はすでに完成したようにさえ思います。

ここで最初の問いに戻ります。ある人は「将棋のAIソフト」を思い浮かべるかもしれません。またある人は「ドラえもん」を思い浮かべるかもしれません。同じように、それは「鉄腕アトム」だったり、SF映画のワンシーンだったりするかもしれません。一つ言えるのは、年代によってイメージするものが確実に違うということで、この本を作りながらずっと頭にあったのはそのことでした。中年に両足を突っ込んでいる自分と今の子どもたちでは、人工知能をはじめとするコンピュータやデジタル技術に対する意識がまったく異なる。ただ、それはそれとして、今ある必要な知識や情報を凝縮し、瞬間パッケージすることに意義があると考えています。

願わくは、この本を読んでくれた人が将来、人工知能の開発者になったり、プログラマーになったり、データサイエンティストになってくれたら嬉しく思います。そして、まったく新しい感覚を持った新たな本の書き手になってくれたら…という展開を夢見てます。
(H)

╋ 新刊&近刊情報
絶賛発売中&これから発売予定の新刊ラインナップ。

近代心理学の歴史【8/4発売】
C・G・ユング著/E・ファルツェーダー編/河合俊雄監修 定価(本体3,800円+税)

人間の心に現れるものすべてを、ありのままの現実として受け入れることからユングの心理学は始まる。客観的な対象に限る一般科学や哲学とは異なる「ユングの考える心理学」の歴史。

江戸時代の明智光秀【8/18発売】
村上紀夫著 定価(本体1,500円+税)

近世都市京都の町や集団や家が、多様な光秀像を創り発信する過程を実証的に明らかにする、本能寺の変の謎にも、「本当の」人物像にも迫らない、今までにない、明智光秀論。


治療的面接の工夫と手順――人間学的力動論の観点から【8/18発売】
増井武士、池見陽著 定価(本体2,500円+税)

精神療法とフォーカシングで著名な二人の専門家が、自身の臨床をめぐって対談。「一人の人間」として患者に向き合うことの重要性を縦横無尽に語り合う。

ひと目でわかる 地球環境のしくみとはたらき図鑑【8/18発売】
トニー・ジュニパー著/赤羽真紀子、大河内直彦監修 定価(本体2,800円+税)

近世都市京都の町や集団や家が、多様な光秀像を創り発信する過程を実証的に明らかにする、本能寺の変の謎にも、「本当の」人物像にも迫らない、今までにない、明智光秀論。

増補 聖別された肉体――オカルト人種論とナチズム【8/25発売】
横山茂雄著 定価(本体3,800円+税)

ナチ・ドイツにおいて、純粋アーリア=ゲルマン人種を造らんとする計画実行にまで至ろうとしたオカルティズム。その隠された相貌を初めて明らかにした幻の名著を増補再刊。

本のリストの本【8/25発売】
南陀楼綾繁、書物蔵、鈴木潤、林哲夫、正木香子著 定価(本体2,300円+税)

本を愛してやまない5人の著者が、さまざまな時代、さまざま場所に存在した「本のリスト」を見つけて、歴史や雑学や個人的な体験と共に紹介する。

はじめてのAI【8/25発売】
土屋誠司著 定価(本体1,800円+税)

そもそも人工知能とは何か、どういう歴史を歩んできたのか、どういった課題があるのか、そして私たちの生活にどのような影響を与えるのか。教養としてのAI入門。


心理学手帳[2021年版]【9/2発売】
心理学手帳研究会編 定価(本体1,400円+税)

心理学の幅広い知識を凝縮した資料編をさらに見やすくリニューアル、全ページ2色刷に大刷新! 内容面では心理アセスメントと向精神薬に関する情報を大幅増補。

はぐくむ、はたらく、豊かに暮らす――障がいと向き合って【9/8発売】
社会福祉法人京都ライフサポート協会編 定価(本体1,500円+税)

