大阪の出版社 創元社より、新刊・近刊情報をご案内いたします(毎月10日配信)
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立秋が過ぎ、暦の上ではすでに秋に入っていますが、まだまだ暑い日が続きそうです。熱中症にはくれぐれもお気をつけください。今回のイチオシは今注目の「プログラミング」の本。そして絶賛発売中の新刊Pickupでは、編集担当者の裏話もたっぷり掲載しています。創元社メールマガジン8月号のお届けです。
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人気のパイソンを学ぶための最高の入門書
2020年より小・中学校でプログラミング教育が本格化――人気の言語「パイソン」を習得するための最高の入門書が登場。プログラミングの手順を1ステップずつやさしく解説。カラフルなイラストや興味をひくプロジェクトを通して、Pythonの基本が楽しく学べます。絵を描いたり、動きのあるグラフィックを作ったり、かんたんなプログラムで動くおもしろいゲームを作ったり、この本一冊で基礎の習得から実践までカバー。
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2020年、東京オリンピックの開催と同じ年に小学校でのプログラミング教育の必修化がスタートします。翌年以降は中高の授業および大学入試に順次本格導入され、いよいよプログラミングが特別な技術ではなくなる時代がやってきます。そこで今からどうするか? プログラミングがあくまで何かをクリエイトするための「道具」である以上、実際に手を動かして、その道具になじんでいくことが大切なのは言うまでもありません。この本で扱っているプログラミング言語「Python(パイソン)」は初心者が覚えやすく理解しやすい言語でありながら、人工知能の開発やビッグデータの解析にも使われ、近年急速に注目を集めています。今学んでおいて損はありません。カラフルなイラストを交えながら1ステップずつ学べる本書の存在は、きっとあなたの強い味方になってくれるはずです。学生や社会人の独習だけでなく、親子で一緒に取り組むのもオススメ。ぜひ最初の一歩を踏み出してみてください。(TH)
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たのしくまなぶPythonプログラミング図鑑
キャロル・ヴォーダマンほか著/山崎正浩訳 定価(本体2,800円+税)
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新刊Pickup ―7月の新刊より―
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「観る将」もわかる将棋用語ガイド
青野照市著 定価(本体1,300円+税)
いまや大変な将棋ブーム。将棋はしないで見るだけのファンも増え、解説会などは大人気だ。しかし将棋用語を知らない「観る将」も多い。「悪手」「田楽刺し」などは文字からあるていど想像がついても、「さばく」「詰めろ」などは解説を聞いても、いまひとつ理解しにくい。本書は、こうした用語を図面付きでわかりやすく解説した。読めば将棋を指す人も指さない人も、将棋がおもしろくなることうけあい。
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編集者の裏×裏(ウラジジョウ)
著者の青野照市九段は将棋の研究家として知られていて、特に新手や新定跡を指した棋士に送られる升田幸三賞を二度も受賞しています。47歳でA級棋士となって「中高年の星」と呼ばれたこともある先生ですが、実はかなりのおっちょこちょい。自称「反則負けの神様」。奨励会時代、成れないところで飛車を成って反則負け、気を取り直して次の対局に臨んだのですが、なんと自分が下手だったのに先に指してしまい一発反則負け。二局連続の反則負けどころか、二手連続の反則負けという不滅の記録を打ち立てたのです。(KY)
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大阪の教科書 ビジュアル入門編
橋爪紳也監修/創元社編集部編 定価(本体1,500円+税)
「なにわなんでも大阪検定」の初級受験者向け公式テキストがオールカラーで登場。大阪ことばや歴史・地理・産業から、スポーツ・芸能・カルチャー、食文化や江戸時代の暮らしに至るまで、バラエティーに富んだテーマ設定で重要トピックを幅広く網羅。図版満載で要点をコンパクトにまとめ、検定試験合格のために必要最低限の知識が得られるだけでなく、広く大阪の歴史・文化に興味を持つ人もビジュアル図説として目で見て楽しめる。
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編集者の裏×裏(ウラジジョウ)
編集A:この本の編集・製作に携わってみて、正直なところ、どうだった?
編集B:タイトルに「教科書」とあるから、一見して堅そうな印象ですけど、読んでみたら面白いページが多いですね。図版もかなり多いし。
A:図版は全部で300点は入れたかな。頑張ったね。
B:320点以上あります。ほんとに疲れました。
A:収集ご苦労さんでした。見栄えのするページが多くなって、努力の甲斐があったと思います。ところで、どのページが一番面白かった?
B:まず、一番最初に載せている「国語(大阪ことばミニ事典)」がすごく面白かったです。例文というか用例もそうですけど、言葉のチョイスが特に。
A:例えばどんな言葉が気になった?
B:私は関西出身ではないので、よけい新鮮に感じたかもしれないんですが、辞書には載ってなさそうな「必死のパッチ」とか「マクド」とか「ヤンキー」とかですかね。街なかで普通におっちゃんがしゃべってそうな言葉もありますね。「なんしか」とか。
A:「なんしか」はこの本の組版担当の人の口癖だからね。打ち合わせの時も「なんしか」を連発してたでしょ。
B:そうそう。だから、ゲラを読んでて、つい笑ってしまって。「はげちょろけ」というのも、語感が面白いですね。お婆さんが言いそう。全体に、言葉と例文に生活感があってリアルな感じがします。どうやってチョイスしたんですか?
