大阪の出版社 創元社より、新刊・近刊情報をご案内いたします(毎月10日配信)
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小社ほど近く、御堂筋沿いのイチョウ並木が徐々に色を変え始めています。イチョウの葉には防虫効果があり、昔は本の栞に使われていたりもしたそうです。本メルマガでもご紹介している10月の新刊『書物のある風景』は、「本」を捉えた古今東西の芸術作品を集めた一冊。時代を超えた本と人との関わりを垣間見れます。
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めくって楽しむ、しかけ絵本
古代や中世の学者から、コペルニクス、ガリレイ、ニュートン、アインシュタイン、そして現代の宇宙観や最新の宇宙理論まで、これまで人類はどんなふうに宇宙の姿を描き、そしてこれからも描いていくのか? 著者のギヨーム・デュプラは科学の歴史を丹念に調べ、さまざまな宇宙の想像図を集め、本書の中で紹介。宇宙の姿を解明するという壮大なチャレンジに挑んだ人類の軌跡が、味わい深いイラストを通してわかる学習しかけ絵本。
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最近話題の宇宙ニュースといえば、やはり「はやぶさ2」です。先日も到達した小惑星リュウグウの画像が公開され、その表面が岩だらけであることがわかりました(普通は砂地であることが多いらしい)。はやぶさ2の打ち上げは今から約4年前の2014年12月。いまいち、我々にはそのスゴさが伝わりにくいのですが、例えるなら日本から南米チリまで、塩粒サイズの探査機が飛んで行って目玉焼きの黄身の上に着陸するくらい難しいことのようです。さて、我々人類はここまで自由に宇宙を“旅する”ことができるようになったのですが、かつては地上からその姿を想像することしかできませんでした。本書には古代ギリシア人が描いた宇宙像から最新の宇宙論が説くイメージまでが収められていますが、驚くのはその多様性です。手の届かない漆黒の闇について、人間が巡らせた想像力はまさに宇宙級と言いたくなるほど、果てしない広がりを見せています。この本は、めくって楽しむ「しかけ絵本」です。ぜひ親子でいっしょにその広がりを体感してみてください。(TH)
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宇宙のすがたを科学する【11/8発売】
ギヨーム・デュプラ著/渡辺滋人訳 定価(本体2,800円+税)
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ただ今、2019年版の各種手帳、カレンダーを絶賛発売中です!
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新刊Pickup ―10月の新刊より―
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書物のある風景【10/29発売】
ディヴィッド・トリッグ著/赤尾秀子訳 定価(本体4,200円+税)
本を片手に物思いに耽る姿、うたた寝している姿……。数々の作品を前に、どの表情や仕草も、現代の私たちと変わらないことに気づく。本書ではポンペイの壁画、浮世絵、セザンヌ、ゴッホ、マグリット、そのほか無名の作家や現代のアーティストにいたるまで、古今東西の本のある風景を捉えた300点超の芸術作品を収録。一つ一つの作品が本と人の関係を静かに物語り、時代も国も超えた普遍的な人の姿を見出すことのできる一冊。
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編集者の裏×裏(ウラジジョウ)
夏も終わりに近づく頃、台風を連れてきそうな雲行きとともに、この本の企画はやってきました。私はこの本でほぼ初めて、本の編集というものを担当。右往左往し、脳内に嵐が吹き荒れていたところ本当に台風が襲来してしまい、出勤かなわず自宅でカリカリと作業をしたこともあったなぁと、美しく仕上がった本書を手にすでに懐かしい気分になっております(それもこれも、訳者さん、デザイナーさん、諸先輩のおかげです)。
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さて、「書物のある風景」と聞くと、ゆったりと椅子に座って読書をしている人の姿を想像する方も多いのではないでしょうか。もちろんそういった作品もありますが、中には本が燃やされたり、切断されたり、本を食べたりしているものも。時代、文化、宗教、戦争、さまざまなものに翻弄されながらも生きながらえてきた本に、芸術家たちによるさまざまな解釈が加えられ、実に奥深い世界が広がっています。
「印刷書籍はアナログで古臭いかもしれない。だがデジタルの書籍にはない、読者との触れあいがあるのではないか。形と重みを感じながら表紙を開き、気が向けば線を引いたりメモ書きしたり――」。そう著者が述べるように、本書の硬い表紙、つるりとしたページの手触り、そしてずっしりとした重みを感じながら、オールカラー(!)の書物のある風景の世界を堪能していただけたら幸いです。そして本を閉じれば、デザイナーさん渾身の白の箔押し(触ると凸凹します)が映える黒い表紙は、あなたの本棚でひときわおしゃれに佇んでくれるはずです。