心身に障がいのある方が、施設で暮らし、働くというありのままの姿を紹介。当事者やその家族、福祉の仕事に携わる人びとへのヒントに満ちた一冊。Q&A、英文対訳付。

AI〈人工知能〉のきほん【9/14発売】
土屋誠司著 定価(本体2,500円+税)

シリーズ第1巻のテーマはAI〈人工知能〉。歴史や問題点を踏まえつつ、人工知能がもつ主要な5つのはたらき「知識」「推論」「探索」「分類」「学習」について学びます。

プログラミングのきほん【9/14発売】
土屋誠司著 定価(本体2,500円+税)

シリーズ第2巻のテーマはプログラミング。言語の習得ではなく、基本的な考え方を「演算子」「条件分岐」「変数・型」「配列」「繰り返し」「関数」の6つに分けて学びます。


デジタルリテラシーのきほん【9/14発売】
土屋誠司著 定価(本体2,500円+税)

シリーズ第3巻のテーマはデジタルリテラシー。現代の生活に欠かせない「ネット」や「SNS」とうまくつき合っていくためのスキルやコツについて学びます。


旧暦・年中行事カレンダー2021【9/15発売】
創元社編 定価(本体1,400円+税)

旧暦および月と潮にまつわる情報と、年中行事や祭りとゆかりの食べ物、二十四節気・七十二候や干支まで多種多彩に収載。季節感と伝統文化を楽しむ「にっぽんの暦」の決定版。

記念日・歳時記カレンダー2021【9/15発売】
日本記念日協会監修 定価(本体1,400円+税)

『すぐに役立つ366日記念日事典[第4版]』をベースに旧暦・月齢・二十四節気・七十二候・歳時記などの情報をプラス。毎日のコネタ、ビジネスのヒントが盛りだくさん!

フィッシュ・アンド・チップスの歴史――英国の食と移民【9/15発売】
パニコス・パナイー著/栢木清吾訳 定価(本体2,400円+税)

19世紀英国に生れ、20世紀前半には安くて栄養満点の日常食として労働者階級に広まったフィッシュ・アンド・チップス。庶民の食から読む移民社会英国の歴史。図版多数。

世界で一番美しい「もの」のしくみ図鑑【9/15発売】
セオドア・グレイ著/前島正裕、佐々木勝浩監修 定価(本体3,800円+税)

「スケルトン家電」をはじめ、「鍵」や「時計」、「はかり」などをテーマに、美しい写真と解説図を用い、従来の「もののしくみの本」とはまったく違う視点を持ち込む。

鉄道手帳[2021年版]【9/25発売】
所澤秀樹監修/創元社編集部編 定価(本体1,200円+税)

2008年から毎年発行する鉄道情報満載のダイアリー。全路線、全停車場を網羅した路線図、鉄道各社のイベント予定、50頁超の巻末資料編などを収録。

ひと目でわかる テクノロジーのしくみとはたらき図鑑【9/25発売】
村上雅人、小林忍監修/東辻賢治郎訳 定価(本体2,800円+税)

見やすいイラストで機械の中身を解きほぐし、そのはたらきをひとつひとつ解説。歴史を変えた発明から、未来の鍵を握るテクノロジーまで幅広く紹介する。

Scratch 3.0対応版 10才からはじめるScratchプログラミング図鑑【9/25発売】
キャロル・ヴォーダマン著/山崎正浩訳 定価(本体2,800円+税)

簡単にできるゲームからふしぎなグラフィックや楽しいアニメーション、アート作品まで、さまざまなプロジェクトが盛り沢山。この本でプログラミングのスキルをみがこう!