A:大阪ことばの辞書というと、牧村史陽先生と前田勇先生の2大事典があるので、まずはそこから抽出したんだけど、なんせ古い本だから、現代人の言語感覚からずれてしまう部分がある。それで、小説や歌謡曲、映画やドラマのタイトルとかから、現代人がよく使う言葉で、大阪らしさがにじみ出ているような言葉を足していったという感じかな。といっても、一過性の流行語は排除しているし、辞書に載ってないだけで、どれも20年30年はすたれずに定着している言葉だね。
B:確かに小説とかNHK朝ドラのタイトルとかで、そういう言葉はよく使われますよね。『すかたん』とか『ぼちぼちいこか』とか、最近の朝ドラ「わろてんか」とか。
A:いや、「わろてんか」は正直言って日常会話でほとんど使わない。だからこの本にも載せてない。
B:そうなんですか?
A:そう。だから言葉の選択はとても大事。古い言葉も多少入れるようにして残さないといけない。「大阪ことば」の使い手が減って標準語化していったら、ほとんどの大阪文化は特徴が希薄になってすたれると思う。
B:そこまで言いますか。
A:言います。大阪ことばを標準語に変換したら、文楽も落語も小説も、大阪映画や音楽だって、ほとんど成立しないから。そうやって編集で言葉と語意を慎重に抽出した後に、作家の人に用例や説明を肉付けしていってもらったから、読み物としても成り立ったと思う。辞書そのものは、もともと読んで面白くないものだから、工夫しないとね。
B:「社会」のページでは記録写真に惹きつけられました。大阪大空襲とか、鉄道の初代の駅舎とかが特に。それと、大阪の企業がこんなにあることにもびっくりです。
A:例えばどんな企業?
B:キンチョウとかマンダム、サントリーとかコクヨですね。なんとなく、CMとか広告が面白い企業が多い気がします。そうそう、マロニーとかヨド物置とかも載っていて、ついCMの映像とか歌が頭に浮かびます。
A:地元のメディアも財界人も、大阪から本社を移した企業とか、経済地盤沈下の話題ばかりだからね。これだけ多種多彩な企業があることを知ったら、物の見方が変わるかもしれない。
B:「芸術・娯楽」のページでは、古典や古い作品以外に、最近の新しめの作品も紹介されてて、興味深かったです。
A:気になったのはどんな作品?
B:漫画だと、中学生の時に学校で回し読みしてた『ベルばら』とか、ドラマで観てた『ガラスの仮面』とかですね。
A:最近じゃなくて、だいぶ古い作品だね。世代的に合うのかな?
B:良い作品は世代とか関係ないみたいですよ。
A:でも、この本に載せてる古い音楽とか映画は知らないでしょ。
B:確かに。漫画だけかもしれませんね。
A:上田正樹とか河島英五は知ってる?
B:知りません。
A:海原千里・万里は?
B:知らない。
A:上沼恵美子は?
B:知ってます。
A:世代間ギャップを感じるな。
B:でも、ドリカムとかaiko、絢香とかも載ってますし、私たちの世代でも親しみやすいですよ。
A:サブカルチャーは流行性と定着度合いを見極めないといけないので、実はチョイスが難しいんです。かといって、数十年後に評価が定着してから選んだのでは遅すぎるので、各分野の専門家の評価やユーザーのレビューなんかも参考にしつつ、最後は思い切って紹介する勇気、かな。
B:古い作品ばかりだと興味が持てないし、新旧両方をカバーしていて、いい感じですよ。観たり聴いたり読んだりしたくなります。
A:そう感じてくれる若い人が多いといいね。丸暗記の勉強ばかりでなく、古典にも、同時代の作品にも触れたくなるきっかけづくりもこの本の目的だから。
B:この本で身につけた「大阪ことば」も日常会話で使ってみたいです。
A:それはTPOと相手を見て使ったほうがいい。地元人にはエセ関西弁を嫌う心の狭い人がいるから。
B:ほんまですのん?
A:なんか違う。イントネーションがおかしい。
B:心が狭いですよ。
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縄文力で生き残れ
望月昭秀著 定価(本体1,200円+税)
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私はできる
B・スイートランド著/桑名一央訳 定価(本体1,350円+税)
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もういちど夢をかなえるヒント
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「夢ノート」考案者の著者が、ふたたび夢に向かって行動できるヒントをエッセイとイラストで紹介。
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マンガでわかる鉱物コレクターズ・マニュアル
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営業部だより
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暑いですね。夏は海も山も魅力的ですが、実は本屋さんに行くのもおすすめです。夏の文庫フェアが行われていたり、夏休みの課題図書が並んでいたり、昆虫や恐竜などの夏らしい図鑑もたくさん。今なら外の暑さとは違った意味で、爽やかな「夏」感が味わえます!(RT)
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