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ちなみに、この本の原書である『READING ART』は今秋ドイツでも出版されたようなのですが、偶然にもカバー絵に選ばれていた作品は私が選んだのと同じエドワード・ホッパーの「Compartment C, Car 293」(原書は違う作品)。遠く海を隔てたドイツにも同じ感覚の人がいるとは……。ただの偶然ですがなんとも嬉しい気分になったのでした。(CK)
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意識的な行動の無意識的な理由【10/4発売】
越智啓太編 定価(本体2,400円+税)
人間の理性的で意志や意図を伴ったように見えるふるまいも、その要因やメカニズムを探っていくと、驚くべき地平が開けてくる。「人間らしさ」はどこからやって来るのか? 巧妙に計画された実験を中心に、近年は脳神経科学や進化心理学のアプローチなどを駆使して、知的興奮に満ちた数々の発見を成し遂げてきた認知心理学の最前線から、知覚、記憶、思考、言語など人間の複雑で高度な心理的機能の謎を解き明かしていく。
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編集者の裏×裏(ウラジジョウ)
本書は「文章とビジュアルが一体となった新しいタイプの心理学書」を自負しています。大好評のシリーズ前作『心理学ビジュアル百科』に続く今回の「認知心理学編」では、人間が物事を「知る」ときの心の働き、ほとんど意識に上ることなく瞬時に実行されるその心の働きを、さまざまな側面からわかりやすくご紹介しています。本書の中でも取り上げていますが、画像に対する人間の記憶は驚くべきもので、一瞬見ただけでも2,500枚もの写真を記憶できることが実験で確かめられています。本書では、文章はもちろん、随所に配されたビジュアルをざっと眺めるだけでも、本文の内容をイメージしていただけると思います。ぜひ認知心理学の世界を、見て、読んで、楽しんでください。(TK)
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わが子が幸せになるお母さんの一言【10/4発売】
鈴木博著 定価(本体1,400円+税)
著者の経験と交流分析の理論によって自分自身の「心の動きの法則」を知り、親子間のコミュニケーションを修復。子どもがやる気になって生きていく方法を多くの事例で解説。
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ビジュアル版 子どもの権利宣言【10/19発売】
シェーヌ出版社編/遠藤ゆかり訳 定価(本体2,400円+税)
1989年11月20日に国際連合で採択された「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」を、10歳以上の子ども向けに易しく書き直した条文とイラストで紹介する。
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危機介入の箱庭療法【10/19発売】
エヴァ・パティス・ゾーヤ著/河合俊雄監訳/小木曽由佳訳 定価(本体4,500円+税)
心理療法の創始者たちが思い描いていた社会的ヴィジョンを振り返り、世界中で試行してきた独自の箱庭療法の事例を紹介する。
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臨床心理学で読み解く芸術家の創作【10/19発売】
伊藤俊樹著 定価(本体3,600円+税)
芸術家を創作に駆り立てる力とは何か。「自我のための退行」を拠り所とし、ロールシャッハ法と「なぐり描き(Mess Painting)」法を用いた事例を挙げ考察。
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高齢者の心理臨床【10/19発売】
北山純著 定価(本体3,600円+税)
心理臨床家が高齢者と関わる際、老いに率直に目を向け共に過ごすことには何か意味があるのでは? 精神科デイケアでの心理的援助の実践から高齢者の心理臨床について考察。
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営業部だより
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出張で九州の市電の走る街を訪れた時のひとコマ。『人を動かす 文庫版』の限定カバーが目の前を通り過ぎてゆく……と思って、思わず撮影しました。穏やかな小春日和の中、ほんわかした水玉のラッピング電車がゆっくり通り過ぎる風景がとても素敵でした。(TI)
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