╋ 営業部だより
営業部員がお届けする、本が読まれる現場からの報告。

先月のメールマガジンで「四六判宣言」フェアをご紹介させていただきました。
実は「四六判宣言」以外にも出版社が協力して開催してフェアは多数あります。そんな中から今回は、毎年読書週間の時期に開催しているフェアについてご紹介させていただきます。
今年で4回目となるこのフェアですが6社共同で「読書」「本」「言葉」などのキーワードで選書した書籍を集めて書店様へ提案しています。毎年50書店前後で開催していただいておりますが、今年は初開催の書店様も増えそうです。
今年のフェアは
【おうち時間は読書時間 私は本と旅に出る】
と題して各社選りすぐりの書籍が店頭で皆様をお待ちしております。
今年の創元社のラインナップとフェア看板の写真をお付けしました。
フェアは10月中旬からの開催となりますので書店店頭でお見掛けの際はぜひお手にとってご覧ください。(DM)


[連載]ソジーのゲラ
公式キャラクター・ソジーが現在編集中の本のゲラを紹介。
「ソジー、今度は何の本のゲラを見つけたの?」 
ソジー、これは10月刊行の『命を危険にさらして』のカラーページのゲラだよ。フランスのテレビ局に務める5人の女性戦場ジャーナリストが、世界のさまざまな地域で紛争や事件を取材したときの経験と、そこで感じた感情をどのように受け止めているのかを率直に記したエッセイ集なんだ。
どうして死ぬかもしれない危険なところにわざわざ取材に行くのかって?
もし、ジャーナリストが現場で起きていることを世界に伝えてくれなかったら、戦場や事件の渦中で苦しんでいる人たちは誰にも知られず、何の助けもないまま耐え続けないといけないかもしれないんだよ。
自国のフランスへ帰れば、家族や友人がいて心を癒すことができるけれど、大事な人を心配させ過ぎないように、自分が戦場で経験したことを全て話せるわけじゃない。この本には、そんな葛藤や仕事に対する思いがが素朴な言葉で綴られているの。
世界のどんな地域の人も、命の危険にさらされることなく、健康で安定した生活ができて、読書を楽しめるようになってほしいね。(O)


╋ 将棋瓦版
将棋が好きな男性社員二名と将棋に興味が出てきた女性社員二名がお届けする将棋に関するつぶやき。
藤井聡太二冠の活躍で、弊社の「将棋界のまめ知識ページ」へのアクセスが増えています。
>> 将棋界のまめ知識ページ

アクセス解析を行うと、
1位 竜王戦 対局料
2位 将棋 対局料 いくら
3位 将棋 棋士 給料
など、世間は将棋の対局料が気になっているようです。

将棋の棋士の給料は、固定給と対局料に加え、棋戦で優勝すれば賞金を獲得できます。これ以外には指導対局やイベント・テレビなどの出演料も発生します。固定給の約7割は名人戦につながる順位戦のクラスと連動しています。
優勝賞金がもっとも高い棋戦は竜王戦の4400万円、準優勝者は1650万円です。2019年獲得賞金・対局料ランキングは日本将棋連盟によって公開されており、1位は豊島将之竜王・名人(当時)で7157万円だそうです。

対局料以外には、「プロ棋士 なるには」や「棋士 記憶力」なども多く検索されているようです。『 将棋界の不思議な仕組み プロ棋士という仕事』は、棋界歴50年の著者が、将棋界の仕組みや棋士の本音などエピソードを交えながら面白く紹介した本です。将棋がより身近になるこの1冊で、もっと将棋の世界を楽しんでみませんか。

╋ キャンペーンのお知らせ
現在実施中のキャンペーン情報。
【1】『心理学手帳』愛読者アンケート
『心理学手帳』を購入しアンケートにご協力いただいた方の中から抽選で30名の方にオリジナルクリアファイルをプレゼント。

╋ イベントのお知らせ
※スケジュールや内容は変更になることがございます。
■C.G.ユング『近代心理学の歴史』出版記念イベント
「歴史と神話の間に現れるもの―人類学と心理学の対話―」
日時:9月13日(日)18:30~20:30
配信方法:Zoomウェビナー
登壇者:石倉敏明(人類学者)、猪股剛(ユング派分析家)

■フィッシュ・アンド・チップスとイギリス社会:反フーディー的食べもの考
日時:9月27日(日)13:00~16:00
会場:ameen’s oven(西宮市若松町6-18 ヴィラドコアン1階/夙川)
登壇者:栢木清吾(訳者)、小笠原博毅(神戸大学教員)

╋ 「創元社note部」更新情報
最新のnote更新情報をお知らせ。
 ■ケルト文化の魅力 ―「自然の生命」を敬う心と知恵の泉―
『ケルト事典』の重版を記念して、ケルト芸術研究の第一人者である鶴岡真弓先生に、ケルト文化の魅力についてご寄稿いただきました。

■これで安心!~『心理学手帳2021年版』活用術パート1~
『心理学手帳2021年版』の活用術について、手作りの見本画像付きでご説明いたします。

■「公認心理師試験はこれで乗り切りました。」~『心理学手帳2021年版』活用術パート2~
『心理学手帳』のご購入者からいただいたご感想のなかから、公認心理師やその他の心理職関係の試験対策としてご利用いただいた方のお声を紹介いたします。

╋ 「じんぶん堂」掲載情報
「じんぶん堂」に掲載された弊社記事をお知らせ。
■心温まる大人の絵本『幸せの鍵が見つかる 世界の美しいことば』
なにか読みたいけど、毎日忙しくて時間がない。なにより大量の文字にじっくり向き合えるだけの心の余裕がない……。そんな人におすすめしたいのが『幸せの鍵が見つかる 世界の美しいことば』です。
著者は絵本作家で翻訳家の前田まゆみさん。本書では、世界中の名言や言い伝え、物語などから「美しいことば」を50個セレクトし、温かみのあるイラストと一緒に紹介してくれています。寝る前のちょっとした時間や、休日のコーヒータイムに気負いなく手にとることができ、めまぐるしい毎日にそっと寄り添ってくれる一冊です。

■中世ヨーロッパから続く伝統「紋章」のデザインには意味がある
 豊富な写真と図で読み解く『【図説】紋章学事典』
中世以来の伝統をもち、西洋文化の象徴ともいえる紋章。宝冠、盾、動物、植物などの図案と幾何学図形からなる華やかなデザインは、視覚的な魅力もさることながら、いかにも意味深長で、ただ見ているだけでも興味が尽きません。でも、ちょっとした紋章学の知識があれば、紋章鑑賞がさらに面白くなります。英国紋章協会評議委員のスティーヴン・スレイター氏による『【図説】紋章学事典』を紹介します。

■軍艦島にまだ暮らしが息づいていた時の貴重な記録
 カラー写真と建築学者の調査報告で生活がよみがえる
廃墟ブームの中で一躍脚光を浴び、次々と写真集が出版される中、ついには世界遺産にまで登録されてしまった元三菱鉱業所経営の端島炭鉱、通称・軍艦島。その海の孤島に、まだ大勢の人が暮らしていた1952年と、採炭を終了する4年前の1970年に炭鉱住宅の調査のため端島に入った研究者らがいた。本書『軍艦島の生活〈1952/1970〉』は、西山夘三らによる2度の調査の貴重な記録を再編集したものである。

■恐竜図鑑が完成するまで 私たちは世界の奥地で化石をとってくることから始めた
人類が誕生するはるか昔、地球で栄えた恐竜をはじめとする古代の生き物たち。化石となって発見されるかれらは私たちを惹きつけてやまない。『恐竜と古代の生き物図鑑』の監訳者・田中康平さん(筑波大学助教・古生物学)に、恐竜の化石が発見され、名付けられ、図鑑に掲載されるまでのエピソードを寄稿いただいた。

■本の周辺で遊ぶ 『本のリストの本』に寄せて
ひとりの編集者が予告した本のリスト、名曲喫茶に積まれていた本のリスト、ある古本屋の架空図書のリスト、詩人が母親にせがんだ本のリスト……。
今夏刊行された『本のリストの本』は、「本のリスト」をめぐって5人の著者がそれぞれに文章を寄せたエッセイ集。本記事では、代表著者の南陀楼綾繁氏にエッセイを寄せていただいた。

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